第十四話 作戦会議
真一は半泣きになりながら、司馬懿達と合流して王の間に向かった。
王の間に着くと他のクラスメイトは既にほとんどが到着していた。
「まもなく国王陛下が到着されます」
そんな声が掛かり、皆が頭を下げた。
すると慌ただしく、コットン王が入ってきて
「堅苦しい挨拶は抜きだ。事は一刻を争う」
そう言うや否や部屋の中央に置かれていた地図を開き
「魔王軍が攻めてきた。敵は真っ直ぐこの城に向かってきておる。見張りからの報告では後4日で到達する。時間が無いため詳しい話はこのカイゼル将軍から聞いてくれ」
そう言い放ち部屋を出ていった。
「では、詳しい話をしよう。敵は騎兵6千 歩兵16000 弓兵4500 魔法兵3500の総数3万である。こちらは騎兵6千 歩兵1万 弓兵3千 魔法兵千の総数2万。こちらのほうが兵力は少ない。故に野戦は不利であるから籠城戦をやる。なお勇者様方には…」
「お待ちください!」
そんな声を挙げるものがいた。
「誰だ、貴様は?」
「私は真一様配下の司馬懿でございます。発言をお許しください」
「何だ?」
「私が愚考するに籠城戦は危険であると判断致します」
「何故だ?援軍は他の都市から4万の兵士が来るのだ。何も危険な事はあるまい」
「では、向かっている部隊に補給は有りますか?」
「しっかり有るに決まっておろう!」
「8日分ですね?」
「貴様、それをどこで…」
「ここに到達するまでに5日、決戦用に3日といった所でしょう。それくらいは予測が付きます。敵の兵力は少なすぎます。敵は間違いなく伏兵を使って補給線を攻撃してきます。4万の将兵を8日食わせる食糧ともなれば、長大な補給線になります。故に簡単に補給線を寸断できます。援軍を呼ぶのは危険です。ここは籠城をやめ、撤退すべきです」
「うるさい!作戦変更は既にできん!今の状態で作戦変更を伝えれば、全軍は大
混乱に陥る。更に言えば、今、敵を叩かねば後はない!それこそ敵が来るのが分かっているなら、お前らが補給線の防御を担当すれば良かろう!しかも、武器や将兵を召喚できるのだろう?まさか、そこまで予測していて敵の攻撃を許すことはあるまいな」
「そ、それは…」
「ならば、貴様は嘘を言ったのか?となれば、お主の主も只ではすまんぞ」
「…分かりました」
「宜しい。では、頼むぞ!」
そう言うとカイゼルは他の人に籠城のやり方を伝えた。
しかし、そんなことよりもどう補給線を守るかで司馬懿たちの頭のなかは一杯になっていた。