8 小説技法について、わからないことをわからないまま2「記号の使いかた」
小説で定番のコツに「記号を避けるほど表現の薄っぺらさを避けやすい」があります。
プロでも記号を多用している作家はいますが、それはそれとして。
私のような初心者の段階では定石どおり、なるべく減らすように意識したほうが、文章の質が上がりやすいと実感しています。
ただしこの定石も使いようで、裏を返せばコメディなどでは軽さの表現にも使えます。
例えばセリフにやたら「!」を使うと、ある種のバカさウザさを演出できます。
記号の用法も絶対という禁じ手はありえないと思いますが、作品の質を落とす「悪い使いかた」は避けたほうが得だと思います。
そして「悪い使いかた」であふれているサイトなどでは、すべての変則使用が悪い先入観で見られがちなことも意識したほうがいいと思います。
ともあれ、最初に一度は基礎へひととおり目を通しておくとよい……はずですが自国の文法なのになにこれよくわかんにゃい私かなりマニュアル好きなのにいまだに迷っているとこ多いアル……
1 記号『?』『!』『……』『」』『)』のあとは句読点をつけない。
これは記号『?』『!』『……』などに句読点の性質が含まれているとみなす考えかた……らしいです。
さすがに『?、』『!。』などの使いかたを見ることはありません。
しかしほかは出版社や作家により分かれることも。
例 たまにつけている(こんな風に)。
例 主流はつけない(こんな風に)
私は前者のつける形式にやや違和感をおぼえるようになっていますが、使いたくなる時もあって困っています。
例「彼は優しい(親切である)。犯罪者に容赦ない」
この文を主流どおりにすると……
例「彼は優しい(親切である)犯罪者に容赦ない」
『彼は優しく親切である。犯罪者に容赦ない』と伝えたくても、後の文につながって『親切で優しい犯罪者に容赦ない』みたいな解釈もできてしまいます。
特に『……』では問題が大きいです。
例「ねえ……。ちゃんとお風呂に入ろう?」
例「ねえ……ちゃんとお風呂に入ろう?」
衛生環境の改善を勧めているのか、姉との関係改善(改変)を勧めているのか混乱しやすくなります。
私はなるべく句読点をつけない形式で統一しています。
しかし文章を離したい場合には『……。』を混用することもわりとあります。
ごくまれに『)。』も使っているかもしれません。
ただし、そういった形式になりそうなら、別の言いまわしも検討しています。
2 『?』『!』のあとに文を続ける場合は一文字開ける。
例「ロケットが? 月まで飛べるだろうか」
このように『月(つき)まで』と距離を問題にしている文を……
例「ロケットが?月まで飛べるだろうか」
……と書いてしまうと『?月(がつ)まで』と期限の問題にも読めてしまいます。
疑問文の末尾につける『?』の用法と、ふせ字としての『?』の用法が混じる問題です。
『!』であれば別の意味にはならないものの、通常の句読点『、』『。』に比べて字間が詰まって句切りに見えにくいことに配慮して……なのかなあ?
3 『?』『!』のあとに文を続ける場合でも、カッコなど記号の前なら空けない
例「ロケットが? 『月』まで飛べるだろうか」
これでは間が空きすぎに見えます。
例「ロケットが?『月』まで飛べるだろうか」
このほうが見た目がよいです。
しかしまれに、カッコ内の言葉が前にもつながって読めてしまうことがありました。
例「我ら芸術戦隊! 『末期ヘンタイ』サークルは手段を選ばぬ……許さん!」
これは「芸術戦隊」が名乗り出て、手段を選ばない「末期ヘンタイ・サークル」へ戦いを挑む場面ですが……
例「我ら芸術戦隊!『末期ヘンタイ』サークルは手段を選ばぬ……許さん!」
空白がないと「芸術戦隊・末期ヘンタイ・サークル」という集団が手段を選ばないために戦いを挑む……という別解釈にも近づいてしまう気がします。
私は悩んだ末、間が抜けた感じになってもわかりやすさ優先で空ける方針にしています。
3『?』『!』『ー』『~』は重ねない。
私は『?!』『!!』を使用中です。
かつては『!?』も使い分けて(先に置かれている記号のほうがやや強調される印象です)『?!?!』や『!!!』『!!!!』『ーーーー』も使っていました。
現在は『!!』もギャグ系のごく一部に限っています。
