第19話<突き刺すもの>
俺の体が少しばかり悲鳴を上げているが。
「この、くっそー!」
俺は、気合いでなんとか立ち上がる。が、フェザーが目の前に立っており、上段にめがけて蹴りを放ってくる。
俺は、かわすこともガードすることも出来ずに、頭に蹴りを喰らい、飛ばされて倒れ込む。
体が、ガクガクと震えながら意識がもうろうとしてくる。
やばいぞ。本格的にやばいやつだ。
フェザーが歩きながら俺との距離を詰めてくる。
「『インパクトショット』」
気付けば、イノリが俺の前に立っていた。
フェザーは、インパクトショットを喰らい飛ばされる。これによってフェザーとの距離が遠ざかった。
流石にフェザーも衝撃波をかわすことが出来ないようだ。
ハルが倒れている俺の横に駆け寄り。
「『パーフェクトキュアー』」
俺は緑色の光に包まれて、体力が完全に回復した。
俺は立ち上がり。
「このままじゃあお前らの魔力が空っぽになるのは、時間の問題ってとこか?」
イノリは、こちらを振り向き。
「そうですね〜。そのうちそうなると思います」
「そうか」
フェザーは立ち上がる。
イノリはいつでもサンダーショットを放てる大勢をとり、人差し指を立てながら。
「こんな時ですが、シンジが喜ぶことを一つ教えてあげましょう。魔王軍の幹部のアビリティはその所持者を倒すことで、自分のものにすることが出来るんですよ〜。つまり、シンジがフェザーを倒せば<心眼>をシンジは手に入れることが出来るわけです」
フェザーが再び俺達に向かって突っ込んで来る。
ほんと懲りないな。
「来ましたね〜。『サンダーショット』」
サンダーショットが放たれたとき、俺はフェザーに向かって突っ込んで行く。
フェザーはサンダーショットを全てかわすが、かわし切った先に俺がいる。
俺は、尚もフェザーに突っ込んで行き、もう直ぐゼロ距離というところで、鞘に収めていた刀を抜き、そのままフェザーに襲いかかる。
「これだったら、心眼もくそもねーよな‼︎」
「こいつ!『シールド』」
フェザーが作り出したシールドが俺の刀の進路を塞ごうとするが、遅い。
俺は刀を振り抜き、フェザーの顔を斬りつける。
フェザーは、痛み耐えることが出来ずに叫び声を漏らす。顔から血を流し、右手で顔押さえながら指の間から、俺を、睨みつける。
俺は、叫けぶ。
「たたみかけろ!」
「『インパクトショット』」
イノリは、今日一番のインパクトショットをフェザーにぶつける。
フェザーは、血を流しながら吹き飛ばされ思いっきり、頭を建物にぶつける。
いける‼︎
俺はその場に落ちたと見られるフェザーに刀を向けながら、走り出す。
「「「「「いけーー‼︎」」」」」
周りの冒険者やハルとイノリが力強く叫ぶ。
これで、終わらせてやる!決める‼︎
俺はフェザーの胸を刀で斬り裂き、突き刺した。
フェザーは、絶句した様に見えたが、最後の力を振り絞って。俺に手の平を見せ。
「お前だけは!・・・タダじゃおかねぇ‼︎『デスソード』」
フェザーの手の平から、漆黒の剣が現れ、俺の腹部を突き抜いた。
「んがはっ‼︎」
俺の腹部から血が吹き出す。
フェザーは息が絶え、俺は腹部に剣が刺さったまま倒れる。
「くっそ。・・・まだ・・だ」
俺の意識がなくなった。




