ながいんだよ!!!
「うん……ちゃんと話すよ、」
「ありがとう。ゆっくりで大丈夫だからね。」
なにから…、話すべきかな。
まぁ…最初は…多分…、
「私が……本物の朝霧 日陽里なんだ…、」
すずさんの顔から目を逸らしたい…
けども、すずさんがこちらを真剣な眼差しで見てくれているから、ちゃんと合わせないと駄目……だよね。
「なる……ほど…??」
流石に話しが飛び過ぎたな……
「ごめん、飛び過ぎた…よね。」
「私、朝霧 日陽里はさ、中学二年生までは完全陽キャで―――」
現在の私に至るまでの経緯を話した。
私が中三、高校生活必死で生きてきた事も……
[ある事件]を除いて……
「中学…二年生……」
「そう、だったんだ。」
「ひよちゃん。頑張ったね……」
少し軽くなった心を保つんだ…
瞳からまた雨が降るのも…我慢しないと、なんだけど……
「うん……」
「それでさ……ある、高校生の………日にさ…………――――」
『日陽里』の事を、出会いを…震える声で必死にすずさんに伝える……
「そうなんだね……」
「じゃあ、あのTODAYも。」
すずさんは…………理解力が高いなぁ…、
「ごめん……、ね。」
「ちょちょ! なんでまた謝るのさ、大丈夫だよ。説明もしてもらったし。」
「大変……だったんだよね。」
気持ちは冷静ではある……なのに……
なんでかな……さっき小雨だったのに、豪雨に変わってしまってるよ……
呼吸も小刻みになってあんまり酸素も入ってる感じしないし………
「うん…、うん……」
「うん………大変…だったんだよ……」
「本当に良く頑張ったよ。」
豪雨で前が見えないけれど……なにか、暖かい……
誰かに包まれているかのような…暖かさ…
「落ち着くまで、いるからね。」
何故か、さっきよりもすずさんの声が近く感じた………
「ありがとう……」
―――――
何分経っただろうか……
完全に落ち着いて、いつも通り。
「落ち着いたよ…」
「ありがとう。」
そう言う所私の視界は光だし、すずさんが遠退いてゆく。
「良かった!」
あぁ……この笑顔に出会えて本当に良かった。
「じゃあ! 一緒に帰ろっか!!」
「うん…、!」
この声も……泣いてる訳じゃないのに、少し、震えている気がした。
―――
すずさんの隣で歩きながら帰る。
いつも後ろからでしか見ていなかったけど……
こんな…景色なんだなぁ…
「一つ思ったんだけどさ〜、日陽里…、さん?」
突然改まるな……
「全然、ひよちゃんでいいよ。」
『私の時あんなに嫌々言ってたじゃん!!』
忘れていた訳じゃないけれども…、
呆れを切らしたのか、真面目なムードがなくなったからなのか…『日陽里』が入ってくる。
しかし、すずさんへは聴こえないが……
「わかった! ひよちゃん!」
「うん。 どうしたの。」
「文化祭で出会った頃のひよちゃんって……陽のひよちゃん……じゃなくて、、」
(あんまり触れない方がいいのかな…、)
とか、思っているのかな……
全然、私は触れても良いんだけど、やっぱり……
文化祭の時は「私」だって気付くよね。
「そうだよ。もう変わってる時の私。」
あの頃が一番大変だったなぁ……
文化祭なんて、陽キャの大舞台じゃん…
今の私には関係のない話だけど。
「やっぱり…!!」
「ずっと憧れてたんですよ!」
うん…、知ってるなぁ。
ずっと後ろで見てたけど……あの場面では言えなかったし……
まぁ……今言っちゃうと混乱させちゃうよね。
「うん。ありがと。」
「はいっっ!!!」
―――――
「じゃあね〜!!」
「気を付けて〜!!」
濃くて、超えられない壁かと思われてた一日が、この会話を迎えて楽になれる……
「終わった……んだよね…」
『そうだよ!!』
『そうだよ!!!!!』
何故か……近い……し、怒ってる…?
「どした? なぜに怒ってる?」
『あのねぇ、! 長いんだよ! 長い!』
『スパッといって終わりじゃん!』
『なんで、そんなに泣き崩れるかなぁ〜!!!!』
ふんすか、して怒ってはいるけれども…
一つたりとも悪意は感じられない……
それは…優しい説教だった。




