5 このサイトの運営に関するあれこれとか
・2016年のジャンル分け変更について。
多くの人が納得できるジャンル分けは難しく、ジャンルは常に分類不能な作風が増え続ける傾向にあります。
そして私はジャンル分けしにくい作品を書きがちです。
しかしこのサイトの検索の利便上、整理が必要になっていた時期だったと思います。
変更後。
私はジャンル再設定を十数作やることになって一時間以上とられましたが……作品数の桁が違う作家さんを見てしまうと愚痴れませぬ。
それと、ジャンル分けついでに行われた「ランキングページの変更」のほうが強烈かもしれません。
ジャンル別がランキングページの最初に来るようになりました。
読者の注目が分散する良い変更だったと思います。
個人的には、別ページになった異世界転生・異世界転移の隔離が思ったより強い印象です。
私が異世界転移ジャンルに最も多くの文字数をつぎこんできたひいき目も大きそうですが、強めに隔離する必要がある作品数だったのかもしれません。
同じく別ページ隔離となった総合ランキングもやはり、入れた人たちにとっては疎外感が強いかもしれません。
しかし「分散」は全体におおむね、大きな改善になった落としどころだったと思います。
・相互評価について。
かつては「小説家になろう」からもリンクの貼られていた「秘密基地」というサイトを見て「0・0も酷評もあり」という鬼仕様の相互評価を募集しようかと考えたことがあります。
しかし相手に気をつかってしまうかたが多い様子で、作品の質とは関係ないポイントが入りそうだったのでやめておきました。
倫理的にストイックなわけではなく、ガチ評価でないと興奮できないバーサーカーです。
・不正な相互評価について。
というか強制的に最高点なら「相互評価」ではなく「相互ポイント操作」ですが。
仮に倫理面を無視して、プロになる気もないとしても、得られるものの効率が悪く思えます。
プロ志望なら論外です。
編集者との打ち合わせを想像できる人なら、まず考えない発想だと思います。
編集者の生の情報を広く集め、できれば直接に会話する場を探すことをおすすめします。
このサイトでは編集者・出版社について、ずれた思いこみを元に意見を書いている人が多いです。
自費出版・共同出版まがいの出版社にろくな校正もなしに買いたたかれたいならお互い様かもしれませんが、そこまで志が低いともはや中堅アマチュア以下なので、良心的な自費出版・共同出版を探したほうが自己満足には早道のような気もします。
倫理面について。
警察に逮捕されなくても運営に対処されなくても恥ずかしい背信行為であることはあきらかです。
そう知っているからこそ隠れてやっているのに営業努力うんぬんでの正当化は詭弁です。
可能なら撲滅されたほうがいいに決まっています。
技術面について。
不正アカウントの問題と合わせ、防止は困難だと思います。
まず費用面。ほかの大手サイトの類似対応を考えても、負担が大きくなりすぎそうです。
サイトがつぶれたら元も子もありません。
次に運営方針。
ユーザーの身元登録を厳密にすれば不正を抑制できる部分もあります。
しかし外部サイトなどでの不正依頼を防げるわけではありません。
また、そういった束縛をなるべく少なくすることで広いユーザーを得ている面もあります。
どちらも比較の問題になりますが、私は今の運営予算やユーザー増減については知りませんし、個人的には現状に納得し、運営様を支持して静観しています。
改善案について。
多くの人がポイント評価する、そうなるように呼びかける、というのが基本だと思います。
あと、評価者そのものが評価されてほしいと思っています。
他国では業界に大きな権威を持つような、批評文化の発展です。
それもまた有名批評家様にワイロを捧げるような薄汚い未来もありえますが、無責任で機械的な水増しランキングに注目がかたよる状態よりはマシですし、日本は批評家の扱いが軽すぎると思います。
おおよそでも「内容(信用)のある感想・レビュー」の数を把握できるシステムがあればよいのですが。
次に、評価をしないで簡略に作品を探したいだけの読者スタイルも認め、運営側も評価を示してよいと思いました……ってあるやん。
「ネット小説大賞」の一次通過は「最低限の技術」をクリアした作品群です。
「ネット小説大賞」の感想サービスがつけば一次落ちであっても「感想を書く意味がある」作品群です。
新人賞から作品を探す方法をもっと読者さんに推してよさそうです。
また、作家さんに「受賞歴」や「一次通過経験あり」などを自己紹介と作品情報に表示するように呼びかけると、商業基準の質で検索したい際の利便が大きく向上しそうです。
ポイントに比べて質の低い作品を相対的に追いこむ手段にもなります。
・作品が埋もれる問題について。
「だからって不正していいわけねえだろ」は大前提として。
