熱戦!接戦!
どうも!24話ですね。
私事ですが、先日小倉唯さんのLIVEに行ってきました。とても楽しかったです…(どうでもいいか…www)
今回はとても長いので最後まで読んで頂けるとうれしいです!
「両チームホームベース前に集合!」
アンパイアがホームベース後に立ち声を張り上げる。
そろそろ青柳高校VS西城高校の試合が始まる。
両チーム一斉にホームベースまで走って集合した。秀と鈴也は1番前に並んでいた。
「先攻西城高校、後攻青柳高校。今から試合を始めます!」
「「お願いします!!」」
両チームとも挨拶すると西城高校の選手はベンチへ青柳高校の選手は各守備位置へついた。
「おい、秀。」
秀がマウンドへ向かおうとすると鈴也に肩を叩かれた。
「どうした?」
「秀の前でニヤついてたやつが濱田だ。」
「分かってる。」
「あと、秀いつも通り投げれば何も問題ないからな」
ポンと肩に手を当てて鈴也は守備位置へ戻っていった。
「分かってる、絶対に勝とうな鈴也」
秀は鈴也に聞こえないように小声で言った。
「プレイボール!」
アンパイアの掛け声で試合がはじまった。
「よろしくお願いします」
相手高校の一番バッターが、打席へ入った。
(よし、秀いい球ど真ん中に来い!)
鈴也はど真ん中にキャッチャーミットを構えた。
(分かった)
秀は鈴也が構えた場所を確認して小さく頷いた。
(どんなピッチングをしてくるんだろう?)
打席に入ってるバッターは見極めるつもりで打席に入っていた。
そして、秀の第1球…
スパーン!
キャッチャーミットがものすごい音をたてて秀のボールが吸い込まれていった。
「ストライークッ!」
正真正銘のど真ん中だった。
「ナイスボール…!!」
鈴也は声にならない声でそう言った。
そして周りの選手からも
「ナイスボールです!」
「ナイスボールっ!」
賞賛の声が上がっていた。
「今のすごいわね。」
「うん、やっぱり青山はすごいよ」
観戦している歌音達もルールは分かってはいないが、すごいということは伝わったようだ。
その後相手の一番バッターは三振に終わりその後続も三振で相手の攻撃は終わった。
「やばいです。あの球打つには時間かかるかもしれないです。」
相手ベンチでは秀のことで驚きを隠せないようだった。
「ふーん、そうか…」
ある1人を除いては…
次は青柳高校の攻撃だった。
やはり相手ピッチャーは鈴也と問題を起こした濱田巧だった。
「よろしくお願いします!」
青柳高校の一番バッターが打席へ入った。
濱田巧の第1球…
ズドンッ!
「ストライークッ!!」
こちらもものすごいピッチングを見せた。
「どれだけあの球は重いんだよ…!」
「こっちも打つのは苦労しそうだな」
ベンチで秀と鈴也がそう話していた。
こちらの青柳高校の攻撃は一番、二番と濱田巧に完璧に抑えられていた。
そして三番の秀に回ってきた。
「お願いします!」
秀は静かに打席へ入った。
「あ、あれ青山じゃない?」
「ホントだ!先輩〜がんばって!」
女子達は秀を見つけた途端金網に食い入るように秀を見ていた。
「秀!打てよ。絶対帰してやるから。」
「任せろ」
鈴也は秀に打ってくれると信用していた。
そして濱田巧の第1球
ズドンッ!
「ストライークッ!!」
秀に真っ向勝負だった。
そして2球目はボール、3球目はストライクと1ボール2ストライクと秀は追い込まれていた。
しかし4球目
カキーンッ!
