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『文句』

我ながら残念な出来だと思う。

こういう書き方なれてなくてテヘ

校門をくぐり抜け、昇降口で靴を履き替える。

そして職員室に向かう。途中、

「あら、朝早いのね」

夜空三月は、廊下で手を組みながらそこにいた。

「夜空も朝早いんだな」

「今日はたまたまよ。あら、そっちのかたは？」

衛の背中からチラッチラッ、と除きながら睨む詩音に気づいて、衛に説明を求める三月。

「こいつは双部詩音。ここに来る途中で一緒になったんだ。詩音は昔からの腐れ縁ってやつだ」

「名前は知っているわ。私が聞きたかったのはそうじゃなくて、どうして一緒に職員室に行こうとしてるのか？ってことよ」

「なに？私がいちゃまずいわけ？」

「まずいというか、迷惑なのよ」

「はぁ！？あんたのほうが迷惑よ！」

背中から出て三月と口論を始める詩音。

「私はこいつの幼なじみだから、こいつが変なことに巻き込まれないように見てんのよ！」

「私はとある男の子を部活に誘っただけよ。そしてその男の子からはOKサインをもらったの。どこにあなたが出てくる必要があるのかしら？」

「だって怪しいじゃない！更生部なんて聞いたことないし、それにこいつを王候補って、バカにしすぎでしょ！」

「バカになんてしてないわ。仁羽さんは私が立派に育てて、立派な王にしてみせるわ」

「だから！なんであんたがこいつをかまうのか理解できないんだけど！」

「それはだって中庭で……」

「ストッープ！！夜空さん、詩音も冷静に。な？」

こいつなんてこと言おうとしてるんだ！

衛は二人の間に割って入り、その言い争いを阻止する。

「別に、争っていたつもりはないんだけど！」

「そうよ仁羽くん。こんなの、争いなんて言ってたら国どころか、村で戦争が起こっているわ」

村で！？

「それで？」

詩音が衛になにかを催促するように顎を出す。が、衛はその意味が理解できなかったために、詩音は続きの言葉を声にしてくれる。

「あんたはどっちなの！？」

「どっちって？」

「入部するのか、しないのか」

「あら、なぜ衛君の部活動にあなたの許可が必要なの？あなたがそこまでする理由があるのかしら？ほら見てみなさいよ、衛君困ってる～」

「っるさいわね！別にどうだっていいでしょ！？なんであんたに私とこいつの関係を言わなきゃいけないのよ！」

「じよあ逆に言ってあげるわ。どうして私と衛君の関係をあなたに言わなきゃいけないのかしら？」

「それは、あんたが怪しいからよ！」

「なら、私からみたらあなたは部活動勧誘を阻止しようとしてる怪しい人ね」

「はぁ！？一緒にしないでくれる！？」

すると突然職員室の手前にある放送室の扉が開く。

「さっきからうるせぇのはてめぇらか」

それは、副担任の瀬戸内（せとうち）要（かなめ）であった。

「まったく、人の昼寝もとい朝寝を邪魔しやがって」

「先生、放送室を昼寝部屋にしないでくださいって、前にも言われてませんでした？」

「あ？いんだよんなこまけぇことぁ。そういや夜空、部活の名前変更したんだってな。確か、更生部だっけか？んなあからさまな名前じゃ、逆に怪しいだろ」

かっかっかっ、と笑う先生を横目に、詩音は衛に耳打ちする。

「本当に入部するの？私今話して分かったけど、あのくそ女そうとう性格悪いわよ」

後半の方声量がいつもの声より倍でていて、明らかに三月に聞こえるようにしていた。しかし三月はどうじることはなく、「さ、早く職員室に行きましょう」といって、衛の手を握る。

それを見て、詩音は顔を赤くして跳び跳ねる。

「あ、あんた！？手離しなさいよ！手！」

詩音は二人の手を離そうと二人の手を取る。すると偶然にもその手は指と指の間に収まり、左から衛、詩音、三月の順で手を繋いでしまう。

それを見ていた先生が腹を抱えながら一言、衝撃の言葉を吐く。

「お前ら仲いいな。三人で部活でもすんのか？」

その瞬間、詩音の頭に電撃が走る。

「それいいわね」

「え？」

「私も更生部入ってあげるわ。部活動勧誘をしているそうですから、部員は多い方がいいわよね？よ、ぞ、ら、さーん？」

さすがの三月もイラッとしたのか、反論してしまう。

「あなたさっきからなんなのよ。もしかして、衛君のことが好きなの？」

「んなっ！？」

さらに顔が赤くなる詩音。そして、その反応をみて三月は、なぜか苦い顔をする。

「別に構わないはずよね！あんたしか更生させられないわけじゃないし！」

「えぇ、構わないわ」

「え、いいの？」

「いいっていってるのよ」

「話が早いじゃない」

「ただし、あなたも最初は更生される側からよ」

「え……」

にやりと微笑む（悪い顔）三月の顔に耐えながら、こうして衛と詩音は更生部に入部することになった。

「てか、あんた私になにさせる気なのよ！？」

「それはもちろん、更生させる気よ」

たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます！

引き続き更新していくので、ぜひ読んでくれるとうれしいです！