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もう1人という選択肢

今回で第8話ですね!

今回は、詩織と秀の帰り道です!

詩織が色々と攻めてくれます!

「うわぁ、降ってるよ、早く帰らないと。」


野球部の部室によった後、すぐに下駄箱に向かった秀だったが、もう外は大降りだった。


「これじゃあ、走れないなぁ…どうしよう。」


外を見ながら困っていたら、


「あ、あれ?青山君?何してるの?もう帰ったんだと思ってた。」


秀の後ろから声がした。詩織だった。


「あ、立川さん。今日は、朝学校に来る時風で傘飛ばされちゃってさ、帰りは走って帰ってコンビニで傘買えばいいやって思ってたんだけど、今の雨じゃ走っていけなくてね。」

「そうなんだ、じゃあさ、私の傘の中に入ってく?」

「い、いや、そんな事できないよ。立川さん濡れちゃうかもしれないし、あと、周りのみんなに勘違いされちゃうよ?」

「いいから、早く行こ、私、青山君と一緒に行きたいところがあるんだ。いいでしょ?」


詩織が強引に秀の裾を引っ張って、傘の中に入れる。


「やばいって、絶対勘違いされるって!」

「こうすれば大丈夫でしょ?」


秀を、壁側に寄せて傘で通りすがる人に見せないようにしていた。


「これなら大丈夫か、立川さん濡れてない?」

「うん、大丈夫。早く行こ。」


一体どんなところに連れていくのだろうと、詩織の言われるがままに着いて行った。

言われるがままに着いて行ったらいつの間にか、町外れの駅前まで来ていた。

駅前に着いたらもう雨は上がっていた。


(ここ昨日櫻木さんと秋川さんと行ったところだよなぁ…)


「ねぇ、立川さん、行きたい場所って?」

「青山君、今日時間遅くなっても大丈夫?」

「え?別にいいけど…」

「じゃあまず、あそこのカフェ行こ。私の行きつけなんだ。パンケーキが美味しいんだよ、一緒に食べよ!」

「そうなんだ、じゃあパンケーキ食べようかな。」


そのカフェはとてもおしゃれな、女子がよく来そうなカフェだった。

中に入ってみると、この時間帯あまり人がいなかった。


「すいません、パンケーキ2つと、私はハーブティーを一つと青山君は?」

「あ、僕はコーヒー1つお願いします。」

「少々お待ちください。」

「青山君ってコーヒー好きなの?」

「よく家で飲むんだ。だからこういう店のコーヒー好きだよ。」

「そうなんだ、来てよかったぁ。」


詩織の嬉しそうな顔を見て秀も何だか嬉しくなった。


「今週末の野球の試合頑張ってね。絶対応援行くから!また青山君が野球やってるところが見れるんだぁ…」

「自分なりには頑張るけど、あまり期待するなよ?今回はピッチャーだから上手くいくかどうか…」

「青山君なら大丈夫だよ!」

「そうかなぁ…不安でいっぱいなんだけど…」


そんな他愛もない話をしていると、先ほど注文したハーブティーとコーヒーを持ったウェイトレスの人が来る。


「お待たせしました、まずはハーブティーとコーヒーです。」


注文していたコーヒーとハーブティーがテーブルに置かれる。

次の瞬間に秀の周りを包み込むようにいいコーヒーの香りが漂う。


「このコーヒーすごくいい匂いするね。おいしそう。」

「そうでしょ!飲んでみて!」


秀が頼んだコーヒーを一口飲んでみると、なんとも言えないコーヒーの旨さが口の中いっぱいに広がる。


「なんだこれ!?すごいおいしい!こんなコーヒー飲んだの初めてかもしれない。」

「よかったぁ…このお店選んでおいて。」


続いてパンケーキがやってくる。


「お待たせしました、パンケーキ2つになります。ご注文のお品は以上でよろしかったですか?」

「はい、ありがとうございます。」


こちらも、いい匂いが広がっている。


「こっちも美味しそうだね。じゃあさっそくいただきます。」


パンケーキを口に入れた瞬間口の中に旨さがにじみ出てくる。


「すごい、こんなパンケーキも初めてだ。なんでこんな店見つけなかったんだろう。」

「でしょ!美味しいでしょ!ここのお店は本当にオススメなんだ。」

「今日こんなにいい店来れてよかったよ。また時間あったら行こうか。」

「え?いいの?じゃあまた是非!」


詩織は、顔を赤らめて言った。

パンケーキは、あっという間に食べきってしまった。


「おいしかった。ごちそうさま。」

「ごちそうさまでした。じゃあお勘定と…」

「あ、貸して立川さん、俺がおごるよ。」

「いいよ、私払うよ。」

「この店教えてくれたお礼させてくれないか?」

「……じゃあお言葉に甘えて」


勘定し終えた2人は、外に出た。


「もう少しいいかな、まだ行きたいところがあるんだ。」

「いいよ、最後まで付き合うよ。」

「ありがとう。」


その後、近くのデパートの服屋さんを見たり、雑貨屋見たりなど、店を廻っていたら、日が暮れてきて、辺りが真っ暗になっていた。


「うわーもうすっかり真っ暗だね。もうやりたいこと済んだ?」

「まだ、あと一つ残ってるんだ。こっち来て。」


と、また無理やり強引に連れて来られたのは、駅の近くにある噴水広場だった。


「ここで何かあるの?」

「うん、ここ夜7時過ぎると、季節外れのイルミネーションやるの。これを青山君と一緒に見たくて。今日が最後なんだ。」

「へぇ〜、そうなんだ。」


と話してるうちにイルミネーションが始まった。

そのイルミネーションは、本当に季節外れで、冬にやったほうがいいだろうと思う、作品ばっかだった。


「これ、冬にやった方が綺麗なんだろうけど、それでも、今も綺麗だね。」

「うん、そうだね。ねぇ青山君、また冬にこのイルミネーションを見にこない?」

「うん、いいね!冬だといっそう綺麗に見えると思うよ。」

「そうだね。あと青山君、1つお願いがあるんだけど…」

「ん?何?」

「私これから、青山君のこと秀君って呼ぶから、青山君は私のことを詩織って呼んでくれないかな?」

「え?いきなりどうしたの?別にいいんだけど、そういうのって恋人同士の方がいいんじゃないかな?」

「うん、そうだね。恋人同士の方がいいね。」

「じゃあどうして?」

「それはね…私、ずっと前から秀君のこと好きだったんだ。放課後に勉強教えてもらってたのは、秀君に近づくためだったんだよ。いつか、伝えようと思ってたけど、伝えられなくて…そして今年になったら、櫻木さんと秋川さんと一緒にいるところばっか見ちゃって、もしかしてって思ったんだ。でも朝聞いて、安心したんだ。だから言うなら今日しかないって思って、勇気出して言ってみたんだ。」


秀のは、頭の中が混乱状態になっていた。


「なんで、俺なの?」


変な質問をしてしまったと思ったが、


「それは、もっと恋人ぽくなったらね。」


あっさり返されてしまった。


「今、俺は誰とも付き合ってないけど今はまだ、早いと思ってて…」


と言いかけた時、


「秀君、大好きだよ!」


詩織が噴水のイルミネーションにハートが浮かび上がった瞬間に言われたので、何も言えなかった。


「秀君、今日はありがとう!また明日ね!」


と言って詩織は、走って帰ってしまった。


「え?どうしよう…」


秀は心に謎を抱えたままその場に立ち尽くしていた。


なんと、また告白されてしまいました。

秀の選択肢が1つ増えてしまいました。

次は3人の修羅場にしていきたいと思います。

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