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グランドハーベスト~傷みやすい『カ』実~  作者: 幻運律総
第四章:ニンジャと小人
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第四章:第五話

 数日後、依頼数に達したのでニニギの街へ戻ってきたディレット達は、その足で討伐者組合館に完了報告のために寄る。

 『スカーレットハート』の納品品質は問題なかったので、ディオメデスと長髭狐の素材鑑定の結果をギルドの個室で待っていた。

 個室にいるのはディレット、アディルト、ゼフの三人で他は建物の外で待っている。

 しばらくして、担当職員が個室へと戻ってきた。

 担当している者は前回と同じ男の職員でディレットは

「担当は決まっているのか?」

 と少し不思議に思って見ていた。


「では、ディオメデスの素材ですが、体毛十三枚で金貨一枚、銀判貨五枚、銀貨六枚。

 後、八体程の肉ですが金貨七枚、銀判貨六枚、銀貨八枚になります。

 続いて長髭狐の素材ですが、毛皮二一枚で金貨一枚、銀判貨八枚、銀貨九枚。

 二十一匹分の髭が銀判貨一枚、銅判貨五枚で引き取らせて頂きたいと思いますが宜しいですか?」


 職員から提示されたディオメデスの毛皮は二割程、安く。

 肉の値段は高いと感じるかもしれないが、腐敗していないことと、量を多く卸しているからで、猪型モンスターのエリュマントスのほうがキロ毎の肉の価値は高い。

 長髭狐素材の値段は通常の値段に比べると毛皮が三割程、髭が一割程度の値段であった。


 まあ、仕方ないとディレットは了承する。


「では討伐報酬の金貨八枚と合わせまして、

 金判貨一枚、金貨九枚、銀判貨二枚、銀貨三枚、銅判貨五枚

 となります。ご確認下さい」


 一人頭の報酬としてはパーティ費用の銀貨約七十二枚を引いて、

 金貨二枚、銀判貨六枚、銀貨約五枚となる。

 メンバーと分けられるように貨幣を変えてもらい。

 三人は、外へと出た。


 外へ出ると小雨が降っていた。

 端によって待っていたビスク達を見つけるとその場所へ向かう、その途中、ディレット達に気が付き、ビスクが声をかけてくる。


「おっ! 待ってたぜ。どうだった問題なかったか?」


 ビスク達は《フィルムゲル》を発動して雨を防いでいた。

 《フィルムゲル》は《プロテクトゲル》に比べて薄い魔法の膜で防御力は無いが、

 雨、虫よけ、煙よけ、臭いなど防いだりする時に使う(《プロテクションゲル》でも可能)。

 そしてMP消費も少なく。効果時間も長い。

 アビリティスキル条件は、器用[Ⅰ]、MILV[Ⅰ]。


 この他にもいろいろと器用[Ⅰ]、MILV[Ⅰ]の条件で発動出来るものがある(見たり、聞いたりするなど学習、訓練は必要)。

 排泄物の吸水をするものとか、体、鎧、衣服などの汚れを拭い落とすものなどだ。

 これにアビリティスキルのサバイバル[Ⅰ]がつくと更に水のろ過を行えるものとか、寝袋の代用するものとかの発動が可能となる。


 サバイバル[Ⅰ]のためにディレットとアディルトがアイテムを装備してまで補っている理由は、

 水をろ過する《フィルトレイションゲル》と

 寝袋代用の《スリーパーゲル》を発動させるためでもある。


 《フィルトレイションゲル》は、

 例えば、川の水が澄んでいても、上流でモンスターの血を洗い落としている者や傷ついたモンスターが傷を洗っている場合などが考えられる。

 下位の地帯で多くいる。ゴブリンの血を飲んだ場合、毒性が強いが人間種族には死ぬほどではない。

 だが、お腹を壊すのはほぼ確実なのでディレットは注意している。テパレス種族は、お腹の痛さを感じるのも二倍だから。

 ただ少量のゴブリンの血が入った水も煮沸すれば問題なく飲めるし、《フィルトレイションゲル》もそれほど高性能ではないのが現状である。

 条件を満たせば、さらに高性能なろ過をするものも発動できるようにもなる。


 《スリーパーゲル》は、

 寝袋を持っていない。テントを貼っていても地面が硬い、ゴツゴツしている、微妙に段差がある。

 などの時に役立つものだ。

 柔らかい透明のものが体を包んでくれて、それらの問題要素を解消するような助けになる。

 MPを消費するものにとって睡眠は大切だから。




「ああ、大髭狐はかなり安くなったが他は、まあ問題なかったな。金は後でな」

 ディレットはそういいながら、収納空間(ロッカー)から雨除けの布を取り出して独り、頭から纏う。


「ひゅー。楽しみだぜ。今夜は飲むぜー!」とビスクが言い。


「俺も今日は浴びるほど飲むぜー!」とクーアが呼応し。


「今回、俺は介抱しないからな、今日は俺も飲みたい気分なんだ」とゼフも『二日酔い同盟』に参加を表明する。

 鞭の嵐を経験した三人はなにか思うところがあって、それを酒で洗い流したいと思っているのかも知れない。

 そんな中ヨーンズは真剣な顔立ちで肴は何にしようかと考えていたが、その考えはディレットには察しられていた。

 そしてディレットの視線を読んだ(雨除けの布越しから)アディルトもディレットの考えを察して微笑む。


 その後、アマラ館に戻り金の分配をしてシャワーや着替えなど準備をして一同は飲み屋へと向かう。


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