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始まりの日

世の中には色々な人たちがいる。


人種は僕たちのような亜人から、獣人、魔人、エルフ、ドワーフと多岐に渡って。


職業も、村人や商人、職人、冒険者、そして騎士と数えきれないほどの役割がある。


誰もが自分の身に合った職業で、助け合って生きている。

そして、そんな世の中には自分の身の丈を理解するための凄い方法があるのだ。


それが………10才になった僕が漸く受けることが出来る『スキル判別の儀』!


「むふふー」


思わず顔がにやけてしまう。

でも仕方ない。だってあの日からこの儀式を知って以降、ずっとずっと楽しみにしていたのだから。

10才になってもすぐに受けられるわけではなく、年に一度、村に王国から派遣された司祭様がやって来て儀式をしてくれるから、それまではずっと待ちぼうけだったし。


「まーたにやにやしてる。そろそろおちつきなさいよー。」


「………おちついていられるもんか!ずっとまってたんだもん!」


「というか、めのしたすごいよ。だいじょうぶ?ねてる?」


「ねれてない!きんちょうでやばい!どうしよやばい!ね!」


「はいはいはい、わかってるから。」


隣からの見知った声と言葉に反射的に答えてしまう。

自分と同じくらいの背の女の子。

隣の家に住んでいる僕の幼なじみだ。


「ずっとあこがれてるんだもんねー。きし?だっけ。」


覚えてない頃からずっと一緒だった女の子。

同じ村の中では一番の仲良しだ。

だから色んな話もしてきたし、僕の将来の夢だって知っている。


「騎士だよ!よわきをたすけてつよきをくじく、わるものからみんなをまもるせいぎのみかただよ!けんとかやりとかつかって、まものもてきも、こうやってばったばったとたおして」


身振り手振りで騎士の真似をする。

あの頃の記憶はまだはっきりと覚えている。近くで拾った木の棒を剣に見立てて縦横無尽に振るう。

………今はがむしゃらだが、いつかは記憶の中の騎士のようにかっこよく振るうのだ!


「あー、うん。またいつものながくなるやつね………。」


そういうと彼女は走って少し先にいって振り返る。


「ほら、はやくしないとしさいさまかえっちゃうよ?」


そばかす顔で悪戯っぽくわらうと、そのまま行ってしまった。

あの子はいつもこんな感じで僕の話を最後まで聞いてくれない。


と、呆けている場合じゃなかった。


「まってよーーー!」


手に剣(木の棒)を持ったまま追いかけた。

結局、司祭様がいるところまで彼女には追い付けなかった。



成長期はこれからなのでいいのだ。

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