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13 スコッパーの活用について


 一年ほど前から、ランキングや更新一覧を見て「また見おぼえのある作者や作品ばかり。いちいち飛ばすのめんどう。ページを進めても似た感じ。スコップる気がしない」と感じることが増えました。

 私は執筆の合間、気が向いた時だけ一気に掘る読者で、職人スコッパー様には遠いヒラ作業員です。


 クリックした作品の変色をトップや検索一覧でも出してくれると楽なのですが。

 というかブックマークの逆でブロックまでいかない「今後は非表示にするマーク(常時非公開)」を作品や作家に使いたいです。

 特に作家。なにをどう投稿するのも勝手ですが、自分にとって表示されなくていい作品が細切れに連投されて一覧やランキングをくりかえし邪魔されると、一覧そのものから離れがちになります。

 もし使えていたなら私でも月に数百回以上、毎年一万作品ほど消し続け、更新一覧がずっとゆるやかになっていたと思います。

 ……あと集計で「ポイントやアクセスに比べて非表示指定(マイナス評価)が多すぎる」作家も特定しやすくなるかもしれません。



 ユーザが百万を超えるあたりから、トップページの加速を感じました。

 2014~2015年あたりは少なくとも10分前後は連載更新が表示され、混む時間帯でなければその倍もよくありました。

 2016年ころから、混む時間帯(特に予約更新のある00分)ではまったく表示されないで飛ばされることが増え、そうでない時間帯でも10分でほぼ確実に流れます。


 スコッパーさんの中には『>>更新された連載中小説をもっと見る』をクリックして片っぱしから見る重度のかたもいると思いますが……

 作品数が倍以上になってチェックしきれないと、掘り返す意欲が減りそうな気もします。

 また、作家ユーザの厚みと質が増して、長期連載が増えたため、掘り返し中に既読の作品をたくさん飛ばさなくてはならないし、既読の量が多すぎておぼえにくくなってそうです。


