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11 類似表現や無断使用に関して


 盗作に関しては『平石~』でも書いていますが、平たくは……

『同意があれば盗みではない』

『訴えないからといって同意しているとは限らない』

『逮捕されなくても盗みは恥ずかしくて当り前』

 ……という感じです。


 以下は類似表現や無断使用の気になる話題を個別に。



気になるレベル『1』 ファンアート


 ほとんどの作者は喜ぶはずです。

 使用許可など考えず、全力で感謝するはずです。

 感謝しそこねるという意味では、知らせてほしいかたも多いかもしれません。


 しかし例外的に、特殊な思考をする人も世の中にはいます。

「作品を無断使用されたからには自分は盗作の被害者であり、相手は加害者で悪人確定」みたいな。

 相手がプロではなく、ファンも少ない場合は特に注意。

 読者数が少ない作者の場合、読者ひとりの影響が大きくなりがちです。

 そして初心者などで自分の立ち位置が見えないほど『自分は不当に低い評価を受けている』という被害妄想にはまりがちで、下手するとサイトや読者に対する逆恨みを増幅させています。

 ……なぜレベル1でここまで話が重くなった。

 あくまでごく少数の例外だと思いますが、相手作者の読者対応を少しは確認し、場合によっては事前に許可をとったほうが安全なケースもありそうです。



気になるレベル『2』 自分の作品との類似要素を見かける


 アイデアかぶりは、どこにでもありふれています。

 私自身、自分がためこんでいる作品のアイデアがかたっぱしから賞味期限ぎれを起こしているのを見続けていますから……むしろ気になるのは、気をつかわれてしまうパターンです。

 意図的でも無意識でも、対外的に「読んでなかった」で済みそうな類似なら放置でぜんぜん問題ありません。

 というか分析マニアの私は自作品の大半を既製作品の「類似点」に分解できてしまうので……たいていは問題にしようがありません。

 というか好きな作者さんが同じ要素で書いたら楽しいです。

 読者が気づいた時に気まずくなりそうな感じでも、活動報告などで許容してそうな会話を残すくらいでよいかと……「あれオレも書くんや」「さよけ。どんなん?」的な。

 ……むしろ「あのキャラと設定を使いたいので許可をください!」などと頼まれてしまうと「うれしいけど、あれは~を元ネタに~を混ぜただけやねん」みたいな懺悔展開が多そうでそれはそれで楽しみ……いえ、お手数かけてしまいそうです。



気になるレベル『3』 ファンと称しつつ原作に不利益


 売り上げなどによる厳密な線引きは難しいです。

 商業レベルの部数でも宣伝効果を歓迎するケースがありますし、アクセス一桁でも訴えて妥当な被害がありえます……犯罪者やカルト集団に利用されるとか。

 年齢制限がかかる表現などは、世間的にも被害を認められやすいでしょう。

 また、原作と異なる要素や、原作にはない要素を入れた場合、それを喜ぶ作者もいれば、不快に思う作者もいます。

 さらに作者自身には許容範囲でも、読者を気づかって止めざるをえない状況もありえます。

 ……著作権がらみは判断がケースバイケースにならざるをえない例が山盛りです。



気になるレベル『4』 盗用とその指摘


 雑学もの、時事ネタ、パロディなどでは「ほぼそのままの引用」を使うことに意味があったり、変えるほうが問題になることもあります。

 しかしその場合も「自分の作品」として引用を活かす前後や構成などを「創る」役割を十分に果たしていなければ「作家」とは呼びにくいと思います。

 そのように作家としての意義を持たない人が書いた作品には価値もないと思います。


 しかし盗作に関しては法的にも厳密な基準はありません。

 サイト運営者も対処が技術的にも実務的にも著しく困難なだけで、認めているわけではないと思います。


 個人的には……創作の初心者が模倣に近くなることには寛容になってほしいと思います。

 はた目に「似すぎで恥ずかしい」例であれば商業にもあふれていますが、その出発点から独創性と、独創性を追求する作家姿勢を育てた作家も多いです。


 もちろん、裁判でも著作権侵害が認められそうな極端な類似・引用は別です。

 特に、手抜きの手段として独創性のないつぎはぎをしている作家もどきに関しては弁護のしようがありません。

 非難という以前に、なぜそんな無意味な作業に人生を費やしてしまうのか、心配になります。


(以上は、引用の問題に関するエッセイ作品へ送った私の感想コメントの引用です……あらためて見るとなげーし怖えーよ何様だよ人様の感想一覧で。この長さになった時点でこの雑文集へ隔離しろよもうしわけありません)



 類似点一覧を解説して「よく勉強しているなあ」と賞賛したい作品があるいっぽう、類似点一覧をさらして「よく恥ずかしくないなあ」と非難したい作品もあります。

 しかしその境界の感じかたは個人差が大きく、鑑賞作品の量や幅が違うと指摘を理解されないことも多いです。


 自分の場合、小説・漫画・アニメ・映画の各時代・各ジャンルの有名作品をうっすら探っただけでも「完全なオリジナルなどは存在しがたく、わざわざそれを意図する価値も薄い」と実感しました。

(作家や業界人の発言などを収集し続ける病癖があるため、作品数よりはやや多めに影響関係を知っているかもしれません)


