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平凡男と危険すぎて抹消されたアクマ  作者: 折れた筆
第三章 九尾巫女の厄日編
44/83

番外編 レヴィの危険なナースコール

 毎度おなじみ、特に読む必要はない番外編第三弾。

 今回の主役は諜報活動担当の嫉妬の大罪、レヴィアタン。

 彼女はただいまナース服に身を包み、深夜の病棟に紛れ込んでおります。


「みなさんこんばんわ。レヴィアタンです。

 呼ぶときはレヴィでもレヴィアタンでもかまわないけど、ひらがなで『たん』だけは許可しないからそのつもりでよろしく」


 彼女はストーカー特性を標準装備しているため、堂々としていればだれにも見咎められない。だれも特に気にしない。

 目的地は、ここ。ただいまアンノウンのゲイ・ボルグに心臓刺されて入院中のラファエルさんの個室であります。


「と、いうわけで、やっほー、ラファエル。まだ生きてる?」

「…Zzz…」


 寝てますね。ちなみにラファエルさんは二十歳ぐらいに見えるおねーさんです。


「元気でなにより。お見舞いに点滴にガソリン打っとくね」

「いやいや! 死にますからそれ!!」

「あ、起きた?」

「起きた? じゃありません! 永眠させる気ですか、あなた!」


 少なくとも、発覚したら医療ミスじゃ済まないだろうねー。


「まあ、その辺は割りとどーでもいいし」

「――どっ!?」


 そんなわけで、今回は情報通なお二人にきわどいネタバレ話をしていただこうか、という主旨です。


「拒否ったらガソリン打つから。よろしく」

「は、白衣の悪魔…」


Q.智欲の大罪のマスターについて、可能な限り教えて。

「謎の凡人。実は神に加護られてるんじゃないかと推測してる。

 あの人の名前、なんど知人にたずねても聞き取れなかった。

 ラファエルは名前知ってる?」

「…いえ。こちらも似たような状況です。

 おそらくトップシークレット扱いを受けているのではないでしょうか?

 語りたくても語れないのではないかと思っています。ルール的に」

「ああ、これ?」


/「アタシ、一応本名は『ルーシー』っていうのよ。バラしたくなかったけど。

 ムカつくからついでに教えてやるわ。ミカエルが『ミハエル』で、ウリエルが『ウルフ』、レヴィは『瑠美』、アスモが『明日奈』よ」

/「精神波長が合う人間は、その名前や呼び音も似通ったところが出てくるようです。

 ミカエルがいい例ですね。

 常日頃から『ミカエル』に近い名を呼ばれ続けて生きてきたわけです」


「やっぱりそう思う?」

「他に考えられないですよ。

『智欲の大罪の本名がモロバレする名前』だとしか考えられません」


※ネタバレ情報・マスターの名前が出せない理由。

 物語の根幹に関わっていた制約ルール。

 第38部段階でピンときた人、正解です。


「同意する。智欲の大罪の『アンノウン』は仮の名前。

 本名を推測できる材料は、マスターが日本人であることと、神の邪魔が入ること。

 つまり『マスターは漢字で書ける名前』で『智欲の大罪の本名は神にとって都合が悪い』が条件だと推測される」

「主を悪く言ってほしくはないのですが」

番外編ここでそのルールは通用しない。文句あるならガソリン。

 とにかく情報が足りない。ヒントはどこかにあるのかもしれないけど、検索条件がわかってない状況ではどうしようもない」

「確定は難しいでしょう。

 もしかしたら『鍵は智欲の大罪自身が握っている』のかもしれませんね」


「あとは智欲の大罪召還時の推測。

 だけどこれもネタバレは無理だと思う。

 極論智欲の大罪がイレギュラーを起こしたのかマスターがイレギュラーを起こしたのか、可能性半々で確定できない」

「マスターが凡人なのか、異常なのか、判別にはいたりませんね。

 まあ、お題通り『可能な限り』答えたのでよしとしましょう。

 ですが最後には答えを探り当ててみせましょう。

 ええ、情報班の誇りにかけて」

「ん」


Q.なんかネタバレ情報ないの?

