第一話 転生
趣味で投稿
気分で書くので不定期になるかも?
出来るだけ定期的に投稿します。
"此処は何処だ?"
オレが目覚めて最初に考えたこと。
"オレは誰だ?"
オレが目覚めて次に考えたこと。
"オレ……ドラゴンになってる"
これはオレが目覚めてから結構経ってから考えたこと。
オレが覚えているのは、目覚めた後と……"その前"だけだ。
□□□
『ぅぅん、……うん?』
気持ち良く眠りながら寝返りを打つが、違和感を感じる。
なんと言うか、そのー、あれだ、草原で横になった時みたいな感じだ。
……うん?草原?
一気に醒めていく眠気と一緒に飛び起きる。太陽の光に目が眩み、目を細める。
目が光に慣れて、今度はしっかりと眼を開く。
目の前に広がった景色は、コンクリートに覆われた景色とは真逆の、大草原だった。
遠くには羊や牛なんかの動物の群れが見える。更に奥には雄大な山脈が広がっており、その光景は本やテレビで見たアルプス山脈等を思い起こせた。
暫くの間、オレは初めて生で見る雄大な大自然に感動し、景色を眺めていた。
体感で一時間程だろうか、オレは漸く思考を取り戻した。
そして気付いた。
『オレは、誰だ?』
記憶が無かった。いや、少し違うか。正確には"自分自身について"の記憶が無かった。
忘れているにしてはやけにピンポイントで記憶が消し飛んでいる。
現代社会の様々な知識は完全に覚えているのに、自分自身についてだけ忘れるのは変、でもないか?記憶喪失の人の中にはそういうのもいた筈だし……
うん、分からん!記憶喪失についてはおいておこう。
改めて、此処は何処だ?アルプス山脈っぽいけど、あそこにこんな大草原在ったかな?
まぁ取り敢えず人を探してみよう。そう考えて一歩踏み出して、再度違和感。
『オレの身体の感覚、おかしくない?』
オレの感覚が正常とは思えない。なぜなら……
四足歩行で翼と尻尾がある。
恐る恐る、右手を見てみる。何となく気付いていたけど、見なかった現実を直視する。
そして、オレの眼に写ったのは……
黒い鱗に覆われた、爬虫類の様な手だった。
『ハハハ……ドラゴン?オレが?冗談?マジ?……ウソォ……ハハハハハハ……』
衝撃で呆然とするが、改めて周りを見回す。
さっきは遠くで良く見えなかったが、牛だと思ってたのは金属質な外骨格に覆われている戦車みたいな牛擬きだし、羊は何か帯電してるし、鳥はドン引きする程の速さで飛んでるし、間違いなく地球上の生き物じゃない。あんなのが地球上にいてたまるか。
それが示すことは認めたくないが一つだけ。
即ち……
『……異世界だわ、此処……しかもドラゴン転生……』
更に言えば……
『ハード仕様じゃん!フザケンナァァァーー!!!』
突っ込んで来る金属牛の群れと帯電羊の群れ、オマケの爆速鳥から一目散に逃げ出す。逃げる宛は転生直後なので無し。
転生してから約一時間、命懸けの逃走劇、開始。
一人称は"オレ"ですが、女主人公です。