『??』はさらに減り、絶滅寸前。
しかし『?!』はどうしても多用。
いずれも読む側としてはまったく気になりません。
マンガなどでは多用されまくる表現です。
さすがにマンガでもまれな『!!!!!!!』や『ーーーーーーーーーー』ほど極端な使いかたの多用はきついことも多いですが……それでも作風によりけりで使いよう。
千人中千人が避けたほうがよい手法でも千一人目が常識をくつがえしかねないのが創作のおもしろいところです。
そしてこの程度の変則であれば、数十人に一人くらいはうまく使えてしまう気もします。
私の自主制限もいやいや合わせているわけではなく、文章作法に共通で『伝統を守ると成長が早い』という定石を利用しているだけです。
実際に、封じたほうが表現は広がりやすい感触があったので採用しています。
しかし『?!』はどうしても私に有用な相性なのか、もしくは未熟な表現技術の段階に合っているのか、判断がつかないまま、今でも見かけると減らす検討は続けています。
なおギャグ系でない場合は『?』『!』以上に『?!』を減らす傾向です。
縦書きになると『?!』『!!』などの記号二文字は違和感が強いです。
三文字以上が縦書きだとさらに異様なため、早くから避けるようになりました。
なお、半角は環境によって表示が安定しない(非表示や真横になる)ため、早くから避けています。
こういった私の安定志向はキワモノ嗜好とバランスをとっているのか……過激表現の下準備を万全にしているだけの気がしないでもないです。
*追記1
『?!』は「疑問符感嘆符」で『!?』は「感嘆符疑問符」で検索できます。
そして今日から私は『?!』から『!?』に宗旨がえします。
標準多数派が『!?』らしいので節操なく。ありがとう『?!』さようなら。
以後、改稿のたびにじわじわ変更されると思います。
*追記2
私は疑問符を強調して『?』を先に出して『?!』を使っていました。
感嘆符を強調する『!?』は使わなくていい……はずが主流である理由が謎でしたが『縦書き』の違いと気がつきました。
漫画や紙媒体ラノベでは綴じが逆で右から左へ読むため『?』を先に出すと『!?』の順になります。(半角二文字を一文字あつかいでおさめる場合)
すると主流は横書きで読まれているであろう私はやはり『?!』のままでいるべきでしょうか。節操なく。どうしたものやら……
4 『「」』『()』などカッコ内部の最後は句点を入れない。
例「私は、言った。私は、美しい。」
ではなく
例「私は、言った。私は、美しい」
ということです。
カッコ記号が句読点の性質も含むとみなす考えかた……だった気がします。
現在は入れないほうが主流……な気がします。
しかし出版社により、商業誌でも入れる表現を見かけることは多いです。
ちなみにマンガでも「フキダシ内の句読点」は出版社によって扱いが異なります。
大多数は句読点を入れませんが、小学館(サンデー、コロコロ、ビッグコミックなど)では入ります。
5『…』は偶数単位で使う。
私は九割がた『……』二文字を使用します。
まれに、特に長い間を示す時に『…………』四文字を使用します。
ギャグ系などで極端に長い間をとる時だけ八文字以上も。
六文字や十文字は使いません。ぱっと見で段階がつくように使い分けます。
読む側としては……
『…』は寸づまりな印象を受けます。
『………』も少し違和感があります。
『・・・』はいくらかとまどいます。
『・・・・・・』のほうが受け入れやすいかもしれません。
以上の四種は確実に気がつくものの、それほど大きな障害とは感じません。
『、、、』はかなり不安を感じます。
『。。。』も文法面は無視される覚悟を固めます。
『...』は影響元がゲーム系か英文系か気になってきます。
以上の三種になるともはや、ギャル語のごとくツッコミを入れたら負けと判断することが多いです。
まともな文章作法マニュアルをどれかひとつでも目を通していれば書いてありそうな基礎中の基礎なので『作法に興味がない』『あえて無視している』のどちらかに思えます。
……ごくまれに、ほかの作法をほとんど守っているのに誤用している場合に限り、指摘したくなってしまいます。
しかしこの『偶数使い』などもあくまで慣習的なものです。
当時の印刷技術で『…』単体だと『:』『;』『ー』『-』あたりと混同される危険があった……のかなあ?
