悪い子の私でも。
私は悪い子です。
野菜が嫌いで、お菓子ばかり食べるし、ママの言いつけも守りません。
誰かの悪口も言うし、天使みたいなあの子を今も嫉んでいます。
私だけが世界で一番不幸で、みんな私と同じくらい不幸になればいいんだと考えます。
そしていつも夜には自己嫌悪に陥ります。
こんな私の背中には、きっと悪魔の羽が生えているんだと思います。
――でも。
こんな私を貴方は笑って、みんな同じ事を考えてるよと言ってくれましたね。
残念ながら、私には貴方が悪魔だとは到底思えません。
だけどその嘘は、とても暖かかったのを覚えています。
今日はそんな優しい嘘つきの貴方に手紙を送ろうと思います。
悪魔の私でも。
悪い子の私でも。
貴方だけには、天使に見えますように。
願いを綴った手紙は白い翼を羽ばたかせ、貴方のもとへ飛び去って行きました。