秀の打球はセンターのフェンス直撃のツーベースヒットになった。
「「うぉぉぉー!」」
「「ナイスバッティング!!」」
ベンチから歓声があがっている。
「よしっ!」
鈴也は小さくガッツポーズをした。
秀は鈴也に向けて拳を突き出した。
「分かってるって」
鈴也も拳を突き返した。
「すいません、タイムください。」
相手キャッチャーがアンパイアへそう言った。
このキャッチャーは西口と言って西城高校の4番バッターだ。
濱田巧のとこへ行くと
「気にすんなよ、次で抑えればいいから。」
「俺はこれを望んでいたんだよ」
濱田巧は静かに答えた。
「そうか、ならいいんだが」
西口は戻っていく。
「すいません、ありがとうございました。」
西口は守備位置へ戻った。
そして鈴也の打順となった。
「お願いします!」
鈴也は打席に入るとピッチャーの濱田巧を睨んだ。
濱田巧は鼻で笑って返す。
鈴也と濱田巧の勝負はこれが最初らしい。
第1球
「ストライーク!」
第2球
「ストライーク!」
鈴也は2球で追い込まれてしまった。
「ふん、終わりだな。」
濱田巧は勝利を確信した。
しかし鈴也の目は濱田巧をずっと睨んでいた。
「これで終わりだ!」
濱田巧は渾身のストレートじゃなく、変化球を使ってきた。
鈴也はバットを振り出していた。
(打てねぇよ)
濱田巧はそう思った。
しかし、
カキーン!
鈴也はその変化球をすくうように振り抜いた。
その打球の行方は、レフトスタンドへ吸い込まれていった。
「「よっしゃー!!」」
「「ナイスバッティング!!!!」」
もうベンチはどんちゃん騒ぎだった。
観戦していた女子達は何が起こったか分からない様子だったが、
「青山くんがあそこに戻ったってことは今のってホームランなのかしら?」
「赤羽ってすごいやつだったんだ。」
女子達もこの盛り上がりに共感しているようだった。
「やったな!鈴也!」
「いやー、まぐれまぐれ」
鈴也は照れくさそうにそう言った。
この回は鈴也のツーランホームランで2-0で1回裏は終わった。
そして、2回表
4番の西口からだった。
事前に鈴也と打ち合わせており
「次の回は変化球を混ぜていくぞ。」
「分かった。」
変化球を使う予定だった。
そして秀の2回表第1球
1球目はストレートでいったが…
カキーン
4番の西口に完全に捉えられていた。
打球はセンターのバックスクリーンに消えていった。
「「西口先輩!ナイスバッティング!」」
相手ベンチから歓声がどっとあがる。
「ナイス、西口」
「あぁ」
西口と濱田巧は小さく手と手を合わせたをした。
「秀!!気にすんなよ!!」
「おう!」
次の5番バッターは濱田巧だった。
「しゃす」
濱田巧は小さくそう言って左打席に入った。
「おい、濱田。俺達が絶対に勝つからな」
「いつまでその口が聞けるかな?」
「なんだと?」
濱田巧と鈴也のあいだに火花が散っていった。
そして第1球
鈴也はいい球が来たとキャッチャーミットを構えたが、
カキーン
なんと濱田巧も秀のストレートを完全に狙っていた。
その打球もスタンドへ消えていった。
「「よっしゃー!!」」
「「追いついたー!!」」
また相手ベンチは盛り上がりを見せる。
これで2-2同点になってしまった。
「これでも同じ口をたたけるかな?」
「……」
濱田巧は鼻で笑ってベンチに戻っていった。
「タイムください。」
鈴也は秀の元へ行った。
「すまん、秀。俺のリードミスだ。」
「いや、俺も打たれるような球を投げてたかもしれない。まだまだこれからだ!勝つぞ!」
「そうだな!任せたぞ!秀!」
そう言って鈴也は戻っていった。
心機一転したか、そこから3人ピシャリと打ち取った。
その後両者ともスコアボードに0を刻み続けていた。
西口や濱田巧にヒットなどを許すも秀は力投0に抑えている。
こちらも鈴也、秀が中心となって猛攻をするが、なかなか点数に結びつかない。
そして9回表になった。
「秀、これを抑えればこっちが点を入れるだけだ。引き締めていこうぜ!」
「おう!」
相手チームは3番からはじまる強バッターからだった。
秀はまず1人を抑えた。
「あと2人!」
「「先輩!ナイスピッチ!」」
グラウンドはものすごく盛り上がっている。
次は西口だった。
秀の第1球
「ストライーク!」
渾身のストレートが決まった。
第2球
「ストライーク!」
2球目もストライクを取ることが出来た。
(よし、こいつを抑えれば…!)
鈴也は最後は変化球で決めようとキャッチャーミットを構えた。
秀の第3球
カキーン!
レフトの前にボールは落ちた。
西口はヒットで出塁した。
「ドンマイドンマイ!秀次だ!」
次は濱田巧だ。
「しゃす。」
濱田巧は打席に入る。
鈴也はキャッチャーミットを構えた。
秀の第1球
カキーン!!