私も作法マニュアルをいくつかさらう前では、奇数使いに違和感はほとんどなかった気がします。
*追記
『…』の名称は「三点リーダ」で「てん」からも変換できますが、環境によっては「さんてん」や「あまり」(割り算の余りの意味)から変換すると候補をしぼれます。
私はパソコンの「単語の登録」機能を使って『……』と二文字セットで入れ、読みを「てん」にして登録しています。便利っす。
6 行頭には空白を入れる。
基本中の基本。しかし時代変化の影響が最も目立つ作法でもあります。
空白を入れない形式が年々増加する傾向にあります。
SNSのコメントやケータイなどのメールでは空白を入れる形式のほうが少ない影響かもしれません。
一行の文字数が少なかったころのケータイ小説の影響もありそうです。
ブログなどのネットサイトも、ケータイ環境にも合うように「一行の文字数は少なめ」「行頭空白なし」が多いです。
ゲームも文章表示スペースの制限が厳しいためか、空白は入れない形式が多いです。
私自身は空白を入れてほしいと思うほうですが、それも小説に限っての話で、ブログなどでは気になりません。
そして小説であっても、ネット特有の手法が多い作品などでは気にならないで読めます。
文章の電子化普及に比べれば作法変化の速度はゆるやかで、まだ数年は伝統的な「入れる」派が主流を保ちそうですが、その先になるともう予想しがたいです。
そのころには紙媒体でも主流からはずれる可能性が出てくるかどうか?
わからないまま観察中です。
私はこのサイトの活動報告やコメントでは迷って混用していました。
現在はほぼ空白を入れるようになったはずですが、メールの一種という感覚で入れていないことも多かったです。
*追記
行頭空白のいれかたについて。
ワードや「小説家になろう」の入力補助メニューでは「段落の先頭を一字下げる」機能(後述の「空白を入れない」例外にも対応)があります。
……しかし私はそれらをいっさい使わず、いちいちスペースキーで手打ちするスタイルで落ち着きました。
なぜか挙動が怪しくて、消えていることがあって、かえって手間が増えたりするんだもの。
ただ、どちらも機能の改良は続いているとは思います。
大量の行数を修正したい場合などは、このサイトの小説作成ページを借りると便利そうです。
7 行頭が『「』『(』の場合には空白を入れない。
例
「主流ではカッコ類の行頭に行頭空白を入れない」
例
「しかし商業出版物でも入れる形式を採用していることがある」
例
(現在、特に小説では入れない形式がほとんど……のはず)
例
(もし特殊なこだわりで入れる場合も、統一したほうが読みやすい)
8 数字は漢数字で統一する。
作法の基本に「作法や表記は統一する」があります。
数字についても元は「漢数字(一二三)とアラビア数字(123)を混用しない」という主旨……だった気がします。
しかし漢数字を使わないと不自然になる表現が多い(一撃、二人三脚、四散、五重の搭)ため、実質ではアラビア数字の禁止に近い気がします。
どこまで守るかは作風・作品によります。
数値を頻繁に細かく比較する場合は使いたくなるはず。
例「貴様ら十二位の戦士など我ら八位戦士の敵ではない!」
くらいならまだしも……
例「貴様ら四百二位の戦士など我ら二百五十八位戦士の敵ではない!」
……あたりから目に厳しくなってくるかも。
例「貴様ら402位の戦士など我ら258位戦士の敵ではない!」
この例では縦書きでも後者がよさそうですが、作品によっては縦書き時の読みやすさはあきらめる必要があるかもしれません。
なおアラビア数字を使う場合も、なるべく使う部分をしぼってパターンが決まっていると読みやすいです。
私は小説だとアラビア数字が皆無です。
しかし活動報告などでは、しばしば多用・混用しています。
例「二十三話から三十話にかけては二千五百字から五千字ほどで、全体では二万五千字から三十万字ほどの予定」
これではわかりにくいので……
例「23話から30話にかけては2500字から5000字ほどで、全体では25000字から300000字ほどの予定」
さらに……
例「23話から30話にかけては2500字から5000字ほどで、全体では2万5千字から30万字ほどの予定」
みたいに。
私が小説で例外的に多用・混用している『ヴァーチャル三国志で迷走してみよう!』はステータス表記(能力数値一覧)を頻繁に使う作品です。
そして二十万字を超えたいまだに、表記の試行錯誤が続いています。
ステータス表記そのものは「武力90 知力20 兵士数7800」みたいにアラビア数字で統一していますが、それをセリフや地の文で話題にすると大変なことに。
例「武力90台のプレイヤーが八人もいるから兵士数は八万か十万はないと厳しい」
読みやすいですが、混用しまくりです。しかも……
例「プレイヤーの数では40対37で有利でも兵士数は1100と1250だ」
同じ項目(プレイヤー人数と兵士数)の数値表記でさえ、場面によっては漢数字とアラビア数字を変えないとわかりにくくなってしまう場合があります。