「はぁ。アバウトすぎですね。

 …こちらの知るかぎりですが、第三章開始当初、智欲の大罪に復讐心を燃やした作者が執筆しましたところ、各所で傲慢の大罪や九尾の説明セリフを横取りして、大変ウザい感じに仕上がっていたそうです」

「『こいつはマズイ』って感じで頭冷やして、今の状態に落ち着いたらしい。

 もっとも、その代償としてモチベーション大幅ダウンしたようだけど」

「いい迷惑ですね、ほんと。いじられるこっちの身にもなってほしいですよ。

 ただでさえ出番少ないのに…」

「ガブリエルよりマシだと思う。うちもベルゼブブとかアスモデウスとかも

 出番ほとんどないし。…まあ、ベルフェゴールはむしろ喜んでたけど」

怠惰の大罪(ひきこもり)と一緒にしないでください。さすがに不愉快です」

「ま。それはそれとして、ルシファー・サタンの同一人物説について、この物語限定の関係者達(ルール)を基にして考えてみたらしい。

 ちなみにその説明は美味しい役どころだと判断。

 次章でわたしがぶんどっといた」


 ビッと親指立ててサムズアップするレヴィアタン。


「自分だけちゃっかりと…」

「ほかには作者の大罪認定条件なんてどうかな?

 わかりやすく要約するとこんな感じなんだけど」


『核兵器を筆頭として、化学兵器に細菌兵器にと爆発的に戦争に貢献する知識欲求は、

 大罪に足るものである。○か×か?』

『現代においても完全にはなくならない戦争。その根源である勝利欲求は、

 大罪に足るものである。○か×か?』


「大罪さん探そうと思ったら世界に聞け、と。

 ぶっちゃけ世界をハデに騒がせてる欲望なら大罪に採用。そんな感じ」

「天使から見ればとんだ迷惑ですよ、まったく。

 …まさかもう一柱増えるとか言い出さないでしょうね?」

「どうだろう? なんか既存の有力悪魔にアタリをつけてるらしいことは

 知ってるけど」

「第三章は下準備だとでも言うつもりですかね?

 こちらはウリエルしかまともに動けない状態だというのに…」


 ラファエルさんは心臓風穴、ミカエルくんは動き回ってますけど、一応上下まっぷたつ中で完治はしておりません。

 後方支援が得意分野のガブリエルさんは、両者の治療で手一杯。

 このまま名前だけの存在となってしまいそうな勢いです。

 影ではすっごくがんばっているというのに。


「うっ、意識したら急に痛みが。…いた、いたたたた」


 胸を押さえて苦しみだすラファエルおねーさん。


「だいじょうぶ。こんなときは落ち着いてナースコールを――(ばきっ!)

 …あ。。」


 ………破壊しますた。


「……じゃ。そーゆーことで」


 片手を上げて即回れ右。撤退するレヴィアタン。


「――ちょ、待ち痛ッ!」

「傷に障るとよくないしね。ラファエル、おだいじに」

「…もう十分すぎるほど、障ってますから! い、痛たたた」

「先生。501号室のラファエルさん。急変です」

「せめて部屋の番号、嘘つかないで…ぅ」


 冗談抜きに死にかけるラファエルさん。


「あ。すっかり忘れてた。これ、お見舞いのプリン。

 生きてたらあとで食べて」

「あ、あなたねぇ…いいわ。絶対あとで覚えておきなさい」


 用は済んだとばかりにさっさと立ち去るレヴィアタン。


 その後、ラファエルはナースコールの電源が切れたことを不審に思った看護師さん(レヴィアタンと違って本物)に無事発見され、一命を取り留めたらしい。

 両者の間にだれにも語られぬ因縁をひとつ増やして…。

11月24日に第三章完結、及び次章構築期間に突入。

再開は12月予定です。

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