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第2話 蘇生

「…桐山。桐山総司です」


少年は上半身だけ起こして質問に答えた。


「総司くんか…」


男は相槌を打ちながら、粥の乗ったトレーを差し出す。


「私は風間耕三。医者だ」


続けて質問する。


「…体の調子はどうかね」


総司の体に痛みは無かった。


だが違和感があった。


あれだけの事故に遭ったというのに、後遺症の様なものはまるで感じていない。


それどころか


「…以前より、調子が良いような気がします」


風間は落ち着いてその言葉を聞いていた。


「…そうか」


風間はゆっくりと、ベッドに背を向けた。


「…ところで総司くん」


「…はい」


「あの事故から、君はどれくらい眠っていたと思う」


総司にはわからなかった。


昨晩目が覚めてから、日付を確認できるものを見ていない。


「…わかりません」


「1年半だ」


「‼︎…」


1年半。総司は愕然とした。


「そんなに長い間…俺は眠っていたんですか」


「あぁ…そうだ」


風間は答えて、ゆっくりと振り返る。


「そしてもう1つ、君に伝えることがある」


風間は落ち着いた声で告げた。


総司は風間の様子に、何か恐ろしいものを感じていた。


「…何…ですか」


風間は変わらず落ち着いた様子で告げた。


「君は1度、完全に死んでいる」






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