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俺は異世界に召喚された  作者: 達海らおと
第1章〜出来過ぎた一週間〜
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第18話<死角からの奇襲>

今まで生きてきた中でこんな経験は、あったであろうか。

俺は、恐怖で震え上がる体を自由に操ることが出来ない。

それはなぜか。理由は、シンプルだ。目の前の奴に俺は今殺されようとしている。


「フハハハハハハ。どうだ、今の気分は⁉︎魂が震え上がってるだろう⁉︎」


フェザーという男のキャラが一瞬にして、豹変した。


逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい。


俺の頭の中が、恐怖で埋め尽くされていく。逃げたいと俺は訴えているが、本能が闘えと訴えてくる。もうわけが分からない。


「くっそ」


俺は、鞘から刀を抜き、構える。が、腕の震えによって、刀が安定しない。


俺一人でこんな奴を倒せるわけがないじゃないか。なんでだよ。なんでなんなんだよ!


すると、両方がポンと軽く叩かれる。

肩を叩いた二人は、俺の左右の斜め前に立ち。


「一人じゃないですよ〜」


「仲間がいるでしょ」


恐怖という重りが、軽くなった。


そうだ、俺にはこいつらがいる。仲間がいる!


ようやく刀が安定し、体の自由が利くようになった。



フェザーは、ゆっくりと俺達に向かって歩き始め。


「そうか、人間には仲間というシステムがあったんだ。ハッ、そんなものも含めて、全てを俺がブッ殺してやるよー‼︎」


フェザーが剣を片手に俺達に突っ込んで来る。


「『サンダーショット』」


イノリから雷の弾が四つ、フェザーめがけて発射した。


フェザーは、四つの弾を全て華麗にかわし、イノリに斬りかかる。


「『シールド』」


イノリの前に薄い虹色の結晶が盾となって、攻撃を防ぐ。

フェザーは無理矢理シールドを破壊しよとし、イノリのシールドが割れかけていく。


俺はフェザーの後ろに回り込み、刀で斬りかかる。


いける。


そんな淡い期待を簡単に撃ち砕かれる。

フェザーは、瞬時に俺に回し蹴りを脇腹に放ち、まともに喰らってしまう。


「ぐはっ!」


俺は飛ばされ、立ち上がろうとしたときにはもう既に、フェザーが俺を斬りかかってきている。

俺は倒れながら刀で攻撃をなんとか防ぐが、体重を乗っけられて、フェザーの刃がすぐそこまで近づいていた。


だめだ。体勢があまりにも不利過ぎて、力負けしている。それならば。


俺は、フェザーの腹に前蹴りを放ち、フェザーを遠ざけた。フェザーは、腹を押さえながら少しむせている。

その間に立ち上がり、体勢を整える。


「あっぶなかったー」


こめかみには脂汗が滲む。


どうする、このままじゃこっちが負けちまう。考えるんだ。考えろ。答えを出せ。今の俺達で実現可能な方法を。


「シンジ危ない‼︎」


イノリの叫び声が急に聞こえ、顔を上げるとフェザーがいた。そしてそのままフェザーはスピードに乗って俺の横を通り過ぎたと思えば、俺は気付けば倒れていた。


「ぎゃああーー‼︎」


俺が悲鳴を上げている。が、あまりに急な出来事過ぎて処理が出来ていない。

力強く脇腹を両手で押さえ込んでいる。生暖かい物が手に触れている感覚がある。


俺は、両手を顔の前に近づけて見ると、全てが分かった。

手が真っ赤に染まっている。俺は脇腹を斬られたのだ。

全てが分かったことで、感じていた痛みが何十倍にも膨れ上がって感じ始める。

叫びたくても、叫べない程に。


「『オペ』」


すると、俺の傷口が閉じていく。


「『キュアー』」


すると、俺の失われた体力が回復していく。


俺が顔上げると、ハルが立っており。


「私がいる限り、シンジとイノリを絶対に死なせない」


そう、フェザーに力強く宣言していた。


俺が立ち上がると。


「はい、シンジ」


ハルの手には俺の刀が握られていて。


「ありがと、ハル」


俺はそれを受け取り、刀を鞘に収める。


「あーあ、せっかく斬ったっつーのに。ハハ、良いねぇ〜。血祭りにしたいね〜。ブッ殺す‼︎」


フェザーが俺に再び突っ込んで来るが、俺はフェザーの剣をかわして、フェザーの顎に、右アッパーを突き上げた。


フェザーはその場に倒れこみ、剣を手から放す。口から血を流してる。が、すぐに立ち上がろうとしている。


俺は、フェザーの剣を拾い上げ、ハルに渡す。


「え、どうしたの?」


ハルは剣を受け取り、戸惑っている。


「護身用に持っとけ」


するとハルは、小さく頷いた。


よし、これでかなりフェザーの攻撃力は減るはずだ。


フェザーは立ち上がり、俺を睨んでいるが今はそんなの関係ない。俺達の形成逆転に変わりはないのだから。


俺はフェザーの後ろにいるイノリとアイコンタクトを取る。


ここで、決めてやる。


俺はフェザーに向かって突っ込んで行き、右ストレートを打つと見せかけて、後ろ回し蹴りを放つ。

フェザーの意識が完全に俺に集中した。

今なら。


イノリはフェザーの後ろから。


「『レインボーショット』」


俺の後ろ回し蹴りが当たるより先に、レインボーショットがフェザーに襲いかかる。が、フェザーは瞬間にその場にしゃがみ込む。

あたかも、後ろに目が付いているような反応で。


レインボーショットは、フェザーにかわされ、俺に襲いかかった。


「ぐあああーーー‼︎」


俺はレインボーショットをまともに喰らい、吹き飛ばされる。


「「シンジ」」


ハルとイノリの声が聞こえるが、力が入らず起き上がることも、返事をすることも出来ない。


やばい。身体中がボロボロなのは分かるが、このままじゃやられちまう。


すると、フェザーが立ち上がり。


「ギャッハハハハハ!剣を奪ったところまでは、褒めてやろう。だが残念だったな。俺には、〈心眼〉と言うアビリティがあるのさ‼︎いくらテメーらが俺の死角から攻撃したって、俺には見えるんだよ!」


フェザーは俺の方を見て、笑みを浮かべて。




「俺のターンだよなぁ⁉︎シンジ、テメーを痛めつけて殺してやるよ‼︎」








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