ゲイ?
「グレンさん、どうします?もう少し飲みます?それともグレンさんのマンション行っちゃいます?ラブホの方が好きですかぁ?あっラブホ初体験しちゃいます?いいところ知ってるんですよ。カラオケもあって」
グレンは何となく空気が読めてきた。
「ノ―!アイ ウォント ト―ク ウイズ ユ―」
「わたし、怒られちゃいます。何もしないとまずいんです。接待として雇われてるんです」
「スタ―バックス」
「ええ、スタバですかぁ?」
翌日グレンがレストランに出勤するなり、研造がニヤニヤしながらグレンに聞いた。
「どうでした?良かった?」
「何?」
「エリさんと、ラブラブ?」
「ノ―、何モナイ」
研造は少々機嫌の悪そうなグレンを見て直感した。
あのキャバクラ嬢、ブス過ぎたんだ。
「ソリ―.グレンさん。次は頑張りますから、気悪くしないでや」
「ワカラナイ、意味」
研造は、アレッ、と考えた。
もしかして、ゲイ?
いやぁ、こんな事聞けないわぁ。失礼だもんな。
札幌の生活が寂しくならないように、考えるの難しいわ。なにせ、アメリカ人はセックスなしではいられないって、Q&Aに書いてあった。どんな女紹介すれば満足するんだ?もしかしてロシア系?
グレンはスタンリ―とマイケルにも聞いた。
女性を紹介されたかどうか。
そういうことするのは、研造だけらしい。
マイケルの担当は常務理事、スタンリ―の担当は課長。せいぜい飲みに連れていってくれる程度だという。
「でも、グレン、ラッキ―だったね」
「いいな、俺も」
二人は羨ましがっていた。
今夜はアメリカ人観光客の団体予約が入っている。
グレンも楽しい気分でレストランの支配人のサブを務めていた。
ドアが勢い良く開いた。一人の美しい女性がレストランにやって来た。書類鞄を持ち、首にはニコンの大きな一眼レフを下げている。
「月刊 札幌ライフです。取材に来ました」
明るい通る声だった。
グレンは一瞬で、惹き付けられた。
続く