story1.
推理となっていますが、おもいっきりの推理要素はあまりふくまれておりません。誤字、脱字があるとは思いますが、そこは温かい目で見てやってください。
「俺、列車の運転手になる!」
あぁ、そういえばあったな・・・・。
「がんばる。がんばるからね!父ちゃん!」
今じゃその親父も死んじまってるよ。
あれから何年経つのだろうか。
『横浜列車脱線追突事故』。
軽傷者128名、重傷者36名。
死亡者2名・・。
新聞やテレビでは大きく扱われなかった。
しかし、死亡者がいる。
列車の運転手である俺の父と、巻き込まれた俺の姉。
あの日俺は、姉と母と近くのスーパーに買い物に行った。
いつも変わらない日常。
ただ違ったのは、
「あっちから行きたい!」
俺の言葉。
いつもは鳴らない踏み切りが鳴っていたのだ。
「父ちゃん通ったら、手振ろうね」
姉も乗り気で走ってゆく。その後を母が追う。
その時、
すごい勢いで列車がこちらに向かってきた。
覚えているのは、ここまで。
病院で目が覚めた時には、姉と父は逝っていた。
母は助かったものの、記憶喪失で事故のことも俺のことも忘れている。
今では再婚し、新しい家庭を持って幸せに暮らしている。
あの時、どれだけ泣いたことか。苦しんだことか。
もう進まない。俺の列車は止まったまま・・・――――。