第五章:第九話
依頼を受けてから二十八日(一ヶ月)が経ち、絢火達は街へ帰ることになった。
その日の朝早く、絢火達は帰りの軽い挨拶をするため、帰り間際にディレット達のキャンプ地に寄るとそれぞれは会話をかわしだす。
「『スカーレットハート』は依頼数に達したのか?」
「ええ。すこし余裕ができるくらいには集ったわ」
ディレットの言葉に答える絢火。他のものたちは側にはいなく、自然と二人での会話となる。
「そうか。それと前に話をしたことだが、討伐者の六人を殺すようなモンスターがいるようだから帰りの道中でも油断ないようにな」
「んー、それは私達じゃなくて、ここに残るディレット達が一番気をつけなきゃいけないことでしょ?」
「まあ、……そうかもな」
「ふふ、大丈夫。私達それなりに強いんだから」
「そうだったな。悪かった、これは討伐者に向けては失言だったな」
「あっううん。そうなことない、勘違いしないで、あなた達を少しは知ったと思うそのなかで、そういった含みはないと思ってるから、あまり気を使わなくて喋らないで、私も気を使って喋りたくないし、だってもう仲間みたいなものでしょ?」
「ん? ああ、そうなるかな」
「じゃあ、次の依頼は一緒にパーティを組んでみる?」
「それは、報奨関係から無理だな」
「――ぐにゅにゅうぅ」
絢火は、へんな言葉を口に出した後、言葉を続ける。
「……まあ、そうだよね。私も半分冗談でいってるけど、そうキッパリ言われると堪えるものがあるなー」
「いや、絢火達が嫌だからとかじゃないぞ?
下位で長い感じにやっていくならいいんだろうが、俺はある程度ランクを上げたらすぐ中位の依頼を受けたいと思っているからな。そのためには装備も中位用にいろいろ買い揃えないといけないから、その分金も必要になるんだ」
「中位装備高いもんね。あれ? でもディレットの持っている『パルティザッシュ』って『鋼』だよね? 中位装備に入ると思うけど、武器も買う予定なの?」
「戦いでは少しでも余裕は持っておきたいから、中位、上位装備としての『隕鉄』を買っておきたいと思ってるが、お高いからな。今はまだ悩んでるところだ」
「ふーん。私達も貯めなきゃなーって、そろそろ行かないと」
「ん、そうか。……ああ、あとアレのこと、よろしく頼むな」
「ええ、シバグリとコモモにはちゃんと伝えておくから」
「いいところを知っていればこんなことは頼まないんだが、あまり知らなくてな……」
「いいよ、気にしないで。私達の分もいいんでしょ?」
「ああ、もちろんだ。なんだったら知り合いの二、三人だったら連れてきてもいいぞ?」
「ふふ、それはやめておくわ。……じゃあ、先に帰らせてもらうね」
「俺たちが帰る日は、まず変わることはないと思う。今回は余っている『スカーレットハート』を使おうと思っているからな、ある程度調整はできる」
「うん。でも、なにがあるかわからないし遅れても構わないから、あまり焦った行動はしないでね」
「わかってる。……じゃあまたな」
「あっ、うん、ああも……
ううん。じゃあまたねディレット」
その後、ディレットは和恵、一華、紗奈たちにも軽く言葉をかわすと絢火達は街へと帰っていった。




