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平凡男と危険すぎて抹消されたアクマ  作者: 折れた筆
第四章 レヴィアタンの依頼編
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バトルロイヤル開幕

「さー、いよいよやってきました。

 もってけ伝説・智欲の大罪お披露目バトルロイヤル。

 実況はアタシ、傲慢の大罪ことルシファー、」

「解説はわたし、嫉妬の大罪レヴィアタンでお送りいたします。

 特別ゲストにはこちら。智欲の大罪のマスターさんをお迎えしております」

「ど、どうも。恐縮です」


 護衛込みですっかり特別ゲストに仕立て上げられた今日この頃。

 実況席から見た闘技場は、およそ半径500メートル、直径1キロの八角形で構成、建築されているようだ。

 観客席は見渡す限りびっしり埋め尽くされており、東西南北にひとつずつの形で計四つもの巨大スクリーンが設置されている。

 手に白い紙をもってる客もちらほら見えるので、ギャンブル目的で入場してるのも多数いるのだろう。

 …例のトトカルチョか?

 肝心の舞台は全面鉄板張りされているのだが、十字に線が走っているように見える。

 もしかして、これは…?


「さあみなさんお待ちかね、本日の舞台はこれだぁ!」


 ――ゴゴゴゴゴゴゴ。


「中央に武舞台、四方南に噴出火山岩塔、西に豪風ビルディング。

 北に浮遊水球儀、東に電波塔雷撃地獄の火風水雷混合ステージだっ!!」


 思ったとおりこの手の仕組みか。

 鉄板の下からせり上がってきたステージに観客が沸きあがる。


「…金かかってんなー」

「運営は各神話からの寄付により成り立っております」

「さー、選手の紹介にまいりましょう。

 火山ステージを見よ!

 とりあえず燃やしとけ。天使一の不良『神の炎ウリエル』ッ!」


 吹き上がる溶岩の中から赤髪の天使が現れる。

 彼の天使はこちら、解説席に向かって「ビッ」と親指を下に向けて挑発してみせた。


「続いて対面、水球ステージ!

 Hey hey come on!

 みんな大好き高経験値レアモンスター。『メタルスライム』ぅっ!」


 ルシファー筆頭に観客が沸くこと沸くこと。

 骨の髄まで冒険世界なんだな、おい。

 レヴィアタンのやつもひそかにテンション上げてるし。

 水球儀につながる用水路から白銀色の液体が流されるが…、

 いきなりステージを飛び出して逃げ出したな。


「『しかし逃げられなかった』状態だからだいじょうぶ。探せば必ずどこかにいる」


 とか言いながらしっかり一点をロックオンしてないか、こいつ?

 なにもこんなところで自慢のストーキング能力をお披露目せんでもいいだろうに。


「レヴィアタンのストーキング能力によると、今は雷地獄のほうに潜伏してるらしいな」

「ちょっと。人の能力勝手に使わないで」


 試しにバラしてみたのだが、意外と観客、大量に釣れたらしい。

 各地で「いたっ」「あそこだっ」などと声が上がる。

 つくづく冒険者の業を思い知らされるな。

 そのうち絶滅するんじゃないか? メタルスライム。


「同じく水球ステージ、みんな大嫌い卑猥な肉塊。

 クトゥルー神話代表、『ウボ・サスラ』ッ!」

「すべての生命の根源。原初の肉塊。

 見ての通り、手も足も臓器もない巨大な不定形の肉塊。

 触手がとても不評なのでSAN値には十分気をつけて」


 さっきの沸きはどこへやら。

 こっちはむしろ悲鳴やらブーイングやらの雨あられ。

 ………俺もコメントは控えよう。たぶんアンノウンのヤツが瞬殺するだろう。


「電波塔ステージ!

 ドイツ・イギリスからの伝承竜『リンドドレイク』ッ!」


 高圧放電が絶え間なく行きかうステージの中央が穴をあけて口を開き、ステージのときと同様に、体長五メートルのドラゴンを闘いの場にせり上げる。

 呼び出されたリンドドレイクは無数の雷撃を浴びながらもものともせず、一声戦場を揺るがす雄叫びを吼え上げた。


「そして豪風ステージにはこの二匹。

 中国伝承出身、西の四聖獣『白虎』っ!

 そして三度の飯より楽しいことが大好物。

 インド、中国、北朝鮮と枠を持ち、今回は日本妖怪代表で参戦。

 祭りとあらば絶対にしゃしゃりでてくる迷惑狐、『九尾の大妖狐玉藻の前』っ!」


 それぞれ違うビルの屋上に転移してくる白虎とタマモ。

 ヤツは荒れ狂う風を物ともせず仁王立ちでステージを見渡していたのだが、中身が雫ちゃんに切り替わったのか袴を押さえて赤面しだした。


「さあ、いよいよ最後。中央武舞台上空を見よ!

 見た目は幼女。しかして最強。

 穢れた欲望と歴史の闇に抹消された、神殺しの名を持つ伝説のアクマ。

 人呼んで…『智欲の大罪・アンノウン』ッッ!!」


 天指すルシファーの紹介にキラリと星がひとつ瞬き、そこからブースターを噴かせたアンノウンが落ちてくる。

 身体はすでに戦闘モード。

 毎度の経文ワンピに本型ブースターが四基。

 緑色の髪に樹木の角を二本と軽く尖った耳を持ったアクマとしての姿だ。

 武舞台中央に降り立ち、ホバリングしたアンノウンはそのままブースターを180度開放、紙片の波紋、いやむしろ波濤はとうの勢いで二度、三度とフィールド全域に己の紙片を烈風とともに撒き散らす。

 最後には螺旋の塔を立ち昇らせて紙ふぶきを演出してみせた。

 観客受けはいいみたいだが…どう見ても『仕込み』じゃねぇのか、アレ?

 あ、Overcallは一応封じられてるのか。

 とはいえ、今までが今までだけにスッキリしないな。

 どうにかして使ってくるんじゃないか?

 顔色伺うにルシファーも同様の感想みたいだし。


「以上七名。さあ、参加者のみなみなさま、準備はよろしいか!?」

「いざ開戦の狼煙のろしを上げる。

 五秒前…三、二、一…主砲、発射。てぇぇぇぇぇ!!」


 レヴィアタンの合図? を受けて開幕の花火が打ち上がる。

 戦端は三度みたび開かれた。

ひさびさに評価をいただいたようですので、

御礼代わりに27日にもう一本出せるように調整しておきます。

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