第3話 2人の再開は少年を舞台へ誘う
踏まれた顔を無理矢理横に向けて声の主を見た。
彼女は泣いていた。
なんとも言えない顔をこちらを見ている。
流石に命乞いはダサすぎた。
今になって恥ずかしくなってくる。
しかし、そんな僕の気持ちなどお構い無しに髪を掴んでいる男は古屋さんの顔を蹴り飛ばした。
「ううぅ……」
鼻血が流れた。その顔には絶望の二文字が埋め込まれ、二人の男の顔色を交互に伺っている。
この3人の関係性はいまいち掴めない。しかし、彼女がまともな扱いじゃないことだけは良くわかる。
同じ世界に来た同じ国の人。なんとかして助けたい。でも、僕は既に男の射程距離の中だ。いくら、ルシュフォールさんの魔法がかかっているとはいえ、火をまともに受ければ終了だ。
自分の魔法は無力だ。
一番使うべきところで使えない。
僕みたいじゃないか……
……いっそ、男二人殺してしまおうか。
残酷な選択肢が浮かび上がり、一瞬にして消え去った。
彼女の前で人を殺したら何て思われるのだろう?
想像したくない。
このどうにもできない状況の中、結局何も決断できないでいると、男が僕に手を向けた。
それは、今までも3回見てきた炎の発射の合図。
終わった……
ガキン!!
「●£▲@@◆◆〇!」
何が起きたか一瞬分からなかった。
しかし、男の手を貫いたのは石の弾丸だった。
その弾丸を放ったのは骨折男だった。
炎魔法の男が怯む。
髪を掴んでる男も一瞬意識がそちらに向いた。
今しかない。
僕は無我夢中で古屋さんの服の襟元を掴み、男から奪い取るように強引に引っ張り上げ、地面に横たわる骨折男をもう片方の腕で腹の辺りを抱えて走った。
逃げるしかない。あとは、あの2人の魔法の射程距離がどの程度かによる。
つまり、運任せ。
瀬戸際でこんなリスキーなことを普通はできない。
でも……
やってしまったからにはやりきるしかない。
すぐさま建物の影に入り、裏路地を突き進む。火球が飛んできた。
火が僕の後ろに迫る。
火球は僕の身長と変わらないほどの大きさ。狭い裏路地に避けるスペースなどない。
しゃがんでも無駄。
走り抜けるしかない。
ギギギギギギ
燃えている建物が、僕らに目掛けて倒れはじめた。
やばい。
ガタン!!
先に倒壊した柱が目の前の道を塞いだ。
後方は火球、前方は行き止まり。横からは建物。
逃げられるのは……
上だ。
上を見る。燃えていない方の建物は2階建て。窓はこちらの方向に1つもない。
天井までかけ上がるしかないか………
1人でもまず無理だけど、2人も抱えていくとなると絶対無理だ。
でも、どちらかを捨てる選択肢はなかった。
どうやって、2人とも抱えて上る?
柱が横たわっている。そこを走れば多少天井に近づく。
火傷はこの際、覚悟だ。
速度を緩めずに、そのまま柱に乗り込む。
靴が燃え始めるが気にしない。そのままかけ上がる。
あと、一歩で跳ぶぞ!
バキンッ
乗っていた柱が折れた。そのまま、落ちかける。
が……
ザッ
一瞬だけ足場が出来た。石だ。
骨折男、最高のタイミングだ!!
勢い良く跳ぶ!
屋根までの高さはまだ3メートル以上あり、これを常人が上るのは無理だ。だが、今の僕は常人じゃない!
そこで横から火球が飛んできた。
あの炎魔法の男、僕たちのことを何がなんでも殺すつもりだ。
僕たちの移動先に正確に狙いを定めてる。
避けられない。
火球はあと2メートル体勢を変えれば下に落ちる。
食らってもどうにか生き残ってることを願うしかない。
火球はあと1メートル!
ギュイン!!
曲がった!
なぜ!?
