第九話
「何、どのくらい給金が支払われるかだと?」
「はい。将来のためにも今からお金の把握をしておいて損は無いかと」
城の周りを走り終え、休憩に入ったとき真一は聞いた。
「一応、今の段階では月に金貨3枚が支給される。これは庶民の平均年収が金貨6枚だから、かなりの高給取りだな。少なくとも俺にはお前らにそれだけの価値が有るとは思えんが。つまり、それだけ期待されてるのだから働けということだ」
そう言い放つと、更に一周追加という素晴らしいオマケをくれた。
「少なくとも今の時点で召喚できる人数は一人。となると、やはりスパイを召喚して機械国ジーマンを探らせるのが一番か」
「俺も同意見だ」
「異議なし」
「私も」
「では、誰を召喚するかだが良い意見は有るか?俺は、新庄健吉が良いと思うのだが如何かな?」
「誰だ、それ?」
真一の提案に守が聞く。
「米国の国力などを調べていた日本陸軍のスパイで情報分析能力に優れていた」
「今回は調べることも多いし、情報分析能力が高いのは良い。更に同じ日本人だから、考え方も近いから良いんじゃないか?」
「スパイに関しては、よくわからんから文句は言えん」
「同じく」
「よし、では召喚するぞ」
そう言い、召喚を始めた。
と言っても大それたことをするわけでは無く、その人物を思い浮かべながら「出でよ」というだけである。
「出でよ」
すると部屋が青く光り、煙が立ち込めた。
そして
キュン
何かを放ったような音がしてその煙の中から一人の男が現れた。
「大日本帝国陸軍主計大佐 新庄健吉 到着致した。」
それは歴史の大きな転換点になる人物が放った最初の一言であった。
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