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鬲皮視霆榊・ウ蟄蝉シ?(莉ョ)①--SYSTEM ERROR:[魔王軍女子会(仮)①]


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【髫?縺励す繝翫Μ繧ェが解放されました】


『髫?縺励す繝翫Μ繧ェ【鬲皮視霆榊・ウ蟄蝉シ?(莉ョ)】』を閲覧しますか?


 ◇ はい

   いいえ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


◇◇◇


 百年以上も前のこと――


 赤魔女ナナベールが魔王軍に参加した当初、魔王様は配下の者の前にほとんど姿を現さなかった。


 言伝があればいつもアーク・マオニーを通して伝えられたし、戦場で勇者と戦ったときでさえ指示はなく各幹部の裁量に任されていた。


 それに不満があったわけではない。むしろ、自由に伸び伸びと好き勝手できたのでナナベールにはこれ以上ないほど都合のいい上司であった。


 だが、だからこそ警戒もした。


 魔王様の懐の深さはただ底が抜けているだけのようにしか思えず、本当にナナベールたち幹部をまとめるほどの器量があるのか疑わしかった。


 世界征服という共通の目的のために一致団結している間はいいが(ナナベールは世界征服に興味はなかったが)、目的がなくなった瞬間組織は呆気なく瓦解するような気がしてならない。


 面倒は御免である。内輪揉めが起きないうちに魔王軍から抜け出すことも考えておく。


 そんなナナベールの内心に気づいたのか、ある日魔王様が研究室にやってきた。


 ナナベールは魔王様に真意を訊いた。


「……なぜ余が皆に干渉せぬのか、だと?」


 ナナベールは頷き、遠慮することなく言った。


「自由に研究させてもらっといて言うのもなんだけどよー、正直不気味なんよ。魔王様はうちらに一体何をさせたいん? 魔王軍をどうしたいんか?」


 恐れ多い物言いだが、魔王様は特に気にするでもなく厳かに返した。


「余は『魔王』と呼ばれる存在。だが、この世に現れた瞬間から『魔王』であったわけではない。そのように振舞ったつもりもまたない」


「?」


「余はただの導にすぎぬ。各々が目指す道の上の座標にすぎぬ。余が倒れることがあればそのときは黙って通り過ぎるがいい。『魔王』はただの名にすぎぬ」


 思わず眉をひそめた。


「飾りだとでも言う気か? だったら、従ってるうちらがバカみてーじゃんか。世界征服なんてのも実はどうでもいいとか思ってんじゃねーの?」


 魔王様はくつくつと笑った。


「世界は取り戻す。それが始まりの一手であるからだ。だが、奪った世界をどうしたいかはおまえたちで考えよ。余はおまえたちの行く末が見たい。おまえたちの手で紡いだ物語の、その結末を見届けたい。鑑賞したいのだ。それが余の楽しみの一つである」


 ナナベールは目を丸くした。その目的はまるで――


「それって……。魔王様、あんたは――」


 あんたは……


 ナナベールはそのとき、魔王様から巨大な圧を感じ取った。


 懐の大きさ深さなどという問題ではない。一個人として捉えるのがそもそも間違っていた。


 魔王とは現象の名なのである。


 翻弄される者どもが勝手に畏れるだけの偶像。


 神に盾突く叛逆の総称。


 災害に意思はなく、故に壊した後の世界を立て直すつもりもない。


 魔王軍とは、後の世の再興のために集められた新人類候補なのである。


「だからうちらに指示とかしねーんだな……」


 呆れて溜め息を吐く。


 まったく次元の違う話をされてしまった。ナナベールは将としての器を見極めるつもりでいたのに、魔王様はそもそも同じ土俵に立ってさえいなかった。遥か天上から世界を見守っているにすぎない。


「それってさー、……」


 ナナベールはその先を言うのをやめた。言えばきっとこの瞬間に魔王軍は瓦解してしまう。


 そっぽを向いて、拗ねるように口にする。


「なら、好き勝手させてもらうぜー。世界をめちゃくちゃにしても後で文句言うんじゃねーぞ?」


 代わりに言った台詞は忠誠を誓うものであった。


「楽しみにしておこう」


 やはり魔王様には逆らえない。



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