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徘徊未来  作者: かき
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たぶんここは未来じゃない

 ここは未来の地球かもしれない。今私は、ガラス張りで薄い青さを感じるこのビル群の中を歩いている。

 中、というと語弊があるかもしれない。ビルの隙間。日に照らされた上の方と私の位置は天国と地獄を想起させる。


 しかしこんな無機質な地獄も天国もあってほしくはない。なんてことを思いながら歩いていく。このコールドスリープをされたような新しくも誰もいない、不気味で懐かしいこの場所を、石ころ一つないこの場所を、知っているのは青い空しかないこの場所を、ぼんやりと散歩している。


 ふとビルの隙間から朝日が昇るのが見えた。山や地平線ではなく、遠くのビルに居を構えた太陽は相も変わらず綺麗に昇る。


 ちょくちょくと見える広場には人工感が拭えない芝生が見える。きっと公園の遊具ももはやここにはないのだろう。


 いつものように眠ったら全くこんな場所にいるなんて恐ろしいったらありゃしない。それでもここでは眠気もないしお腹も空かない。快適といえば快適だが、満足かといえばそうではない。スマホないし。


 今は維持や管理をする人もいないのにこんなに綺麗なのはすごいなあ、なんて歩いている。もしかしたら人類は地球を放棄して別の星に行ったのかもしれない。


 思考が散逸的になっていく。それを鬨とするように目の中に来る優しい歪み。


 たぶんここは未来じゃない。

 もっと私に近い場所だろう。

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