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きーめた!

 「本当の "日陽里" を話そうよ。」

 

 


 本当の……日陽里を、話す……?

 何言ってるんだ『こいつ』は。



 「本当の…日陽里ってのは、、、、?」


 『あいつ』に聞いてはいるけど、何となく察してしまっている自分がいる……



 「はぁ……」

 「どーせ自分でもわかってんでしょ?」

 「なに? ちゃんと言われて絶望したいの???」



 言葉が鋭いよ………

 そこまで言う必要あるか……


 さっきまでのきゃっきゃっうふふな空間はなんだったんだよ。






 いや、私が崩したのか……

 私が『日陽里』に聞いたから………



 本当の日陽里なんて自分でも知ってるよ…、

 知ってるけど。

 


 理解したくないんだよ……

 本当の自分が"私"だって事を……

 


 「自分でも……」


 


 「自分でもわかってるよ……」




 だいぶ間を空けて話しているから『私』が入ってくるだろうな……


 私が『あいつ』に口喧嘩で勝てるとは思ってない。


 だから、喧嘩をするんじゃない……

 ただ自分の思った事を、自分の意見を言えばいいんだ。





 「じゃあ…!!!」

 「なん.......」



 『私』の言葉を遮って自分の言葉をありのままぶつける。



 「いや………なんだよ!!!」


 


 「すずさんを、失望させるのは……」

 「『お前』の幸せ空間を壊してしまう……」

 



 

 あぁ、本当に嫌だ……

 ただの言い訳に過ぎないよな……

 

 なんで、こんなにも今日は感情が動くんだ…


 幸せで良かったじゃないか……

 『こいつ』とも仲良くなれてた気がしたのに…………


 

 自分の意見を言い終わってから、『私』の方からゆったりしている拍手が聴こえて来る。



 「あーー献身的、献身的ー」

 「すごいすご〜〜い!!」


 

 喧嘩腰だな……本当に。


 煽り終わってから、『私』が私の目の前にまで来て、心臓がある場所に右手を埋め始めた。


 私と目を合わせてくるな……




 「ほら、」

 「交代だよ。」


 

 は………???


 右手から右腕へ、どんどんと私に入っていって、ついには本当に交代してしまった。


 なんで……??

 突然過ぎないか……?



 「ねぇ、ひより!!!」


 

 

 私の後ろから……『あいつ』の無邪気を演じるかの様な声が聴こえてくる……


 「どうっせさ!!」

 


 うわっ……

 突然近寄るな………



 「いつかはバレるんだよ??」


 

 突然声のトーンを変えて、本気の言葉を出してきた。


 いつかは、バレる……、か。

 わかってるよ……

 でも、今じゃなくても…


 「後回しにして、「いつか話す〜いつか話す〜」にしてると、もっとひどい目にあうんじゃないかな〜〜」



 『私』は未来のなにがわかるっていうんだよ………


 「もう……良いよ……」

 

 

 もう、諦めた。

 家の中に入ろう……


 今の主導権は私なんだ。

 行動は私が決める…………


 話すかどうか、もね。

 


 「またかよ……」


 

 『私』の声が薄っすら聴こえたけど、無視だ。

 無視……


 当たり前だ…………

 

 絶対嫌だよ。

 話すなんて。


 本物の私が"自分" なんて信じたくない……


 

 部屋に着いてから、また『私』が話始める。


 「本当にさ、すずちゃんがお前を知って嫌いになると思うのかい??」


 「あの裏表がなさそうな人間が??」

 

 

 「裏表が、"なさそう" だろ……」

 「まだ『お前』もすずさんの全部を知ってるわけじゃない…、」


 引かれない保証がない。


 少しでも可能性があるなら……やりたくない……


 人ってのは、すぐに《《感情を変える》》


 だから、怖いんだ……


 


 「じゃあどうすんのさ。」

 「このままぐだぐだぐだぐだ言って言い訳並べてもなにも変わらないよ。」


 


 

 どうすんのって、知らないよ………


 私は言うつもりはないんだから、、







 と、いうか、なぜ突然すずさんに言う事になったんだ………?

 どういう心理で…?


 「てか…なんで突然言うのさ。」


 

 「ん? あ〜〜〜」

 「帰ってる時の覚悟を決めて感謝したひよちゃんのままなら、出来ると思ったんだよ。」


 「今は成長した鶏から退化してひよこのひよちゃんだけどね〜〜」


 

 鶏…? ひよこ…? は………???


 

 帰ってる時の、私。 かぁ。


 「あれは……必要だと思ったから、やった……だけで、、、、」


 感謝は必要だと思ったからだ。


 だけど今回は、本当に必要か?


 

 

 「今回も必要だろぉ!!!!」



 うるさ……


 え、、、

 

 え………?


 「現在! すずちゃんだって、少し疑問に思っている可能性があるのだ!!」

 「電車の件でな???」


 「そして!! さっきのひよこのひよちゃんは覚悟を決めて話せた!!!」


 「これがベストタイミングぅ! じゃないのか!???」

 


 私が返しやすい言葉を放ったからか、『奴』はノリにノッてさっきまでのシリアス空間を知らない様子で気持ちよさそうに熱弁を始める。


 

 「ごめん。何言ってるかわかんない。」


 

 本当に何言ってるかわからん。

 は? なんだけど……


 まぁ……それが『あいつ』か。


 締め付けられていた感情が少しホッと緩んだ。



 はぁ………さっきの『私』の話よりも、今の意味わからない熱弁の方が安心出来る気がする……


 


 「まぁ!! 今のひよちゃんならいけるっちゅー事よ!!」


 

 本当、調子いいな……

 

 でも、嫌な気がしない……

 少し、言える気がしてしまう……、


 凄いな。『日陽里』パワーは。

 

 

 「わかったよ………」

 「話すよ……」


 

 もういいや……こーゆーのは、吹っ切れた方がいい……よね。



 「ふっふ〜〜ん! それでこそひよちゃんよー!!」



 でも、今はわかる事が二つある……

 


 今の私なら、、『あいつ』がいるなら、きっと、すずさんに話せる気がする……


 あと、もう一つは、

 

 「『お前』あんま調子のるなよ」

 

 「あっ…はい。」

 

 

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