どんな女が好みさ?
研造社長は、グレンと二人でススキノの高級料亭に来ていた。
「こういう料亭にもポラリス置いてあるからさ、嬉しいよねぇ。ところでさ、アッチの方はどうしてんの?」
研造社長はいやらしげな微笑みを浮かべた。
「アッチ?どっち?こっち?」
グレンは東西南北を指差した。
「アッチとは、女性のこと」
「女性?」
「グレン、あんた面食いなんだべさ。どんな女が好みさ?」
「マイ タイプ?」
「………………………………派手なパーっとした、ぶっちゃけた女が好きかい?首からカメラぶら下げた」
「……………………………」
「おとなしい地味な女性がいいのかい?この際、日本女性と結婚したらいいべさ。日本に来た縁だもの」
「結婚?」
グレンは研造社長が、また女性を呼ぶのではないかとヒヤヒヤしていた。
「どれ、試しに何人か女の子呼ぶから、そこから選べばいいんだ。ちょっと、待ってなって。なんも、遠慮すんでない」
研造社長は携帯電話で行きつけのクラブやスナックや、コンパニオンクラブに電話しまくった。
「ケンゾ―社長サン、スイマセン、オンナ、いらないです」
「えっ?、そしたら、男のほうかい?そっちがいいのかい?」
やっぱり、そうかい。
グレンは、円山公園にスペイン料理のレストランを見つけた。
このレストランのオ―ナ―と交渉して、スペイン語版パンフレットの料理監修をお願いすることが出来た。
「紅子サン、撮影はヨロシク」
「さすが、グレンだわ。ここまで交渉してくれるなんて」
「北大の近くに、フレンチレストランも見付けマシタ。今夜、ためしに、行キマセンカ?」
グレンはデ―トのつもりで紅子を誘った。
「いいわね!行きましょう」
紅子は山田課長に忠告された事など、守るつもりはなかった。
続く