なるべく統一したいのに……なるべく自然に見えるように、悩みどころです。
9 特殊な記号は避ける
しかしどこまでが特殊なのやら。
この項の『』内は表示されないか、文字化けするかもしれません。
9-1 環境依存文字は避ける
パソコンなどで「きごう」を変換すると変換候補へ記号が大量に出ます。
中には「環境依存文字」と付記された候補も多いです。
それらは半角と同じく環境(携帯電話や古いOS、古いソフトなど)によっては表示が不安定らしいので、私は避けています。
『Ⅲ』ローマ数字の3
『③』丸の中に3。
『㎝』一文字あつかいのcm。
『㍍』一文字あつかいのメートル。
『㍻』一文字あつかいの平成。
このあたりはよく見かけるわりに「環境依存文字」になっています。
ローマ数字は小説、中でもファンタジーやミリタリー関連などで使いたい場面は多いはず。
年々対応は広くなっている……はずが意外と進んでいないので不安。
悩ましいです。
さらにハートマークなどは変換候補に出るかどうかもわからない「環境依存文字(unicode)」という分類になっています。
『♥』黒ハート
『♡』ハート
『♧』クラブ
『♢』ダイヤ
『♤』スペード
私はかつてハートマークをかなり多用していたので残念無念。
(九割がたは狂気の強調みたいなハートの温まらない悪用ですが)
9-2 無難そうな記号と使いかた
『?』『!』『……』『ー』『~』『・』『:』『>』などは問題ないとして……
*追記
なくもないですね。というか探すとたくさんありそうですねこんちくしょう。
純文学系では『ー』『・』の使用割合がかなり低い印象です。
つまりラノベでも抑えると軽さを調整できます。
私は主にとぼけた口調で「ああ、いいね」を「あー、いーね」のように変則的に使いますが、堅い作品では雰囲気を壊してしまうので地の文などの表現に換えます。
特に『~』(波ダッシュ)を長音符(音をのばす記号)として使う手法は変則的で……つまり純文学ぽくない、ラノベくさい、漫画ぽい、軽い、低俗、みたいな印象が強まります。どの程度かは読者によりけりですが、多少なりは多くの人が。
私も無意識に、コメディ要素がない作品では避けているかもしれません。
『○』まる
ふせ字としては最もメジャーで、見出しマークとしても使われます。
図形の丸としても使われます。
『×』ばつ、かける
ふせ字で使う人もいます。非ラノベの古い作品に多めな気がします。
バツ、数式記号、腐女子記号でも使われます。
『*』ほし(なぜか私の環境では「アスタリスク」で変換しやがりません)
ふせ字や見出しマークで使われます。
プログラム関連をはじめ、かけ算の記号として使われることもあります。
大きな場面変換の表示で「* * *」のように空白行を挟んで置かれることもあります。
『※』こめ、ほし
見出しマークで使われます。特に注釈などでは『*』と並ぶ頻度。
このあたりまでは末期的な純文学系の石頭でも見逃してくれる……はず。
あまり多いと軽くなる傾向は記号に共通の性質ですが、
『●』まる
『◎』まる
このあたりは見出しマークとしてわりと見かけます。
『◇』しかく
まれに見出しマークとして使われます。
大きな場面変換の表示などで置かれることもあります。
『■』しかく
『▼』さんかく
まれに見出しマークとして使われます。解説書や実用書とか。
『△』さんかく
『▲』さんかく
丸、バツ、四角などと共に第三の中間的な記号として使われます。
このあたりまでも、以上の使いかたであればそうそう非難されることはないはず。
しかし特にこだわりがないなら『○』『×』『*』『※』だけでやりくりしても、それはそれで見やすくなると思います。
『†』だがー(ダガー、小剣の意味です)
用法は『*』と同じ。
洋書では一般的な記号で、翻訳作品に多いです。
和風作品で使うとさすがに違和感あるかもしれません。
『♂』おす
支障なく使っていた例もあった気がしないでもない……
このように変換も表示もできるものの使う意味や価値が薄そうな記号はいくつかありますが……私は基本的に回避する検討をしつつ、それでも使いたいなら支障の低そうな使い方を検討、という順で考えています。
『♪』おんぷ
ハートと同じく、セリフのニュアンス表示として便利。
それだけによく使われ、安直に多用されすぎている時のウザさ薄っぺらさも同様。
そのため純文学系の石頭さんはこの記号を見るだけで頭ごなしに見下したりします。
使用を控えてみる価値は高いと思いますが、それでも使いたくなる作風は多そう。
その場合は想定する読者層や出版社の傾向に注意したほうがよさそうです。
個人的に読者としてはまるっきりセーフ。意味なかったり読めなかったりの記号に比べればぜんぜんセーフ。というか使いようではかなりの価値がありそう。もちろん私が作者側で考えると悪用ばかり考えてしまいますが。
まれに、歌詞や歌唱のはじまりを示すマークとして使われることも……といえば同じ機能の『〽』(庵点、富士山マーク)は現在すでに絶滅?