 しかし一般には、ファンでも好きな作品の影響元まで探る人は少数派だと思われるので、感想欄などでは類似作品を挙げにくいです。

 類似を盗作と同様に受け取ってしまう読者がいると怖いですし、作者さんすら無自覚なこともありますので。


 私自身は元ネタに気がついてもらえるとうれしくて、膨大な設定集で細かく語りたい病気のほうですが。

 編集者や創作仲間とはそのあたりを普通にさらして話していますので、そのあたりを話したいかたはメッセージでもご遠慮なく。





気になるレベル『500』 無自覚な類似


 この回の本題はここからやねん。


 いえ、ここまでの問題も小さくはありません。

 しかし……

「気がつかないでかぶっていた」

「元ネタを忘れて借用していた」

 これらの恐怖のほうが大きすぎます。


「気がつかないでかぶっていた」で言えば、自作『人喰らい、人喰らえ』に出てくる怪物の名称が当初は「人喰いの巨人」でした。

 しかし掲載直前にふと、当時アニメ化で話題だった『進撃の巨人』が気になって探り……あわてて名称変更(「巨人」を避けて「巨大怪物」など)しました。

 いくらなんでも時期や相性が悪すぎました。

 私が企画を立てた時期(サイト登録の数年前)はまだ「巨人」がモンスターとしては不人気で、人喰いの要素とは結びつかず、猛獣くらい人間ばなれしたサイズの人型(バイオハザードのタイラントとか、超人ハルクとか)として「巨人」と名づけました。

 しかし「巨人」がモンスターとして一気に再評価され、サイズ標準も恐竜なみという認識に。

 自作のモンスターが「巨人」と称しながら「猛獣サイズ」では、むしろ小さい印象を与えてしまう状況に。

 それまで重視されなかった人喰い要素とも強烈に結びついたので「人喰い巨人」という名称は個性もインパクトも壊滅していました。

 ジャンル的にもシビアなサバイバル要素で共通し、知っている読者には気にするなというほうが無理です。

『進撃の巨人』に大きな影響を与えている『寄生獣』は私も大好きで、作中のクリーチャーやドラマに影響が大きそうな点でもきついです。

 調べが寸前で間に合って助かった例です……いえ、月別ユニークアクセスで三桁どまりの作品ですが、それはそれとして。


『しあわせ恋愛革命』は企画当初に「悪役令嬢」「転生」タグの検索にかかった全作品のあらすじをチェックしました。当時で五百ほど。

 私にはまったく未知の分野で、企画設定の類似を予想できなくて怖かったので、やや過剰警戒です。

 とはいえ「ゲームキャラが人間世界に転生」という無茶な逆転発想だったので、数はないだろうと思っていましたが、万一にも酷似は避けたかったので。

 ちなみに「ゲームキャラが人間世界に転生」は存在しました。しかも複数。おそろしいサイトです。

 ただし内容は自分の作品を並べてもかぶり要素にならなそうだったので、セーフのあつかいに。

(どちらかといえば、私の作品はタグどおり「悪役令嬢」がメインであっても「このサイトの悪役令嬢もの様式」になっていない点で恐縮ですが)


「元ネタを忘れて借用していた」は……このサイトへ登録する以前から似たようなケースが無限にあり、もう自分を信用していません。

「このネタすげー! こんな独創的なの今までなかった!」

 忘れているだけだよ自分。

 ちょっと表面とか変えたから思い出せないだけだよ。

「この脚本、元ネタはアレじゃねえか……ていうか設定かぶり多すぎて恥じ死ぬ!」

 蔵書狂かつ設定魔として病状が深刻化するにつれ、元ネタ分析も速くなり、現在は「完全なオリジナル」などギャグやメルヘンの一種と思っています。

 手抜きの盗用は論外として、元ネタと比べられても恥ずかしくない消化をしているかどうかを基準に自他の独創性などを評価しています。


 ……でもいまだにウッカリがあるんや。

「これはさすがに元ネタがわからない。もしや自分の発明?」と期待してしまったアイデアが、かなり時間が経ってから、ふとしたきっかけで影響元に気がついて赤面とか。

 最近では『迷宮地獄~』セリハムのとんちきなマイペースにトフス・ビフス(『ムーミン』アニメ新旧、原作小説、原作漫画とも読んでいます)の影響が混じっていると気がついて驚きました。


 ……ど~しようもないんや。

 どうしても、事前に調べきれない部分は多いです。

 しかし偶然の一致であれ、潜在記憶の無自覚であれ、わずかでも全体を台無しにしかねない類似はけっこうありうるので、怖すぎます。お願いします。どなたかお気づきのやばい点がございましたら、どうかご指摘くださいませええええ!!

 ……という懇願がこの稿の主旨でございました。



 とりあえず作品名と主要人物名あたりは掲載前に検索しておくと安全です。

 主要人物がうっかりエロゲーキャラや芸能人や犯罪者と同姓同名だとめんどうです。


 大まかに効果的な対策は、常に自分の作風をつきつめることだと思います。

 なにをどう吸収しても、その作家、その作品に最適な変更を加える習性があれば、類似要素が大きそうでも「別のよさ」つまりは独創性になりやすく、少なくとも被害の軽減になりやすいです。

 ……しかし必ずしもそうならないのが怖いところ。


 興味が薄い部分などは特に、無意識に吸収元をそのまま使いがちです。

 女性の作品はシステムや理論の安直な転用が目立ちがち。

 男性の作品はファッションや心情描写の安直な転用が目立ちがち。

 ……しかし得意分野のつもりでもやらかしかねないのが怖いところ。





 ご指摘くださいませええええええ!!





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