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第五章:第二十八話

 『プレイス~シオン~』の店内。


 ビスク達、四人からコーヒー一杯に銀判貨一枚の支払いを本当にさせて、店から追い出すように退店させた後は、入る客も店内にいる客も少なくなり、絢火たちもかなり仕事が落ち着いてきている様子であった。

 店のホールには、和恵は相変わらず裏方で仕事をしていて客前には出ていなく、一華と紗奈は各テーブルを周りテーブルの上を拭いたり椅子の配置を正したりなどのことを現在は行っている。

 残った絢火は一人、残っている客の注文や新規の客がいつ入ってきてもいいようにドア近くにスタンバイしていると――


 バァーーーン!!! っと勢いよく店の客が出入りするドアが開いた。


「いらっしゃいませー!」

 と、絢火は不躾なドアの開き方をする客にも笑顔でそう言って、持て成そうと客の顔を見ると――


「あっ――ディレット、来てくれたの?」

 と、さらに笑顔がやわらかく、増したようになったかと思えば――ディレットが両手に抱いている物体に目が釘付けになる。


「……って……あれ……それは……なに……かな?」

 と、絢火は意識がまとまらない、震えるような声でそう言った。


「ん? 絢火か、何をしてるんだ? って、ああ、バイトしてるとか言ってたな。こいつは――カナだ」


「え? カナ? ……カナってなんだったカナ? ああ、人の名前か……ん? そうよね? ――ってどういった関係なのカナ?」


「ん? ん――関係か……そうだな。簡単に言うと、なんか(ヨヨヨ茶を飲ませるために)連れ込まれたり、(コーヒーを飲ませるために)連れ込んだりする関係か?」


 ――とその時、一華が絢火の様子を見にくる。


「あやかー何してんだー? 客が来たんじゃないのか?」

 一華は、絢火の背後からそう言うと――


「わぁーーーーーん!!!」

 と、絢火はディレットを横切り、ドアを開けて店の外へと勢いよく飛び出していった。


「わーーーっ! あやかっ! どこいくんだーーー!?!?!?」

 と、一華は大声でそう言うと――


「ちょっと、大声あげたりしてどうしたのよ?」

 と、紗奈も様子を見に来る。


「紗奈大変だ! 絢火がすごい勢いで店の外に出て行っちゃったぞ!」


「え? どうして? なにかあったの? ってああ……」

 と、紗奈はディレットを見てなんとなく状況を飲み込むと、

「とりあえず一華は絢火を追いかけて」

 と、一華にそう言った。


「えっ!? でも、私こんな格好で外とか行きたくないんだけど……」

 と、一華はスカートを両手で持って『モジモジ』としながらそう言った。


「そう言っても、一華を一人残していくのも心配だし……絢火のこと心配じゃないの?」


「ううっ。心配だけど……でも……」

 それでも『グズグズ』、『モジモジ』としていると、紗奈は目つきを鋭くしていき――


「恥ずかしさと絢火どっちが大切なの?」

 と、問われて――


「ううっー。わぁーーーーーん!!! あやかーーー!!! どこいったんだよーーー!!!」

 と、一華も勢いよく、店の外へと飛び出していった。


「「…………」」

 何が起こっているの理解できず、沈黙を続け、事の成り行きを見守っているディレットとカナ。カナは今だディレットに抱えられていた。


「ふー。まあ、心配ないでしょ。それで――ディレットが抱えている、その子は誰かしら?」


「いや、だから、カナだ。それ以上のことは俺も詳しくは知らん……強いて言えばアマラ児童の子か?」


「そうです。ディレットさんにはお世話になっている。カナといいます」

 と、カナは軽く頭を下げながらそう言った。


「あら、挨拶ありがとう。私は紗奈と言うの。

 んー? なんかいまいちわからないけど、とりあえずお客さんよね? 席へ案内するわ――」


 と、ディレットはカナを下ろして状況がよく理解できないまま、ようやく席へと案内されていったのだった。


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