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迷いの森―攻略開始―


 バトルフィールドが展開され、リーザ・モアの二頭身キャラが現れる。その画面演出を背景にしてリーザの立ち絵が現れた。


『……。赤魔女、きこえてる? 貴女なら結界内に侵入した時点で私に気づいているはずよ。今も《遠見》の魔法でこちらを窺っているのでしょう?』


 返事はない。


 代わりに森がざわざわと賑やかになる。


 バトルフィールド上に種々のモンスターがわらわらと集まってきた。


『貴女のことだからただ物臭に引き籠もっていたいだけなのでしょうけど、今は観念して出てらっしゃい! 私と一緒にここの結界を破るわよ! 魔王様がお困りなの。貴女も魔王様に忠誠を誓う幹部なら召集に応じなさい!』


 どこからか音楽がきこえる。


 マーチングバンドに耳障りな哄笑。


 まるで森中が劇団と観客で埋め尽くされた舞台のよう。


 リーザを挑発していた。


『そう。連れ出したいなら力尽くでしてみろ、というわけね』


 わかっていたことだが、どうしてうちの幹部どもはどいつもこいつも自分勝手なのだろう、と呆れるリーザ・モア。魔王からすればその筆頭こそリーザなのだが、当の本人にはその自覚がない。


 手のひらから黒炎を噴き出して、森の魑魅魍魎たちを盲の目で睨み返す。


『森ごと焦がしてやろうかしら』


 このように、イチかゼロかで裁定するのだ。


 リーザ・モアの殺意に妖精や悪霊たちが竦み上がる。


『待ってなさい、赤魔女。森を焼き払い、自慢の根城から燻し出してあげる。うふふ』


 これまでで一番いい笑顔だったそうな。


 ゲームスタート!


――――――――――――――――――――

 リーザ・モア LV.  10

        HP  284/284

        MP  204/204

        MAT  78

――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――

 シルフ    LV.  7

        HP   77/77

        MP   20/20

        MAT  22

―――――――――――――――――――



◇◇◇


 森フィールドは、村の広場や草原フィールドほど横の広がりはない。


 火山フィールドのようにトラップが仕掛けられているわけでもないが、細い道がジグザグに続いているのが特徴で、エンカウントした敵を無視して突破することは難しい。


 出会い頭に先制パンチを食らわして確実に仕留めていくのがベスト。殲滅する必要はないんだけど、なにぶん狭い道だから、残した敵が詰まって逃げ道が塞がるような危機だけは避けたい。


 まあ、それとは関係なく、ドロップアイテムで回復薬を偶に入手できるから倒しておいて損はない。


 リーザと、リーザの部下【シルフ】×5が一列になって道幅二マスの道を行く。【カリスマ値】が一定値を越えているのでシルフを命令どおりに動かすことができる。私は少々無謀な賭けに出ることにした。


 他のステージならシルフで前後左右を固めてリーザを守りながら進軍させるところだけど、このステージのラストに控えるボスとの戦いにはシルフという盾は絶対に必要だ。なので、シルフを一体も欠かすことなく最後まで運ばなければならず、一度死んだら終わりなこのゲームでは無茶な陣形――大将を先頭にした『蜂矢型』で切り込んでいく。


 大将が部下を守る格好だ。もちろん、大将を死なせるわけにいかないので、回復薬や補助アイテムはガンガン使っていくつもり。


 どうせセーブ&ロードは使えない。


 道具袋をカラにするつもりでいっちゃる!



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