第二話 命を刈り取りにくる世界:その二
四柱の女神から知識を授かり幾年の月日が流れた。
人類は、『魔法の力』をもともと持っていた。
だが、それは微弱な力を行使するだけのものであった。
文明が発達してくると戦力強化を図るため、魔法研究にも力が注ぎ込もれる。
『魔法の時代』の始まりであった。
魔法は、描く魔法陣を変化させることによって魔法を強化や変化、操作するといったことを可能にする『陣魔法』という分野ができた。
また、それを派生させた『修羅式』という能力上昇や戦場で扱うようなスキルが幾つも開発された。
そして、人類はさらなる領地拡大を目指した『百王の時代』。
人類が、開拓する領地へとするには、ただ兵を置きモンスターの監視、駆逐をしていれば、よいというわけではない。
モンスターは、この大陸で生まれるもの以外にも、他世界から転送されてくるためである。
日々、モンスターが転送されてくるような場所で開拓など、力が低い者はいくつ命があってもたらない。
人類が、このパルトア大陸で安心して生活する地を得るには結界を張る必要があった。
それは、『キーテム』の知識から作られた『キーテムピラー』と呼ばれる柱の設置を意味する。
だが、パルトア大陸は、とても広大なことや建造するために必要な素材の問題などで支配下に治めている領地の大半でさえ『キーテムピラー』を設置するには難しい状況でいた。
新たな『キーテムピラー』の建造ができる段階で、という段取りで、国は安心して生活できる領地を徐々に増やしていった。
――そして、幾つもの『時代』が流れた。
現在のパルトア大陸の状態は、
高位のモンスターなどが西部から東北部にかけて側端を占有していて、
人類などは、中央、南部、東部を占有する形で領土の争いは一先ず落ち着きを見せている。
だが、人類は『キーテムピラー』の結界がない領地内が多いので支配地だとしても、モンスターとの戦いは避けることが出来ず戦い続けていた。
幾年の月日が流れながらも未だモンスターからの脅威は消えず人類滅亡の危機が常にある現在。
シューレムア界は、命を糧に脈動を続けている――――――