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グランドハーベスト~傷みやすい『カ』実~  作者: 幻運律総
第三章:下位モンスターとの戦い
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第三章:第二話

 六日後、ディレット達はとりあえず五日間働いたら一日休みを入れようと話をして決めた。


 毎日、神経をすり減らして捜索するのも辛い、ブラック企業みたいだとビスクが口にしたのがきっかけだ。

 ディレットは、さっさとかたずけてから、まとまって休んだ方が効率的だと思ったが、アディルトとヨーンズも適度な休みは必要と考えているらしく休みの日を入れることにした。

 と、いっても何かするにもこの村では物価が高く、することも特にないので中央にある商店街に皆と向かいどんな店があるのか見て散歩をしていた。




「クッソたけー飲食店ばっかりだな。飲んでるヤツらは何者なんだ?

 そんなに稼いでるのか? 俺らが一日捜索しても二組が限度なのに……」


 ディレットは、高い店に客がたむろしているのを信じられないという思いで見る。


「まあまあ、中には深い深部で狩って戻ってきた団体もいると思いますし、

 大方は稼いでいるというわけではないと思いますよ。

 私達と同じく休息かなにかで、それを有意義にしようとしてるのでしょう」


「俺も借金がなければ店に入って軽く食事したりしたと思う」


「俺もだな。軽く酒でも飲みたい」


「……ヨーンズは、少し酒との付き合いを考えた方がいいと思うんだが、将来手が震えて刀を振るうことになるぞ。

 酒属性の宿命なのか……」


「ぐうっ――、そんなことは無いと思うが……

 話でしているだけで実際はほとんど飲んでないからな」


「でも、夜番では軽く飲んでますよね?」


「ああ、俺も交代の時、軽く匂ったぞ」


「えっ! そうなの? 俺にも少しくれよー」


「ばれていたのか……

 本当に少しだぞ、酔うまでじゃない」


「まあ、少しでも何でも酒を手放せないっていうのがヤバイと思う。

 俺は酒を飲んだのは数回位なんだが、そんなに毎日飲みたいと思ったことないんだが……」


「――本当にそんなに飲んでないんだ。

 ただ、酒が俺を呼んでる気がするから手元に置いてるだけで……

 それで暇があるとちょっと口にするだけで……」


「うーん、酒属性を持っていなかったら、

 ただの依存者の言い訳にしか聞こえないが……

 まあ、あんまり飲んでないならいいんじゃないか。酒は百薬の長ともいうし」


 などと話をしながら散歩をしていると、どこかから喧騒の声が聞こえてきた。

 ただの喧嘩だろうとディレットは思って放っておこうとしたが、

 「見に行こうぜ」と、ビスクが声と共に小走りで喧騒の方へ向かっていった。


 仕方がないのでビスクを追う様に喧騒の方へと向かった。

 喧騒の中心を覗くと四人組の若い女と、こちらも若い四人組の男が対峙して言い争っている。


「そのブサイクな面でよく話しかけてきたなって言ってんだよ!

 おまえらにお似合いなのは、ゴブリンぐらいだろ!」

 女の四人組の一人が男達に罵詈雑言を浴びせていた。


「ぐぬぬぬぬぅぅぅーーー。

 ちょっと食事にさそっただけじゃねーか! 

 おまえらこそその口汚い喋りに付き合えるのはオークぐらいだろうよ! 

 まあ、どっちも話が通じないと思うがな!」


 男の言葉を皮切りに「上等だ―っ!」と、女の一人が言い放ち、女側から男達に殴り掛かり喧嘩が始まった。

 互いに一応分別があるのか武器での戦闘はせずに素手で殴り合っている。

 が、男達の拳は彼女達には当たらず空を切り、女達の攻撃は容赦なく男達をサウンドバックと化し、決着の行方が知れた。



 数分後、ボコボコにされた男達は「覚えてろよー!」と、お決まりのセリフを吐きながら去っていき。

 女達は「次は、そぎ落とすぞ!」などと言った怒声で返した。


 女達は、軽く衣服を整えると野次馬で集まった集団をひと睨みして移動を始めた。

 野次馬達は、彼女達が移動すると大きく分かれ道が出来る。

 その道の途中、ディレット達がいて彼女達の道を塞ぐ形になってしまった。


 野次馬達は、誰もが第二ラウンドが始まると思いワクワクと期待したが、

 数秒間、彼女達に一方的に睨まれだけで、何事もなくディレット達の間を過ぎていった。

 がっかり、して解散しだす野次馬達。


 そして、一人離れて見ていたビスクがディレット達に寄ってきて話し掛ける。


「いやー、顔は可愛かったのにおっかない、女の子達だったな。

 それにしてもディレット達はなんで睨み合ってたの?」


「いや、俺達は睨まれていただけで睨んでない。

 たまたま、道を塞ぐ形になったからなんだがな……」


「不運でしたね……

 お二人には申し訳ないと思いますが、あのまま争いになったら私は逃げていましたよ」


「いや、俺も女を殴る趣味は、ないから逃げてたな。

 ディレットは、どうした?」


「俺は、どうしてたかな……

 殴り合いの喧嘩なんてしたくもないからな、逃げてたかな……

 しかし、毎日のように戦ってるのになんであんなに元気なんだ」


「……もう、おっかない女の子の話はいいよ。

 俺、暴力的な女は趣味じゃないし、それより腹が減ったから高いけどどっか店に入って飯食べようぜ。

 あそこにいる人が良さそうな人達に安いとこあるか聞いてくるから、ちょっとまってて」

 そういってビスクは、小走りでディレット達から離れていった。


「……ビスクが勝手に食事することに決めたが、みんなはいいのか?」


「久しぶりだからいいのではないですか?」


「酒もいいよな?」


「……一杯だけにしとけよ。まあ、反対じゃなければ俺もいいか」


「おーい、あっちに割と良心的な店があるって、行ってみよーぜ!」


 そうして、割と良心的な店で食事をしてからは、各々の休日を過ごしていった。


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