『☆』ほし
見出しマークに使われなくもないですがマイナーな気がします。
以下はかなり若い用法で『らき☆すた』(2004年)あたりからメジャー化?
名詞で『・』(なかぐろ)の代わりに使われる。
また、セリフ中に『♪』と近い用法で楽しさなどを示すが、末尾以外にも置かれる……『・』からさらに傍点の性質が混じったもの? なの?
よく使われ、よく嫌われ、議論のたたき台としては格好の記号。
個人的には、上記のように代替可能で意味が薄く、使わないほうが得……と思っていましたが「明るさ」(転じてかわいさのアピール)を示す効果で『♪』と差別化され、成長途上にある記号のような気もしてきました。
とはいえ熱烈な拒絶層がいることにはかわりないので、作家各自で取捨は要検討です。
9-3 実質で記号の用法
『(^0^)』顔文字
これも拒絶する読者や出版社が多い表現です。
使いこなせば多様な効果があります……が、環境依存文字を使いがちだったり、ずれたり崩れたりで意味不明になったり、フォントや字間などのちがいでニュアンスが変わったり。
個人的には苦手なほうですが、わかりやすい定番を控えめに使う程度なら気にならないか、楽しめることも。
作家個性によっては、かなり無茶な使いかたでも楽しんでいるかも……結局は使いようだと思います。
自分は活動報告やコメントなどでも使うことは皆無ですが、絶無ではありません……ソーシャルゲームの会話ではかなり使っています。ハートマークなどの記号も。長文やりとりには向かない環境なんだもの。
『orz』オーアルズィー……と読むこともある。
主に文末へ置き、土下座や深くうなだれている心境を示す。
アスキーアート(絵文字)の一種ながら記号的な用法でも使われ、記号的に普及。
しかし現在は見かけることが減り、若い世代は使わない、というか知らない層が出てきたかも?
『ww』通称「草」
主に文末へ置き、軽い笑いを示す。文脈から嘲笑にも喜悦にもなる。
現在はかなりの年配でも意味を把握してそうですが、依然として拒絶層は大きそうだし『☆』『♪』とはまた別のアンチ層が多そう。
個人的に『♪』ほどの存在意義は感じませんが、一般には逆かも?
しかしここ数年、ネット特有の表現は反動からか下火になり、古くさいとみなされる範囲も増えている気がします。
『(笑)』
雑誌のインタビュー記事などから広まった表現かと思います。
年配層にとっては新しめの表現ですが、生まれつきネットがある世代には古風な部類に入りそうです。
純文学で使われることはなさそうですが『ww』や顔文字に比べると、ラノベ以外でも許容範囲が広そうです。
漫画のセリフではもともとまれだった上に近年は『ww』に出番を奪われはじめたかもしれません。
私は小説だと使いませんが、活動報告やコメントなどではまれに使うことがあります。短い文でも感情を誤解されないように念押しで。
* * *
とりあえずはオチもなくここでおわりです。
またなにか追記するかもしれません……というか追加すべき事項がまだまだまだまだまだまだありそうで怖いです。なんなの日本語。
現在、私が使う記号はラノベとしては最少に近く、特殊記号はほぼ『○』『×』『*』『※』までの範囲でおさまり、これらもめったに使いません。
でもいつか☆反動で!!!!異常な使用量の怪作wwに走るε≡≡へ(*・ω・)ノかもしれません♪