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ガッチガチに石化したアレ

「調子はどう? ドール?」

「完ペキに治ったよ!」


 色気のない石の肌から艶やかな生足に蘇り、ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねるドールのパンティは丸見えだ。

 脇ではへなへなに蛇髪の萎れたメドゥーサのカーラが、上目で俺を見つめている。


「言われた通り治したぞ。じゃからわらわのことを好いてくれ……」


 これまでの強気が一転し、しおらしさを見せるカーラ。

 吊った眦は垂れ下がり、そのギャップに意図せず胸が高鳴る。


「とんだお馬鹿さんです! 魔物のあなたをネクロさんが許す訳――」

「許すよ」


 ハルモニアの固まる顔は次第に引き攣り、信じれないといった目を俺に向けた。


「魔物なんて呼称したところで、生き物は生き物じゃないか」

「でもカーラは人々を石像にして……」

「それってギルドの討伐依頼を受けた冒険者だろ? 報酬の為に殺しに来られたら、魔物だろうが人だろうが立ち向かわざる負えないよ」


 俺を見るカーラの瞳はたちまち潤んで、涙が頬を伝い落ちる。


「貴殿はネクロというのか……なんという慈悲深い。わらわ仕える者を違えていた。カーラはこれより魔王ではなく、ネクロ殿の為に身を捧げる」


 これはもしや、恋愛関係ではなく主従関係に落ち着いた?

 であれば非常に助かるが。


「そしていずれはハメて欲しい。石のようにガッチガチなそちのアレで、わらわの未通の洞窟を激突きしまくって欲しいのじゃ!」


 うん、分かってた。

 人より野性味がある分、余計に色々と欲が強いかもしれない。


「調子乗りすぎ! あんたなんか自分の蛇でズボズボしてればいいじゃん!」

「ほほっ、小娘が。うぬこそ自前の貧相なロッドで慰めておれば良い」

「私の乳キャラに被せるなんて許せません!」

「長寿の天使はババアキャラでもやっとれ」

「歳の話をするなぁあああ!」


 むむ、このカーラ。あしらいレベルもかなり高いと見た。


「カーラは大人の女って感じだね」

「…………」

「あれ? カーラ?」


 高飛車な態度は見る影もなく消え失せて、弱気な顔を覗かせる。


「ネクロ殿に言われると傷付くのじゃぁぁぁ……わらわ老けて見えるかのぉ?」

「そ、そういう訳じゃないよ! いい意味で子供っぽくないというか、老けてるとは全然違う意味で……」

「あひゃひゃ! ババアキャラはカーラの方がお似合いだったみたいですね!」

「黙れ化石が。キャラの立たぬ半端者め」

「嘘……ネクロくんは子供っぽいのは嫌いなの?」


 もう駄目だ……各々語りはじめてカオス過ぎる。誰をどうフォローしていいのかも分からん。

 そんな中で俺に視線を送るリムルは、呆れたようにふっと息衝き微笑んだ。

 俺も合わせてやれやれと笑みを零す。

 二人だけが分かる二人だけのメッセージ。リムルはそのやり取りがあれば満足で、段々と気に入る自分もいる。


「なるほどねぇぇぇ……」


 この声は誰だったか、淀んだ声が聞こえた――気がした。

 振り返って見てみるが、そこには口喧嘩を繰り広げるリムルを除いた三人の姿があるだけだ。

 はて、俺の聞き間違いだったのだろうか。


 とにもかくにも、カーラという最強レベルの戦力が仲間になった。

 当然まだまだ魔王には及ばないが、同じワルキューレ・アナテマを倒す上では非常に有利に立つ。


「ねぇ、カーラ。結界を守るワルキューレ・アナテマは他に何体いるの?」

「わらわにも総数は分からん。が、知っている者ならおるな」

「それは一体……」

「ここから北に行った海沿いの王国。マルメア国がとあるワルキューレ・アナテマと戦っておる。人々にとっては戦争だが、そやつにとってはお遊びじゃ」

「国の軍勢を相手にお遊びだなんて。カーラでも一国と戦うのは厳しいんじゃ……」

「その通り、じゃが強弱が関わるかと言われれば別の話じゃ。奴は人心を惑わす歌声を持つセイレーン種。リーヴァという高位魔物が、わらわの知るワルキューレ・アナテマの一体じゃ」

※まだまだ読んでくれているそこのあなた! カーラに激突きする勢いで評価と応援宜しくです!

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