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異時界ゲート 〜俺と後輩と天使たち〜  作者: 水ノ日輪
蓬莱の神々 〜俺と仲間と八百万〜
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陽ノ神の勅令・壱


バキとケルベロスを連れて、俺はわざと捕まって、内部偵察をしているリリヤ達の元へ、行くことになった 。


「 私、まず、食料を集める 。 おまえは、犬とここに隠れてろ 。 おまえ、奴らに狙われてる 。 」


相変わらず、バキは必要最低限の言葉だ 。 いや、もしかしたら、うまく喋れないのかもしれない 。


俺とケルベロスをのこして、バキはさっさと行ってしまった 。


「 ...っ ! あの小娘はなんなのだっ ! 我を殺す気か ? 直也っ ! おまえも見てないでなぜ助けなんだ !! 」


俺は完全に立ち直りつつあるケルベロスに、がぶりと噛みつかれている 。


「 痛いからやめろって 。 それよりお前さ、オリュンポスの奴らがここで、何してるかしらないか ? 」


話題を逸らす意味でも、俺はケルベロスに聞いた 。


「 悪いが我も、奴らがここに来ている事しかわからぬ 。 が、良くないことだけは確かだろうな 。 」


一瞬だけ噛むのをやめて、またガブガブし始めた 。 もう、止めさせるのも疲れた 。


よくよくこの部屋を見渡してみると、ボロ屋に見えたのは確かだが、手入れが行き届いているのがわかる 。


真ん中にイロリがあって、奥に畳が4枚ほど、キッチン ? じゃないけど、多分料理する所には、酒と上には神棚みたいなものもある 。


案外、バキは綺麗好きなのかもしへない 。


ケルベロスはもう噛むのをやめて、勝手に布団で眠りこけている 。


俺はケルベロスの方に近づいて、イタズラをしてやろうかと、思って布団の方に行った 。


その時、ふと、畳の隅に紙が束になってあるのに気が付いた 。


俺はその紙を取って、見てみた 。 そこには、古い日本の文字がびっしり書いてあった 。


文頭には


[ 勅令 ]


と大きく書かれている 。


読み辛いが、読もうとしたら


バタン


家の扉が開いて


「 ...帰った 。 しばらくの食料は...っ ! お前 ! これ読んだのか ! 読んだのか ! 」


バキはいきなり俺に飛びつき、ポカポカとパンチをし始めた 。 ...全く痛くないのだが 。


目には涙をためて、顔は真っ赤に染めている 。 そんなに見られて嫌なものなのか ?


「 ...ばかばかばかばかはぁぁだあっ ! 」


パンチし続けるバキと、すやすや寝ているケルベロス 。殴られ続ける俺 。 俺はこんなことをしたくて過去に来たんだっけな ?


「 読んでない ! 一行も読んでないから ! な ? ほら、返すから 。 」


読んでないってのはウソなんだが...


俺からひったくるようにして紙を、取り戻したバキは俺に、指で目を下げながらアカンベーをしている 。


バキにしては、良く喋ったな 。 話せない訳ではないみたいだ 。


「 これは姉様の手紙なのっ ! 」


姉様 ?


俺が誰だろうと思ったら、バキは口を滑らせてしまったのか


「 ち、ちがうからね ! お、お姉様なんて私にはっ...! 」


どした ? いたらまずいのか ?


俺は一頻り殴られ続け、やっとの事で解放されましたとさ 。 この時には、バキが帰った時は昼くらいだったのに、すでに陽が沈みかけていた 。


...天籍にいても、やっぱり腹は減るんだな 。


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