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第六話 スキル

 真一は目を疑った。

 勇者として強いどころか平均にすら達していない。


「とりあえず、他の人の数値も測りましょう」

 

 混乱から回復したグールが呼び掛け、次の譲が前に出る。


近藤 譲

Lv1

体力 3

防御力 4

攻撃力 2

魔力 3

スキル

海上兵器を召喚する者

勇者


「ど、どういうことだ? この水晶は壊れてないはず。にもかかわらず、この数値とは」


 グールが唸るように呟く。


 次の守は



伊藤 守

Lv1

体力 4

防御力 3

攻撃力 7

魔力 1

スキル

陸上兵器を召喚する者

勇者


 続く幸一は


加藤 幸一

Lv1

体力 4

防御力 8

攻撃力 2

魔力 4

スキル

航空兵器を召喚する者

勇者


 なお、他のクラスメイトは大体は平均90の数値を出していた。

 しかし、変人四天王が軒並み異常なほど低い数値を出している。

 これは何かあるのではないかとクラス内にどよめきが起こった。

 変人四天王は当然、普段からぶっ飛んだ行動はしている。ただ、それだけでそれ以上のことは何もない。

 この不気味さから、以前よりも更にクラスメイトは変人四天王を忌避するようになった。


 その夜、一人一つずつ部屋が与えられた。

 そこで真一・譲・守・幸一の四人は真一の部屋に集まり、話し合いをすることにした。


「なぁ、何故こんなことになったんだと思う?」


 真一が頼れる三人の愉快な仲間に聞いた。


「たぶん、キチガイの行動からでないのは確かだ」

 

と譲が答える。


「となるとスキルか。」


 守はそう言って、スキルを頭の中で開いた。

 本人の持つスキルに関しては、自分の頭の中で詳しい説明を見ることができる。

 そうしてスキルの説明を見た四人はまたもや驚愕する。


スキル

軍人を召喚する者

地球上で1945年までに生まれたありとあらゆる軍人を召喚できる。なお、人数は何人でも召喚できる。しかし、召喚は一人辺り一度までで寿命はその時により変化する。


海上兵器を召喚する者

地球上で1945年まで製造されたありとあらゆる海上兵器を召喚できる。なお、何隻であろうと召喚はできる。しかし、実際に製造された数しか召喚は出来ない。


陸上兵器を召喚する者

海上兵器を召喚する者とほぼ同じスキルで対象が海上兵器から陸上兵器に変化したもの。


航空兵器を召喚する者

海上兵器を召喚する者とほぼ同じスキルで対象が海上兵器から航空兵器に変化したもの。


なお、これらの弾薬や整備に関する物資は必要であるため注意すること。

また、軍人達の食糧や生活用品なども同様である。


四人は顔を見合せ、同時に叫んだ。


「「「「チートじゃねぇか!!」」」」

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