自分の体を見るとそこには何もなかった。
後ろをチラリと見るとそこに燃えてる僕達がいた。
そして、僕らは……
天井に乗り込んだ。
「古屋さん。使うなら一言言ってくれよ。焦ったろ。」
「ご、ごめん。魔法に集中してて……」
「ありがとよ!!」
気持ちが高揚してる。ランナーズハイってやつか?
「しっ、静かに。バレちゃうよ。」
「あ、ごめん。」
「あと、あの幻が成功したのは、男が火球の弾道を操作できたから。私自身あれは賭けだった。別に大したことじゃないので……」
「生き残ったから万事OKだよ。」
「〇◆@▲●£%◎◆〇(あのよ。今回のMVPは俺だからな。)」
骨折男が何か言ってるけどよく分からない。
まあ、いっか。
古屋さんも安心したように頬を少しだけ緩ませた。と、思ったら、直ぐに険しい顔になる。
「あし!!足!!!」
「おいおい、大きな声出しちゃ駄目なんだろ?」
「燃えてるって!!」
「へ?」
下を見ると足が燃えてた。足って燃えるんだ。
って足!!
「あっつ!あっつ!」
急いで、靴を脱いで手で叩いて消火した。
あっつ!!
足首から上は焼け爛れていた。消火してもなお痛みが走る。真皮まで焼けてたら完全に治らないかもしれない。
靴下は恐ろしくて脱げなかった。
服の上から火傷したとき、脱がない方がいいという話を聞いたことがある。皮ごとベロリと剥けるそうだ。
あえて今、触る必要はない。
「£▲@〇◆◎*●%!!」
下の方で声が聞こえる。多分、バレたな。
「よし、逃げよう。」
足の感覚を確かめながら、なんとか立ち上がる。ここで止まったら、気が滅入って歩けなくなりそうだ。
「足、大丈夫?」
古屋さんが僕の足を気にして声をかける。
全く大丈夫な見た目じゃないけど、弱音を吐く訳にもいかない。
足踏みをする。まだ走れる。
「大丈夫大丈夫。なんとかなるって。それにこの建物もさっき倒れた建物から火が移ってる。早めに逃げないとここも崩れる。下の男達もいるし。」
「じゃあ、私が怪我してる人背負う?大変でしょ?」
あー!もう!!
きっと、僕の顔は真っ赤だ。
今まで同年代の女性にこんなに心配してもらったことがないから、気持ちが浮わついてしまう。
ダメだろ。この状況でこれは!
もう、この人抱き締めたい!!
痛みなんか忘れてどこまでも走っていけるぜ!
僕と君なら!
あ、骨折男いたわ……
おいおい。もう少し落ち着け。
まず、冷静に考えて道路に下りるのは危険過ぎる。さっきの男達がうろついているからだ。
そうなると屋根の上を飛び越えて、隣の家へ移動するしか手段がない。1つの家ごとに目測で2、3メートルは距離がある。
これを女性に人間1人抱えて飛び越えさせるのは、常識的に考えて無理だ。
尤も、今は常識が一概に通用する世界じゃない。念のため、確認しておくか。
「古屋さん、身体能力を強化する魔法って使える?」
「ごめん。他の人がそれらしいのを使ってたから私も試したけど、無理だった。」
だよな。
そもそも、光学迷彩と身体能力の強化が使えたら、あの2人から逃げられる筈。
こんなこと聞くまでもなかった。
だとしたらだ。正直、古屋さんが走り幅跳びで2、3メートル跳べる保証もないし、出来たとしてもスピード感に欠ける。
下の男達は撒けない。
この状況で最も安全に逃げる方法は1つだ。
「分かった。暫くは建物の上を走った方がいいから、身体能力が強化される魔法がかかってる僕が2人を抱えるのがベストだと思う。」
ってそれ、おもいっきりお腹触るのか。意識しないようにしよう。
「わ、分かりました。お願い…します。あ、靴使って。」
顔に出てたかな……
「あ、ありがとうございます……」
急にですます調に戻ったのは、気にしない気にしない。そうだ。僕は少しも気にしてない。
急いで靴を履く。
やはり、足に痛みが走る。
だが、それを気にしてゆっくり履いていると確実に心配されるから、5秒程度で両方とも無理矢理履く。
指先が赤い液体でベットリだ。
それをズボンに擦り付けて拭く。多少はキレイになった。
再び2人を抱えて走り出す。妙に右手の感覚が気になってしまうが、それは気にしない。
絶対気にしない。
屋根を飛び越える。最初のうちは、おっかなびっくりでやっていたが、だいぶ慣れてきた。骨折男は、飛んでから地面に着地する度に呻いている。申し訳ない。
僕の魔法はまだ使えない。
火災が起きてるエリアは、どうやらさっきの一件があったところまでだったようだ。今走っている避難民の逃げている方向は、火の手が回っていない。
「下から物音しない?」
「うん。何だろう?」
下にいた男2人か?
