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ポラリス  作者: susan
8/26

変な女・紅子

 タウン誌の編集者紅子は、男遍歴が多い。加えて、相手にすぐ飽きてしまう。もっと悪いことに、肉体関係を持つと、サ――ッと冷めてしまう。

 その理由が判らない。

 モ―ションかけている時間が、紅子にとっての恋愛で、セックスは男だけが満足する行為。

 

 誰か、セックスの良さを教えてくれないかしら。

 私は、相手にアプローチしている時が一番好き。

 振り向いて欲しいけど、そこからはギャンブルなのよ。

 

 最近、紅子は手強い相手にアプローチしていた。

 どんなに色仕掛けしても、相手にしてもらえない。彼女はヤル気満々で、モ―ションかけていた。

 長身ハンサムのしなやかな優しい&独特の艶かしさのあるミュージシャンだ。

 友人からラインがあった。


 『彼、ホモだよ』

 

 ガ―――ン、私三ヶ月かけて、ホモを口説いてたってこと?

 これは、今年のトピックス衝撃ランキング1位。

 ちなみに2位は、行きつけのスナックのバ―テンダ―にオカマと勘違いされていた事。


 紅子は衝撃を引きずりながら、パンフレットの打合せのためポラリスビ―ル本社へ向かった。


「ヤッホー」


 首から一眼レフをぶら下げ、オフィスへ。

 そこにグレンが居た。


「コンニチワ」


「あっ、こんにちは」


 そうよ、忘れてた。この会社にはこのような素敵なメンズがいるんだ。


 グレンは名刺の裏の携帯電話番号の事には触れず、

 「イツモ、ゲンキネ」


 「ありがとう。でも、今日はそうでもないのよ」


 「ドウシテ?」


 理由? 言えるわけない。

 ホモの持つ独特の艶かしさに、惹かれた私がアホなの。


 「紅子さん、『世界の料理とポラリスビ―ル』というパンフレットを作りたいんだ。料理の監修を誰にお願いするか、なんだ」

 と常務理事が言った。


「あっ、それ、居ますよ。適任者が」


「誰って言う人?」


「モンブラン栗林という料理研究家」


「モンブランさんっていうの?」


 紅子は軽く頷くと、グレンを撮り始めた。

 グレンは照れながらポ―ズをとった。


「グレンはイタリア語・フランス語・スペイン語を話すんだ。おまけにアメリカで広告デザイナーや料理雑誌の編集長をしていたんだよ。彼と、そのモンブランさんと紅子さんの三人で一度打合せしてよ」

 と常務理事は言ってその場から離れた。


 グレンはさっきから胸のトキメキを隠していた。

 

 「編集長だったんですか?」


 「ハイ」


 「何故、日本に?」


 「秋川社長に声をかけてもらった。でも、お墓参り行ってない、行きたい」


 紅子はグレンをじっと見た。

 

 私も、先代にお世話になったわ。たくさんのお仕事頂いたの。


 「グレン、一緒に社長のお墓参り行きましょう」


 紅子の誘いに、グレンは舞い上がった。


 近くで二人を見ていた課長の山田は思った。


 グレン、止めろ!紅子はヤバイぞ❗


        続く



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