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罪工場ドキドキパニック

作者: たぼ

 工場見学にお越しの皆様、今日はよろしくお願いします。私、案内係の×××××と申します。この度は、この株式会社×××××の工場に来て頂きまして、誠にありがとうございます。この×××××社は――


(以下、長々としたつまらない挨拶が続くので中略)


 ――と言うわけで、それでは工場見学を開始いたしましょう。

 この工場では罪を製造しております。

 お客様のニーズに合わせて、良質で信頼できる多種多様な罪を、工員一同、力を合わせて日夜製造しているのです。

 皆様、右手をご覧下さーい。あっちが第一ラインですね。

 第一ラインでは、罪悪感を製造しています。

 罪における最も重要な要素である罪悪感、それをあそこで作っているんです。ベルトコンベアーに運ばれた罪もない×××××を、繊細な心を持った工員のお姉さんが涙を流しながら×××××しているでしょう。

 そうすることで新鮮な、心が潰れてしまうような罪悪感が生まれます。そうして、生まれたての罪悪感は、そのままベルトコンベアーに運ばれて、梱包のお兄さんが検品して箱詰めし、そのままパレットに載せて小売りに出荷されるんですね。

 こうして、罪悪感は皆様のもとに届けられる訳です。

 で、ここに新鮮な罪悪感があります。

 どなたか試してみませんか?


(母と娘の親子連れがヒソヒソと話し始める)

「おかあさん。わたし、試して見たい」

「駄目よ。×××××にはまだ早いわ」

「そんな事ないわ。もう、大人よ。ピーマンだって食べれるもの」

「そんな事を言ううちはまだ子どもよ。でも、そうねぇ、何事も経験よね。じゃあ、ちょっと試させて貰いなさい」

「はーい。お姉さん、私、試して見る!」


 はい、どうぞ!


(罪悪感を渡された少女は、最初こそにこやかにしていたが、やがて髪を掻き毟り、叫びながら工場の外に走って行ってしまった。それに驚いた母親も後を追うも、無我夢中で走る少女には追いつけず、途中でへたり込む。発狂した少女は車の往来が激しい国道に出て、車に跳ねられて、もがき苦しんで×××××んだ。絶望した母親も、その後、首を括って後追い×××××をした。)


 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!


 や、失礼。

 流石は我が社の製造した罪悪感ですね。とても強烈な効能です。ただ、小さなお子様には少し刺激が強すぎようですね。今度から、注意書きにお子様への仕様はご注意くださいと書いておきましょう。


(一部の見学者達から、薄気味悪い渇いた笑いが上がる。)


 まあ、過ぎたことは仕方がありませんので、次のラインを見学しに向かいましょう。

 皆様、右手をご覧下さーい。

 第二ラインでは殺人罪を製造しています。

 はい、実はさっきのとやってる事は大差はないんですねぇ。ただ、対象が×××××から、大人の人間に代わっているだけで。

 ぶっちゃけて言えば、他のラインの大半も、ここと大差が無かったりします。なぜなら、罪は人に対して犯すものが大半で、そうなると大抵はラインに運ばれてきた人間を――ってなりますから。犬猫を×××××しても、罪にはなりませんからね。


(一部の見学者が、異常に興奮して抗議をする。動物を殺すのは罪だと叫ぶ。)


 ああ、動物愛護法? アレは人間による『俺が不快だからやめろ』とか『ペットに関する様々な権利と義務』に関する法律ですよ。あくまで人間本意の法律です。そもそも人間に飼われているだけで、動物にとっては虐待以外の何物でも無いでしょう。

 私は動物に愛されている?

 まるで、奴隷農場の主人みたいな言いぐさですね。

 ま、脱線したので話を戻しますと、実際、時代の流れです。

 何でもオートメーション化の時代なんです。そうなると、基本の行程は代わらないで、材料に対してする事が違うだけみたいな、そんな無味乾燥な事になるんです。

 昔は、それぞれ違ったんですけどねぇ。

 そういう訳で少し巻いていきましょう。

 それとも、お試ししたい方はおりますか?

 いない?

 それは残念。


(そうして見学者は工場内を連れ回される。見る光景は人間が×××××される場面や、×××××されるところ、あるいは×××××されて×××××してしまう場面などだ。それを見て三十人の見学者のうち、二人の見学者が精神に不調をきたして自殺して、三人の見学者が残酷な光景を見て心臓発作を起こし、九人の見学者がおぞましいものを見たショックで狂乱し、暴れ出したので警備員に×××××された。残り半分の見学者は、嬉々として工場見学を続け、その半分うち、一人は強姦罪を試して警察に身柄を拘束され、一人は強盗罪を試して工場から逃走し、一人はガイドに対して強制わいせつ罪を試して、その場で×××××された。残りの見学者は十三人となった。)


 はい、それでは残った皆様、私にちゅうもーく。

 いやー、しぶといですねー。


(残された見学者達。薄気味悪い渇いた笑いをする。)


 いや、実際、こんなに大人数が残るなんて思ってもなかったです。世の中、なかなかどうして人でなしに溢れています。

 この人でなし!


(見学者達。薄気味悪い渇いた笑いを繰り返す。)


 ともあれ、これで工場見学は終わりです。

 ですが、最後にビックサプライズ!

 最期に皆さんには工場体験をして頂きます。実際に罪が製造される現場を、じっくり味わっていってください。


(少しのざわめき。だが、それより強い期待するような邪悪な笑い。彼らは明らかに期待をしていた。工場における罪の生産工程。それを自ら実行できるのではないかと。罪を負わず、残虐な行為が出来るのではないかと。だが、彼らの期待は裏切られる。)


 それでは皆さん、こちらのベルトコンベアーの上に乗っかって、実際に罪になってみましょう。


(小さなざわめきから大きなざわめきへ。話が違うという叫び。悲しげな悲鳴。やがて、見学者達は工員にベルトコンベアーに追い立てられ、材料として運ばれてゆく。悲鳴が絶叫に変化するも、ガイドの哄笑によって彼らの断末魔は打ち消される。)


 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!


 お前らクズ共が工員の代わりなんて出来るわけねぇだろ、このバーカ! おっと失礼。地が出てしまいました。

 それにしても、労働は楽しいですねぇ!

 特に自分は特別だと思い込んでいるゲスが悲鳴を上げている無様な姿は一服の清涼剤ですよ!

 そもそもね、この工場に入ったモノは絶対に生きては返しません!

 別に貴方達がゲスであるとか、そういう事は一切関係無しに、ただただ私達は罪を作るだけですから! 人間なんてみんな罪の材料なんですよ!


 え。


 ちょ、ちょっと待ってください。

 なんで、私がベルトコンベアーに載せられているんですか!?

 お、おかしいです。私はガイドで、特別な存在であるのに、罪の材料となるのはクズ共でしょう! それなのに――


 どうして!?


(ガイドは泣き喚いていたが、やがてベルトコンベアーで第三ラインに運ばれていた。そこで×××××をされた挙げ句、×××××されるのを繰り返して×××××を何度も孕ませられ、最期には×××××れた。彼女を材料にして作られた罪は、大量の罪悪感と強姦殺人罪だった。)



(実際、ガイドの言う事は正しい。罪作りは楽し。楽し。)


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