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俺は異世界に召喚された  作者: 達海らおと
第1章〜出来過ぎた一週間〜
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第12話<初クエストに終止符を>

俺は今、草原の中で刀を使いながら華麗に、舞っている。そして、プニリン達が次々に綺麗に切れていく。


「フハハハハハハ。プニリン共め。てめーらを一体も残らず駆逐してやるよ!!」


俺から不適な笑い声が止まらない。


「あのー、倒してくれるのはいいんですけど。その不適な笑みと、訳分からないことを叫ぶのをやめてもらえませんか〜」


イノリがこっちに手を振りながら、叫んでいた。


全く、俺の気持ちも知らないで。あの二人は何をしているんだ。


ハルとイノリは、二人で楽しくお喋りをしながら、こっちに歩いてきている。


「なんでそんなにのんびりしてんだよ」


俺は体当たりをして来るプニリンに、前蹴りを放ちながら言った。


流石は、プニリン。打撃ではダメージを喰らわないようだ。


「なんでって、そんなに急ぐ必要がなさそうじゃん。あ、シンジー。ちゃんと一体は残しといてよねー。イノリの魔法弾見たいし」


「分かってますよ。俺も見たいよ」


俺は、再びプニリンが体当たりをしてきたので、サイドステップでかわしながら、刀を振り抜く。

振り抜かれた刀は、プニリンの中心を捉えて、真っ二つに切り落とす。


「ふぅー、俺はこいつでラストか」


プニリン五体を討伐した俺は、刀を鞘に収める。そして、暑かったのでネクタイを緩めながら、二人の元へと歩いて行く。


「おっつかれー!シンジ。回復魔法いりますかー?」


ハルは、杖を持ちながら元気よく俺に聞いてくる。


「いや、いらねーよ。ダメージ喰らってないし」


「むぅ、そうなんだ」


ハルが残念そうに俺を見てくる。


なんでそんな目で見てくるんだよ。なんか俺が悪いみたいじゃないですか。ダメージ喰らって欲しかったのかな?


「お疲れ様です、シンジ。約束通り、一体残してありがとうございます♪」


イノリは、気持ちがルンルンなんだろうな。なんで、そんなにルンルンしてるの?


「んじゃ、イノリの魔法弾とやらを見せ下さいな」


イノリは、笑顔で敬礼ポーズをしながら。


「了解です♪」


「キャピキャピしてるなー。あざといよ」


「あれ、落ちませんでしたか」


え、君は俺を落としにきてたの?ざーんねん。俺はそんなことでは、落とされませんよー。


「それじゃあ、イノリ。頑張ってー」


なんで、ハルはそんなにハイテンションなんだ。あれか、誰かに応援でも沢山してもらったのか。


「オッケーでーす。それでは、見ていて下さい。私のとっておきの魔法弾を!」


イノリは、両手をプニリンに向けて伸ばす。


多少距離があるが、射程範囲内ということなのだろう。


すると急に、イノリの背後から赤、青、緑、黄、紫、白、金の七色の弾が姿を現した。そして、イノリは。


「『レインボーショット』」


そう唱えた瞬間、七色の弾が一体のプニリンに対して、勢いよく発射された。


名前かわいい!流石、あざといイノリだ。


プニリンが気付いた時にはもう遅く、全ての弾がプニリンに直撃した。

そして、プニリンの姿が跡形も無くなっていた。


俺とハルは、只々呆然としていた。


やばい、えげつない。めちゃくちゃかっこいいじゃないか。


「ふぅー、どうでしたか?」


イノリは、こちらを向き笑顔を見せる。


「すげーかっこよかったぞ。七色に意味ってあるのか?」


「そうだよ。なんかプニリンが、ぐちゃばきぶにゃべりぶしゃー、みたいな感じになってたよね」


ハルさーん。何言ってるのか全く伝わらないんですけどー。


イノリが苦笑いを見せながら。


「ハルの言ってることは意味が分からなかったんですけど。えーと、シンジは七色の弾に何かあるのかみたいなことを聞いてきたんですよね?」


「おう、そうだ」


「それじゃあ説明しますね、赤の弾は炎。青の弾は水。緑の弾は風で相手を切り裂く。黄の弾は雷。紫の弾は毒。白の弾は氷。金の弾は小さな爆破ですね」


おおー、そんなのをプニリンは、受けていたのか。絶対俺は、受けたいとは思わないだろうな。うん、思わない。


「ほげー、なんかすごいね」


ハル、そろそろ俺はお前のことをただのアホだと、思いそうだから気おつけようね。


「どうもでーす。ちなみに、一種の弾を連射することも出来ますよ〜。あと、今放った以外にも弾の種類はあります!」


「連射なんて出来るのか」


はぁー、俺はこいつに驚かされてばっかりだな。



気が付けば辺りはもう夕暮れ時になろうとしている。


「そういえばさ。ハル、お前いらなくね?」


「そう言われればそうですね〜。攻撃出来ない、魔法使いなんて聞いたことありませんよ」


俺とイノリでハルを見る。


「ちょ、ちょっと本気じゃないよね。お願いだから、捨てないで。うん、仲間を見捨てるのは良くないと思うの」


ハルが涙目で俺の足にしがみついてくる。


う、動けねぇ。


「捨てねーよ。捨てたら捨てたで後が怖いし。ハルは、このパーティの最強の回復使いだろ」


俺は、ハルの頭を撫でる。


するとイノリがクスッと笑い。


「シンジって見かけによらず、女心をもて遊ぶのが上手そうですね〜」


「なんの話だ?」


イノリは夕日を背にして、上目遣いで。


「な〜んでもありませんよ♪」


なんかグッときましたよ、ええ。いい感じでしたよ、はい。


気付けば、ハルは目をキラキラさせて。


「さぁー、報酬金を貰いに行こー。そして夜ご飯の後は、宿屋探しだー」


いつもの元気なハルに戻っていた。


そして、俺達は初めてのクエストを終えて、町に帰ることにした。



賑やかで、ワイワイしながら.....



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