濱田巧の打球は高く舞い上がった。
そのままライトスタンドへ吸い込まれていった。
「やったー!!!」
「ナイスバッティング!!」
この濱田巧のホームランで4-2になってしまった。
「ふん」
濱田巧はどうだと言わんばかりに鈴也に鼻で笑って見せた。
鈴也は完全に下を向いてしまった。
すると秀が、
「鈴也!まだだ!この裏で逆転すればいいだろ!」
確かに次は2番からの打順だった。
「……」
しかし、鈴也は下を向いたままだった。
「鈴也!勝つんだろ!絶対に!なら諦めるな!」
秀は鈴也にそう言い聞かせた。
「分かったよ!最後までやってやるか!」
鈴也はキャッチャーの本来の位置へ戻った。
その後はちゃんと抑えた。
「お前ら、絶対に勝つんだろ?今までやってきたことは絶対に無駄じゃない!最後まで諦めるな!」
青柳高校のベンチは小林先生の一喝でチームの雰囲気を回復させた。
「「しゃぁっっ!!」」
最初の2番のバッターが打席へ入った。
濱田巧の1球目
ゴスッ!
なんとデッドボールになった。
しかし、打席に入ってたバッターはその場でうずくまっていた。
「大丈夫か?」
小林先生が駆け寄ると状況を把握した様子で、
「代走出します。」
バッターを下げて代走を送った。
そして次は秀だ。
「絶対に勝つぞ。」
「分かってる。」
秀は打席に入る前に鈴也にそう言われた。
「お願いします!」
秀は打席に入った。
そして第1球
「ボール」
第2球
カキーン!!
秀は打ってみせた。
その打球はまたセンターのフェンス直撃のツーベースヒットになった。
これでノーアウト二塁三塁1打逆転の展開になった。
「鈴也!お前にかかってる!」
秀は鈴也にそう言った。
「絶対に打たせねぇ」
濱田巧は秀を睨みながら小声でで言った。
「絶対に打ってやる!」
鈴也は打席に入り、予告ホームランをした。
「なめるよ?」
濱田巧は半ギレ状態だった。
1球目
「ストライーク!」
2球目
「ボール」
3球目
「ボール」
4球目
「ストライーク!」
5球目
カキーン
「ファール!」
鈴也はその後4球続けてファールにした。
そして勝負の10球目。
「「先輩!打ってください!!」」
「「赤羽!打てー!!」」
ベンチでは部員、小林先生が声を出している。
(鈴也、お前なら打てる!)
秀は心の中でそうつぶやいた。
「これで終わりだぁ!!」
10球目が投げられる。
鈴也は、
カキーン!!!
打球はバックスクリーン直撃の逆転スリーランホームランになった!
「「よっしゃー!!!!」」
「「うぉぉぉー!!!」」
周りはものすごいどよめきだった。
「よっしゃぁー!!!」
鈴也はその場で膝をついてガッツポーズをした。
そしてゆっくり鈴也は走り出した。
鈴也がホームを1周し終わるとホームで待っていた部員達が鈴也をもみくしゃにした。
「これってうちの高校勝ったの?」
「そうみたいね。なかなか面白かったわ。」
「野球ってこんな感じなんですね。」
「勝てて良かったぁ。」
女子達は最後まで見入っていたようだ。
青柳高校VS西城高校の試合は5-4で青柳高校の逆転勝ちで試合は終了した。
「両チーム礼!」
「「ありがとうございました!!!」」
鈴也は濱田巧に握手を求めた。
「今日はありがとう。」
鈴也はそう言った。すると濱田巧は
「俺はもう1回でいいからお前と野球がしたかった。ありがとう。中学の時はすまなかった。」
鈴也はその言葉を聞いて目を丸くした。
まさかそんな言葉が出てくるとは思わなかったのだろう。
「おう!こちらこそありがとうな!またやろうな!」
鈴也は濱田巧にそう返した。
お互いまた固い握手をした。
青柳高校VS西城高校の試合は青柳高校の勝利で幕を閉じた。
ありがとうございました!
今回は熱を入れて書いてしまいました。こんな長いのに付き合っていただきありがとうございます!また日常に戻っていくのでこれからもよろしくお願いします!