でも、あいつらは強化された僕に追いつけず、諦めていなくなった筈。
耳を澄ませて音を聞く。下の道から僕らに並走するように足音が聞こえる。足音は恐らく1人分。間違いなく人だ。でも、僕に追いつける人なんてルシュフォールさんと兵士の2人しか浮かばない。
あの2人ならそもそも僕と距離をとる必要なんてない。
ひょっとしたら、あちらも僕らが誰か分かっていなくて様子を見ているのか?
「ルシュフォールさん!聞こえているなら返事をください!空木です!」
とりあえず、声をかけてみた。兵士なら会話は無理だが、ルシュフォールさんなら返事をくれる筈。
返答はなかった。敵かもしれない。
一度、2人を屋根に下ろし、そっと下を確認しようと屋根の端に近づく。落ちないように注意する。
相手の足音も止まった。緊張が高まる。
「ルシュフォールさんですか!?」
ガッ
一瞬だった。誰かが地面から屋根に飛び乗った。
手で屋根を掴み、ゆっくりと体を上げた。
相手は男だ。
筋骨隆々のその男が何故ここにいるか分からない。
なぜ僕らを追いかけてきたかも分からない。
この男は何者なんだ?
今朝まで僕と同じ牢屋にいた男は、静かにこちらを見据えていた。
「筋肉男……」
「〇@◆◎●▲ルシュフォール?%@〇£*☆◇?(今、ルシュフォールと言ったよな、少年?どういうことだ?)」
ほとんど言ってることが分からない。でも、ルシュフォールというフレーズだけはハッキリと聞き取れた。
僕と同じ異世界人がどうやってルシュフォールさんを知った?
僕と同じく検査の合格者だからか?
いや、それなら、同じ馬車に乗っている筈。
だったら、この人もシーロンさんと同じようにサクラだったのか?
なら、仲間か?
サクラじゃないとしても、ルシュフォールさんの仲間の1人かもしれない。
でも、何だ?
この微かに感じる敵意は?
そうだ。それは僕が異世界人の服装をしているからだ。
きっと、ルシュフォールさんから受け取ったこの紙を渡せば、どうにかなる筈。
そっと紙を地面に置く。
そして、後ろに引き下がる。
頼む。これで誤解が解けてくれ。
筋肉男はそれ静かに拾い、中身を確認する。
紙を拾ったときも、中身を見ているときも、いつでも攻撃してきそうなビリビリとした空気感が止むことはない。
動作の1つ1つが静か過ぎて気味が悪い。
強い。
多分……いや、間違いなく強い。
僕が見てきた中で、ルシュフォールさんとシーロンさんは別格だったけど、筋肉男はそれに匹敵する。
そして、確信した。
戦ったら絶対勝てない。
何があっても絶対戦うな。
自分に言い聞かせた。
「£〇@〇£▲◇☆◎●%*(これは返しとくぜ。俺が読むもんじゃねぇ。)」
筋肉男は紙を地面に置いた。
そして後ろに下がる。
僕は恐る恐る細心の注意を払いながら紙を拾う。
筋肉男の顔を見る。
立ち上がる。
静かに後ろに下がろうと重心を傾け始めた時……
「▲◇〇●◎☆☆@……☆%%!!(話したところで通じねぇ。だったら……拳で語り合おうじゃねぇか!!)」
筋肉男の殺気が増した!!
