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SHs大戦  作者: トリケラプラス
第二話「オタクランドサガ」
19/134

2-9 感染源


「ほあっちょぉぉぉぉおお!」


「ありがとうございます!!」


 メアのフルスイングの鉄製手錠が布教者の頬を叩き。ダウンさせる。

 それを確認したメアは駆けだそうとしたがその足を掴むのもがいた。


「のだ!?」


「布教……布教ですわ~」


 先ほどノックアウトした布教者だった。倒されたかに見えた成人女性は強い力で小学5年生女子の足を掴んでいる。

 そのような通報が発生しそうな状況は長く続かない。横から現れた布教者を蹴り飛ばしたものがいたからだ。


「油断すんな。規則第二、死体蹴り。だろ」


「アークぅ!」


 その後ろから襲いくる布教者をリクが殴り倒し。


「あなたも油断しないでください」


「お、いたのかリク」


「ずっといましたが!?」


 揶揄に真っすぐに反応するリクとそれを愉しむアークを他所に布教者は未履修者を喰らい数を増やしていった。


「イヤァアアアアア!逆カプを布教される~!……私は……今まで何て空虚な人生を送っていたの?」


「まずい。クラークがやられた……畜生おれは絶対生き残ってやるから。ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」


「ネビル―!!お前等。こっちにこい。一気に突撃をかけるぞ。もう残ってるのは10人もいねえ!」


 フランクの呼びかけに応じ未履修者たちは布教者たちの波を駆け抜け一斉に通路に向って駆けだす。途中何人もが犠牲になったがSHの混じった突撃を止められることはなかった。

 通路を抜けて一気に屋上に向かう。残ったのはアーク、メア、リクそれとフランクだけだ。


「残ったのはこれだけかよ……」


「奴らが追ってきている。悲しみに浸るのは屋上についた後……うん?」


 感傷に浸る?間もなく走り続ける一行の耳にキーンという甲高い音が届く。音は直ぐに止み。代わりに言葉を届ける

「あーあー。館内の憐れな愚民(非オタ)どもに告ぐー」


「何だ?こんな時に館内放送だと?一体誰が……?」


「既に館内は地下から4階までを占拠したでござる。最早逃げ場は一つしかないでござるねぇ?せいぜい頑張って逃げてくだされよ?では。後で会おう」


 そういうと放送は途絶えた。


「アーク……敵がついに姿を見せたのだ!」


「ようやくだ……けどよ」


 アークは自身の他三名を眺め。放送室に向かうことを取りやめる。


「奴はまた会おうってたんだ。いずれ屋上まで来やがるつもりなんだろうさ。そん時まで無事に乗り切って鼻を明かしてやろうや。にしてもこの声どっかで……」


「何を言ってるかはわからんが。一つ気になっていることがあるんだが。アーク、きみ尻尾ついてたっけ?」


 フランクの素朴な疑問に一同はあーっ……となり。


「まれによく生える」


「そうか、それなら仕方ないな。換歴だしな」


「いいんですかそれで!?」 


 リクの突っ込みとほぼ同時に屋上への階段へとたどり着く。だがそこにも既に十字軍のたまり場になっており。激突を強いられる。

 数撃で撃滅させるも背後から追ってきていた十字軍に追いつかれる。

 狭い階段をメアとリクを先に行かせ、フランクとアークで牽制しつつ薄暗い階段を登っていく。

 そんな時だ。アークが変化に気付いたのは。


「フランク!あんた肩が!」


 見ればフランクの右肩には服を貫通した噛み跡があり僅かに赤の色が覗いている。


「ああ……さっきの攻防でちょっとな。大したことはないから。しんぱいする──」 


 アークがせいっ!と階段を登りながらフランクを布教者たちの群れへと投げ込んだ。


「え?ちょ?」


「布教ー!」


「ぎゃあああああああああああ!?」 


「判断が早い!いや……ちょっと!フランクさーん!?なんてことするんですか!まだ助かったかもしれないのに」


「リクの姉御……生き残りたくばはんぱな情はすてさるのだ」


 仲間を一人失い悲しみに暮れる一行だったが。尊い犠牲による時間稼ぎのおかげもあり無事屋上への扉を開け。最終防衛ラインに辿り着く。


 ロメロモールの屋上は簡易な遊園地となっていた。小型の観覧車からキャラクターカー。メリーゴーランドにイベント用スペースなどどれも少し寂れてはいるものの設備はそれなりだ。

 アークは自身の体で奥からドン、ドンと叩かれる鋼鉄製の扉を抑え続け。


「おいメア。お前リクと一緒に観覧車中入っとけ」


「ちょっと!アークさん一人で戦う気ですか!?私も戦いますよ!」


「そーだそーだなのだー」 


 反発するリクの言にアークは頭を掻き。


「あーもーわかれよ!邪魔なんだよ本気でやるのによー」


「なんですってー!」「のだ~!」


 ぎゃいぎゃい言っている間に扉を叩くドンドンといった衝撃は消えていた。


「ったくこいつらはゆうこと聞かねえ……あん?」


 次の瞬間これまでは比べ物にならない衝撃が走り。鋼鉄製の扉にはくっきりと拳の跡が付いていた。

 衝撃は連続し増殖する拳跡にアークは扉から吹き飛ばされ。ついに地獄の扉が開く。

 意外にも最初に足を踏み入れたのはゆっくりとした足取りだった。

 スニーカーにGパン。パンパンに張ったリュックサックに真っ赤なバンダナ。極厚の眼鏡を掛けるその姿は。


「やらんかの人!やっぱおめえか……!!」


「ランカ様だ。なんだぁ?気付いてたでござるか」


 髪色を黒から緑へと変じたクラシックオタクスタイルの女性だった。その臀部からは魚類のような尾が付いていた

いくつかのフォロワーさんにSHs大戦のジャンルはSFだという指摘をいただきましたのでSHs大戦は3話目投稿開始からジャンルの枠を ファンタジー ローファンタジー から SF 空想科学 に変更します。

2話中幾度か同様の告知を乗せますがご容赦ください。

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