『ぷれ、と、すまん、と鉄砲のプレスマン』
何とかいう村に、ぷれ、と、すまん、の兄弟がいました。兄は漁師、弟は猟師で、二人とも、それなりに腕がいいと評判でした。二人の住む町の寺に、何とかいう高名なお坊さんが訪れ、ありがたい説法をしてくれました。兄のぷれ、は、舟で漁に出ていて、寺には行けませんでした。弟のすまん、は、鉄砲を持ってこの話を聞きましたが、早く山に入って猟をしたくてそわそわしていました。
その日の夕方、兄のぷれ、は、きょう獲れた魚を焼きながら、弟のすまん、を待っていましたが、一向に帰ってくる気配がありません。心配になったぷれ、は、何やら嫌な予感がして、山に弟のすまん、を探しに行きました。一応、釣り竿を持っていきました。
ぷれ、は、すまん、が、いそうなところを次々と探し回りましたが、すまん、は、どこにも見当たりません。最後に、弟がよく手足を洗う滝に行ってみたところ、倒れて苦しんでいるすまん、を見つけたのです。
すまん、大丈夫か。兄さん、俺のほうこそすまん。いや、俺はお前を呼んだだけで、謝ってはいない。あ、そうなのか、すまん。といったようなどうでもいい会話の後、すまん、は、体が熱くてたまらないから、俺を滝壺の水に浸してくれ、と頼み、ぷれ、は、そうしてやりました。すまん、は、落ち着いたようで、兄さん、どうやら俺は、けものの命をとった報いで、罰を受けるらしい。もう間もなくすると言葉も話せなくなるだろう。俺はもう、兄さんとは会えなくなるが、俺の鉄砲を、俺だと思ってくれ、と言うので、鉄砲を見やると、鉄砲は、いつの間にかプレスマンになっていました。ぷれ、が、弟を見やると、弟は蛇に姿を変え、滝壺の中に泳いでいきました。蛇体が、さらば、という速記文字の形になったように見えましたが、気のせいでしょう。
教訓:寺以外では、魚は殺生には数えない、という御都合主義が一般的であったころのお話。