筋肉男の方向以外見られない程に!
奴は右手を後ろに下げた。
くるぞ!!
これは殴る前の予備動作のそれだ!!
くる!!
咄嗟に自分の顔を守るように両腕を交差させた。
筋肉男の一撃は、僕の腕に目掛けて放たれた。
ガコン!!
ビリビリと腕に突き刺すような感覚が走る。
ここで腕を解くわけにはいかない。
死ぬ!!
筋肉男の一撃に負けないよう必死に堪える。
先に根を上げたのは腕ではなく、足だった。
火傷で傷ついた足に男の一撃を防ぐ力は残されていなかった。
後ろに倒れこむ。
屋根に勢いよくぶつかる。
僕は後頭部を強打し、思考力を失った……
……屋上から落ちた時、僕は何を思ったんだっけ?
……「自分の心のままに………真っ直ぐに生きよう。」そう誓ったんだ。
今の僕はなんなんだ。
結局、何も分からないまま、訳の分からない殺し合いに巻き込まれ、僕は15人殺した。
前の世界も合わせたら16人か……
このどこが真っ直ぐなんだよ!!
ふざけんじゃねぇ!!
前より酷いじゃねぇか!!
今だってそうだ。訳の分からない筋肉野郎に1発殴られただけで昇天してる。
こんなんじゃ、僕が夢見た生き方なんざ出来やしない。
立ち上がれ!!
今、立ち上がらないと……
このままズブズブと……
一生負け犬になる!!
ルシュフォールさんの言葉を思い出す。
俺は自分の人生を……
自分の力で掴みとる……
自分の力で………
この世界を…………
生き抜いてみせる……………
「@●▲〇◆£☆●▲(俺の聞き間違いだったか……)」
筋肉男は背中を見せた。
僕は一瞬にして立ち上がり、右腕に力を込める。
卑怯とは言わせない。
これはスポーツなんかじゃない。
生きるための闘いなんだ。
ルシュフォールの支援魔法“フルスペック”がその真価を発揮した。
右腕は今までにない凄まじい速度で強化され、通常時の2倍の太さにまで巨大化する。
その勢いで打ち込まれた一撃が筋肉男の後頭部に直撃する。
そこで、止まらない!!
拳は止まることを知らない。
筋肉男の頭と一緒にそれは屋根まで殴る。
そこでも、止まらない!!
屋根はメキメキと音を立て、穴が空く。
清々しい程に綺麗な円形を描いた穴は2人を二階の床へ誘う。
まだ、止まらない!!
二階の床など紙切れですよと言わんばかりに、その腕は易々と突き抜ける。
ついに、一階の床を捉えた。
「まだだ!!!」
一階の床を超え、その先にあるものは地面!!
筋肉男の顔面もろとも叩き込む!!!