 このようにスコッパーの点数が散逸しがちな傾向が進むいっぽう、ツイッター連動などもあってユーザ交流の広い作家が安定した点数を集めるようになっています。

 相対的に、スコッパーひとりの評価や紹介は、効果が下がり続けていると感じます。

 そうなると掘り出す意欲も減るという悪循環に……

 ランキング以外ではポイントが入りにくい両極化が進んでいると感じます。



 ある程度は、システム上どうしようもない流れだと思っています。

 交流遮断は不可能な上、交流のメリットも大きいです。

 仮に交流遮断が可能な魔法があったとしても、線引きは難しいです。


 ただその上で、私の好きな作家さんにも多い「交流苦手派」「そんな時間ねえ派」の不利を軽減できないものか……

 このあたりの問題で、運営の立場になって納得できる代案は思いつきませんし、今のところ見かけていません。

 運営側へなにか求めようにも内部事情などは知りませんし、このサイトの運営さんは私に考えられるようなことはたいていやってくれていると感じます。



 ここからが本題だったりします。

 上記の前提を踏まえた上で、ユーザ側で可能な対策がないかと考えていました。

「批評エッセイ」をもっと増やす手が使えそうに思えます。

 以前にも批評家ユーザの地位向上を考えていましたが、そのための具体策になりそうです。

 以下、批評作品のスタイルをいくつか考えてみました。



1 シンプルひとこと一覧


 私は「評価者一覧」の興味でユーザさんをメモしておくことがあります。

 読み専さんのポイント評価一覧やブックマーク一覧へ、あとひとことでも感想や理由や紹介などの付記を読みたいと思うことも多いです。

 ただ、それはすでに実行されていました。ツイッターで。

 ツイッターでは「~読んだ!」と共に、ユーザのひとことがあったりなかったり。

 あのひとことは、感想よりも気楽に書けそうで有用に思えました。

 つまり……

『自分のツイッター感想をまとめただけのエッセイ』を読みたいです。


 あるいはツイッターのごとく、感想や紹介、点数やその理由をごく簡単に短く書いただけのリストでも。

 自分がお気に入り登録しているユーザさんの推薦は気になります。

 ブックマークより整理されて詳しい分類や、5・5より上をつけたい作品の特記などもできます。

 百作おきや一年ごとなどで、まとめて更新するとか。

 かさばりすぎるなら十作おきとか一ヶ月おきでも。


 もちろん注意書きは念入りに……

『あくまで個人的な感想と評価を勝手にまとめた一覧です。作品紹介を望まない作者様がおりましたら、連絡をいただければすぐに削除いたします』

 ……というトラブル防止表示をつけます。



2 レビューや感想では足りない派の全力


 レビューや感想で書ききれない賞賛や解説をまとめます。

 連投や長文を避けて遠慮していた一話ごとの感想。

 自分が勝手に興奮しているだけで作者が返答に困りそうな詳細分析。

 感想欄がネタバレ不可だと書けない具体的な部分や、全体の考察。

 などなど。

 一話に一作や一作家……となると、さすがに相手作家さんの事前許可は得たほうがトラブルになりにくいと思います。

 特にネタバレ範囲やあてずっぽうの分析などは、作家さんの希望があれば掲載前に内容の確認も。



3 ガチの批評


 このサイトのレビューは言葉どおりの「批評」というより「推薦紹介」(運営解釈としてもマニュアルに記載)になっています。悪い点を書きにくいです。


 しかしステマなどの商品紹介でも「七割ほめて三割けなせ」が定番基本であるように、紹介の効果を上げるために「悪い点」はきわめて有用です。

 レビューや感想が良い点ばかりで、読んでみたら悪い部分が目立ったら「馴れ合い評価や見返りねらい?」と感じてしまいます。

 むしろレビューや感想で的確な「悪い点」の指摘もあるほうが、良い点の説得力が増し、その作品の長所にも集中しやすくなります。

 また作家の立場としては、的確な「悪い点」の指摘は的確な「良い点」の指摘と同じくらい貴重です。


 ……なので、感想欄の『悪い点』欄が今の『気になる点』に名称変更された時には「アホかっ?!」と絶叫しました……が、そうせざるをえない状況にもすぐに思い当たりました。


 作品を良くするためではなく、作者を傷つける意図で「悪い点」欄を使うユーザがいること。

 それが「割合」としては低くても「人数」としてはユーザひとりが対処するには増えすぎていること。

 そのような反応で折れやすいユーザが多いこと。

 さらには善意の指摘であってもストレスになってしまうユーザも多いこと。


 全体を見た場合に変更がまだしもマシだったのでしょう……

 とはいえ、やはり弊害として、感想一覧やレビュー一覧が読んでも参考にならない骨抜き傾向は進んだと思います。

 賛否が分かれて読者の衝突が盛り上がっている感想欄など、話題作の典型パターンだと思うのですが。

 それをサクラなしに演出できていたのに……割合や採算の問題で、しかたないのでしょう。


 そこでガチ批評エッセイです。

 事前許可をとったり、あるいは「煮るなり焼くなり」の志願者を集める形式が無難そうです。

 プロの作家や編集者の経験があれば殺到しそうですし、下読み経験者も重宝されそうです。

 ……いっそ現役編集者が実名でやってほしいですが。

 そういった肩書きがない匿名者でも、批評の内容が的確丁寧であれば、やはり人気は出ると思います。

 対象にできる作品はしぼられるかもしれませんが、信頼できる批評エッセイとしてスコップ効果を期待できるかもしれません。



 この手法の問題点について。

 もし実現してエッセイランキングに「個人の批評まとめ」が増えすぎたら……

「そんなの活動報告でやってろ」「人に見せるものではない」と感じる人も増えそうです……でも私は見たいし作品として掲載してほしい。

 そのような読者同士の利害衝突を考えた場合……

 これはどのランキングにも言えることですが、あまりに似た作品が増えて利便性が落ちた場合は、運営側が分割を考えればいいこと(ファンタジーは六分割という大手術でした)で、掲載したい作品を排除される理由にはならないと思います。

(……というか『小説家になろう』論・創作論・創作補助資料をまとめた別ジャンル化はせっつきたいですが)


 また、作品が増えれば淘汰も起きて、紹介のおもしろさ、解説の的確さ、信頼性の高さ、などのある作品が上位に残ると思います。

 返し評価ねらいでむやみに紹介しまくる恥ずかしい作品は、相対的に排除されていく……はず。



 言い換えれば、この手法こそ古参スコッパーという立場が活きると思います。

 読み専でも的確な感想を書く人は多く、ブックマーク分けやポイント評価一覧を見るだけでも丁寧なこだわりが見えることも。

 そのような読者が書いてくれた「自分にとっての今年度ジャンル別ランキング」なら「なんだか変わりばえのない公式ランキング」よりもずっと魅力的です。



 ……余談ですが、学生時代に国語の先生から「感想は独断と偏見に満ち満ちていなければ意味がない」と教わりました。

 当時は「いやそれ不公平でゆがんだ意見になるだろ」と思いましたが。

 感想やりとりを重ねるほどに、真意を実感しています。

 短さは関係なくて「素直な感想」が最もありがたいです。役に立ちます。助かります。

 感想の書き方はこのサイトのマニュアルに良いコツがまとめられていますが、個人的には数文字のひとことでも深さや良さを感じることは多いです。


 ……別の語学の先生は「私の人生で得た最も色っぽい『アイラブユー』は上目づかいの『もう、バカ』である」みたいにほざいておられました。




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