詩 大地の塔
人を拒んだ大地は 空へ浮かび上がった
どうして 聞いてみたけれど
応えは返ってこなかった
誰もが胸を痛めた
誰もが許しを請うた
けれど 大地は空に逃げて 逃げ続けて
やがて手の届かない場所までいってしまった
もう その姿も見えない
自由になったなら
鎖に縛られていないなら
これが幸福だという 声が響いてきた
見捨てられた人類は
ただ 色鮮やかに染まった空を見上げる事しかできなかった
「解放された大地はどこへ行くのだろう」
「向かいたかったどこか果てにか」
「それとも……ただ私達がいない場所へ向かっているのか」