殴り飛ばされた地面は開戦の音を鳴らした。
この世界にとっては、それはそれは小さな小さな音。
とるに足らない微細な揺らぎ。
しかし、少年にとっては……
物語の開幕を告げるゴング。
自分の人生を賭けた闘いの始まり。
「はあっ、はあっ。」
静かに立ち上がる。
右腕に感覚がない。
ルシュフォールさんの魔法は切れた。
筋肉男はまだ生きてる。
この程度じゃ倒せない。
上を見る。
星が綺麗だ。
……今なら使える。
「中位精神魔法“安らぎ”」
効果の対象は自分。
判断力が蘇る。
頭は冴えている。
……まだ……戦える。
ただの人間の僕に、この男を倒す術はない。
少なくともこの男は牢屋の鉄格子を曲げるだけの力と、先程の一撃を受けても生存できるだけの耐久力がある。
まともに殺り合えば、勝てる見込みは0。
だったら……
まともに殺り合わないだけだ。
考えはある。
1つは建物をなんとかして倒して筋肉男を潰す。
ただ、古屋さん達がいるこの建物以外だ。
もう1つは、さっきの火球を使う男達のところまで移動して乱戦に持っていく。
2人組は、筋肉男よりは弱いだろうけど、使えるものは何でも使おう。
ただ、これには何とかして逃げ続ける必要がある。
そして、最後の1つ。ルシュフォールさんだ。彼ならどうにか出来る。出来るに違いない。
しかし、現在地すら分からない。かなりの運がないと厳しい。
全てを選択肢に入れながら行動する。
建物の中を動き回りながら奴の機動力を殺して逃げ続ける。
運が良ければ、建物で潰す。
さらに運が良ければ、2人組と殴り合う。
それよりもさらに運が良ければ、ルシュフォールさんに戦ってもらう。
決めた。僕は筋肉男を誘いながら逃げ続ける。
「おい!!これで仕舞いじゃないよな!?」
3メートル程距離をとって筋肉男に声をかける。
言ってることが分からなくても、煽ってることぐらいは伝わるだろ。
誘いに乗るか?
筋肉男は当たり前のように立ち上がった。
頭からはダラダラと血が垂れているが、目は依然とギラギラしている。口はにやけてる。
まだまだ、元気ですよアピールか。
……これなら多少は効いてるな。
全く効いてなかったら、露骨にアピールなんてしない。
寧ろ、効いた振りをした方が利口だ。
「▲●◆◇(レベル5)」
何かを話した?
怒ってる感じじゃない。
じゃあ冷静に会話でもしたいのか?
言葉が通じない相手に??
……魔法だ。
嫌な汗が流れる。
今まで見てきた魔法の中には、ノーモーションから発動するものもあったけど、言葉にしてから使えるものもあった。
何かくる!!
僕が逃げようと走り始めた時、男は僕の前に現れた。
速い!!
そのまま男は僕の服の襟元を掴み、宙に浮かせる。
服を脱いで逃げられない。
振りほどくことも出来ない。
蹴ったところで効いてるようには見えない。
こんなに簡単に負けるのか?
僕は死ぬのか?
「なあ、何で戦う?何のために生きる?異世界人なんだろ?孤独じゃないのか?ここには、知ってる人間なんていない。人を殺してお前は幸せになれるのか?どうなんだ?」
聞いて欲しく言ったわけじゃない。言いたくて言った。
「◇◆●▲☆〇α◎%α・÷◆●☆☆(少年。言いたいことは分からないが、この期に及んで弱音は白けるぜ。)」
筋肉男は、僕の服を掴んだまま床に座った。
そして、僕を掴んでる手とは逆の手の親指を、自らの方向に向けた。
「ニルト・ベラ」
短い言葉だった。
それが、筋肉男の名前だと気づくまでに時間はかからなかった。
僕は筋肉男を指差し…
「ニルト・ベラ」
名前を確認した。
ベラは笑みを浮かべて頭を縦に振った。
名乗られたなら、こちらも名乗るが礼儀。
今度は自分指差し…
「空木弥晴」
そう、彼に告げた。
「ウツロギ…ミハル」
彼も確認をしてきた。
無言で1度だけ頭を縦に振る。
「ウツロギ。☆●◆〇α%◎〇@◎α☆●◆α@◇▲*£**・@◎α☆◎◇▲@☆(ウツロギ。殴られたら殴り返す。殊勝な心がけだ。俺は気に入ったぞ。また会おう。)」
ベラは僕を離した。
「なぜ?」
「☆▲◇*@◇●£(挨拶に行くのさ。)」
ベラは一瞬にして消えた。
辺りは静寂に包まれた。
最後までベラが何者か分からなかった。