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オトめてお  作者: 未消化
2/3

第1話 異聞・竹取物語1

保志真一は早起きだ。

よほどのことがない限り、かならず朝5時半には目を覚ますのだ。

だが、今は6時半。

会社に遅刻するようなほどではないのだが、いつもの彼にしては遅い方だ。

その原因は…


「あー、酷い夢だった…」


目覚めの第一声がこうなったのも仕方ない。それくらいの悪夢だった。

何せ夢の中とはいえ、惨い死に方をしたのだ。

自分の血のヌルヌルした感触が気色わるい。

痛覚よりもそちらの方が死に瀕している気分になってしまったのだ。



「寝覚めは最悪だけど、今日は何だか体が温かいな」


(そうだ、もう冷え込む時期なのに…湯たんぽでもいれてたっけ?)


寝返りのせいか、湯たんぽはどうやら背後にあるようだ。

それにしても温かい範囲が広い。


ムニュ~


(ん、しかもなんかすごくやわらかい?)


それもそのはず、それは湯たんぽなどではなかったのだ。

ふりかえってみるとそこには、


「……」


素っ裸の美女がすやすやと眠っていた。


「…まだ寝ぼけていたのかー」


自分の頬をつねってみる。

ついでに目の前の美女の乳首もつねってみる。

人生、苦あれば楽あり。

悪夢の次は淫夢かー、どうせ夢なんだし、いいよねー、このくらい。


「んふぅッ」


艶かしい声がして思わずビビって飛び起きてしまった。

(え、ゆ、め、ではない…?)


夢ではないと、完全に覚醒した頭では理解できたが、目の前に美女がいるのが腑に落ちない。

なにせ彼、保志真一は彼女いない歴=年齢という、DT真っ盛りのアラサー草食系男子なのだ。そんな彼が一足飛びに美女と同衾など本人にとっても夢にも思わない…いや、現実に起こっている。


「童貞をこじらせすぎたのかなぁ…」

と、独りごちてると…


「ンん、ふぅ」


美女が起きたのだった。


保志が飛び起きたせいで、掛け布団ははだけている。

そのため股間の方まで露になっている。

深夜に放映してるアニメのように、急に湯気が出たり光で遮られたりしていない。


(きれいだー!)


安直だが、心底そう思った。

そして、その思いは心底純粋な感情ではあったが。

アラサーとはいえ、さまだまだ若い健康な男子。

寝起きの生理現象もあいまって、両足の付け根に住まう象さんがパオーンといなないているのだった!


と、ここでようやく美女の顔をまじまじと見てみた。

艶のある濃密な黒髪は絹のような質感。

姫カットというのだろうか、前髪は眉毛を隠すかどうかの辺りで切り揃えられている。

そして眉毛は当人の意志の強さを反映するように太く、しかし幅はみじかい。公家眉みたいに見える。

少しつり上がったような目は大きく、くっきりとしたアーモンド型。鼻はそれほど高くなく、しかしすっきりした印象だ。

目を閉じていた時は、スタイルのよさもあって、大人びてみえたが、開いているといくらか幼く見える。

美女というよりは美少女だ。

自分より一回りは年下かもしれない。



(ヤバい、ストライク!)

(むしろバッターアウト!)

(ていうかゲームセット!)


思考が段々暴走しかけた矢先、


「おはよう。そして初めまして、婿殿」


その一声で保志真一の思考は急速停止した。


「えー、はい、おはようございます」

(って…何?ムコどのって?)


思考は追い付いてはいないが、律儀な性格の彼は挨拶を返す。


「妾はのう…と、どこから説明したらいいものやら…」

少女は全裸のまま、思案にふける。

胡座をかいて腕組みしてるものだから、色々なものが目に入ってしまう。


そのまま十数秒、やおらに少女は立ち上がりかたりだした。


「小難しいことは後回しじゃ!妾の性分にあわぬ!」

両手を腰に、大股開きでのたまう。相変わらず素っ裸で、だ。


「そなたの胤を貰いに参った!妾に子宝を授けてたも!」右手の人差し指でビシッと指差しながら。繰り返しいうが、素っ裸で、だ。


唖然とする保志。

あまりといえばあまりの展開に言葉も出ない。

しかし思考は追い付かなくても、さすがに若い健康体。

象さんは先程から勃ち…否、立ちっぱなしだ!


「ええい埒が開かん!かくなる上は実力行使! 」

「ええーッ‼」


と、少女は保志へと間合いを詰め、躍りかからんとしたとき。


ギシィッ

「あン!」


ベッドのスプリングの反動に足をとられよろけてしまう。

つまずき、よろめき、少女が両手ですがりついたその先は、保志の象さんのお鼻だった。


「ふぉっ!」

「ひゃっ!」


たまらず象さんはお鼻から水を吐き出しましたとさ。


どっとはらい

うーん、年齢制限に該当する表現の線引きがわからない。

削除の必要など、そこら辺は運営様や有志のご判断にお任せします。

ガクガクブルブル


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