読まれていればもっと評価を集めていたはずの作品がたくさん埋もれています。
私は早くから外部で紹介されてまとまった注目をいただき、かなり運のいいケースだったと思っています。
新人賞一次通過の低評価作品を見て、下読み様のスコッパー技能に驚くことは多いです。
「この内容でこんなに低い評価?」という作品があり、その作者さんのマイページをのぞくと読者反応の低さで滅入っている様子がわかったりもします。
原因としてはタイトル・あらすじ・キーワード・冒頭の工夫不足で埋もれてしまい、アクセスそのものが少ないパターンがほとんどです。
おすすめの手段としては……新人賞応募、釣りタイトルなどウケやすい短編の投稿、ツイッターなどSNSでの宣伝、などがあります。
「ポイント目当てじゃない、読めないなら無視していい、でも読めたなら酷評でもなんでも反応をもらえたらうれしい」という作家さんには「掲示板さらし」もおすすめしたいです。
匿名掲示板で依頼をすれば、かなりまじめな批評が集まるようです。
もちろん意味の薄い罵倒もありうるので、自分の耐性と要相談で。
私としては「さらし」も一度は試してみたいので……自信があるのに反応が絶望的な怪作ができたらまた検討するかもしれません。
・運営への評価について。
理解が深まるにつれ、このサイトの運営はコミケ運営に近い創作バカ集団ではないかと感じ、尊敬しはじめています。
これだけ膨大なユーザーを抱えているのだから、コミケと同じく儲けに走る機会・手法はもっといくらでもあったと思います。
しかし注力しているのは、いまやどの出版社も投げ出し気味になっている育成事業のようです。
駆け出し作家を読者とつなげ、業界の土壌を担う、儲けにはつながりにくい事業です。
運営に対する要望の表明はかまわないのですが、できれば運営の立場で考える視点も持ち、サイトを支えるユーザーになってほしいです。
・このサイトにおける議論について。
議論に関しては幼稚な人が多いので、距離は慎重に測ったほうがいいです。
個人的な好き嫌いなどの感情と、一般的な正誤などの常識を分けて考えられない人が多いです。
感性を扱う創作の議論では好き嫌いなどの主張があって当然だと思います。
むしろ感想欄でそれが抜けては筋ちがいです。
しかし礼儀を失していいわけではありません。
まして議論以前の煽り、誹謗中傷、無関係な主張などは無視や削除をしたほうがいいものです。
仮に私が応援したい主張でも、妄想を根拠に人格全否定などをしていたら、紹介は難しくなってしまいます。
他人の意見を取り入れられない人も多いです。
自己顕示、自己弁護が強すぎる自覚にとぼしく、強引なこじつけを返すばかりで議論が深まらず、交流する価値がありません。
ほとんどの場合において反対意見も全否定する必要はなく、仮に目的が撲滅だとしても、効率がいい手段にはなりにくいです。
意見が異なるだけで敵視する態度にいたっては大損だと思います。
未熟な主張でも価値が無いとは限らず、たいていは、たたいてつぶす意味のほうが見出しがたいです。
私は自分と真逆の主張であっても、価値があると思えば評価も紹介もします。
例えば私も自分が苦手な『明るく優しく素直なヒロイン』を全否定せず、そこから学べるものを探したほうが得だと考えています。
そんなわけで、個々の違いを尊重した上で議論をできる人は貴重だと思っています。
意見が合う部分、違う部分、両方に価値が生まれます。
必要なのは「厳しい意見」というより「素直な意見」で、素直は残酷にも直結しやすいだけです。
そんなわけで、私は酷評も歓迎しています。
……しかしこのサイトの利用スタイルはそれぞれで、ガチのプロ志望ではない創作初心者が圧倒的多数のような気がするので、私以外に対しては基本、甘め柔らかめが無難だと思います……私は甘め柔らかめのつもりなんですアレでも……
・このページについて。
個人的に、創作論はともかく、サイト運営に関する発言でアクセスを集めたいとは思いません。
このページの内容に同意できる部分があり、ご自身の責任で広めたいというかたがいましたら、自由に使っていただいてかまいません。
ただし運営さんが許可の有無を確認する必要がないように、コピペではなくご自身の文体に書き換えてください。
あくまで私個人がやらないだけであって、エッセイによる読者集めもありだと思っています。
目を引くタイトルや内容を考えた結果、サイト運営論、読者論、作者論を採用するのも当然の流れです。
あとは内容次第で誠実さを問われます。
なお、似た作品でエッセイランキングが埋まればタイトルや内容をより工夫する必要がありますし、独立ジャンル化という流れもあります。
個人的には「小説技法」「創作論」「小説家になろう」をテーマにした作品はもうジャンル独立していいと思っています。