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平凡男と危険すぎて抹消されたアクマ  作者: 折れた筆
第二章 ミカエル暗躍編
32/83

番外編 教えてるしふぁー先生

 ここはとある教室。


「やっほー♪ 『傲慢の大罪』ルシファー先生、華麗に降臨――って、

 なんじゃこりゃーーーーー!?」


 腰まで届く長い金髪を一くくりにし、縁の黒いメガネをかけさせられ、人差し指を伸ばした形の指し棒を持たされたルシファーが、持たされた台本を床におもいっきり叩き付ける。

 ここは本編とはまったく無関係の特殊番外。

 繋がりこそ薄いが、以前と同様、語る必要も読む必要もまったくない世界である。


「必要ないならこんなもん書くな、アホ作者!

 てか、アタシになにやらせてくれてんのよ、このボケェ」


 猛り狂うルシファー。

 仕方ない。先生、お願いします。

 応じて「ガラリ」と教室の扉を開けて飛び込んでくる、黄色い帽子にランドセル背負ったアンノウン。


「call」


 ランドセルから生えた鋼鉄の腕、その手に持つのはいつかのパイルバンカー。

 暴れるルシファーの腹に下から炸薬仕込みの鉄杭が、彼女のミゾオチに抉り込むように一撃ぶちかます。

「げふ」と一声、キレイに吹っ飛んでいくルシファー。


「またつまらぬモノを打った。…どうも、進行補佐のアンノウンです」


 ここは、ぶっちゃけただのノリで書いたネタバレ話の世界である。

 ついでに「出番寄越せ出番寄越せ」って、戦争処理をいろいろと考えている横で、しつこく頭に居座って邪魔してきたのはルシファーの方。

 落としどころとしてはこの辺が妥当だろうと思うので苦情は却下。

 と、いうわけでさっそくQuestionです。


Q.アンノウンはウリエル戦で一体なにをしたの?

「(覚えてなさいよこのボケ)…仕方ないわね、やったげるわよ」


 アンノウンのツッコミから復帰したルシファーが、ボロボロの様相で、しかしさしたるダメージもなく教壇につく。


「いいこと? とりあえずよっく思い出してごらんなさいな。

 そもそもおチビは、ウリエルとの戦闘前に対火属性に思考を切り替えてるわ。

 それに、おチビは以前に自分の弱点をリストに洗い出して対応策もちゃんと考えていたのよ。てか、そこで思考停止して対策考えないよーなバカはありえないでしょ。

 これがまず大前提。

 それと、あの時おチビがウリエルの体に爆弾仕掛けてたのはもう知ってるのよね?

 そこから逆算して考えると大体見えてくるわ。

 それと、なんだかんだでウリエルはスタミナ過多の体力バカよ。

 核の対処に相当体力削られてたとしても、十分少々で体力50%はないわね」

「わかりにくいですよ。もっと要約してください」

「…っさいわね。つまり、無為に燃やされてるよーに見えたブースターからの放出紙片、あれが『仕込み』だったってわけよ。

 ウリエルの炎から身を守ってた不可視の紙片、どうも熱量が通ってなかったらしいし、たぶん受けたエネルギーを吸収するタイプでしょ?」

「はい、正解です。アレは『ウリエルの炎を吸収し、私の炎として再変換する』という代物でした。だから一見、普通に燃えてるだけでなんの変化も見受けられなかったわけです」

「アンタもとんだサマ(イカサマ)を打ったもんね。

 …ブースターの紙片と合わせて、あの空域一帯がおチビの腹の中に変えられてたわけよ。

 フィールドは火属性でうっかり居心地いいけど、支配権はまるごとおチビの手の中。

 気付かないうちに調子に乗って、気付いた時にはあのとおり手遅れだったってわけ」


Q.戦争中、天使がバタバタ死んでたけど、その扱いはどうなってるの?

「あー、気にしない気にしない。

 天使も悪魔も概念的に不死ってことになってるから。

 仮にこの物語で死んでも、どっか他の物語でちゃっかり生きてるわ。

 基本的に天使も悪魔もゴキブリ以上にしぶといって思っておけば正解よ。

 ラファエルも心臓ぶっ刺されたけど生きてるしね。

 とはいえ、例外もあるわ。このおチビはこの物語にしか存在してないから、もしも死んだらそれが『確定』しちゃうわけ。

 このお話で唯一死ぬ可能性があるのが智欲の大罪だって言い換えてもいいわね」


Q.ウリエルは最終的にどうなったの?

「ほっときなさい。以上」


Q.…。ミカエルは最終的に

「うっさい黙れ」


Q.……。マスターの発掘時に起

 ジャカリ、ジャカジャカ♪ ガッキン、ドズン♪

(アンノウンがフル武装(アーマー)化)


Q.………。覇奪の大罪って一体なんだったの?

「解説は基本的にミカエルの説明通りよ。

 イメージとしては、肉体をバラバラにして魂を聖剣に封印したって感じかしら。

 一応剣の中で生きてるみたい。もしかしたらそのうち喋るかもね」


Q.智欲の大罪って「著作権保護法」と相性最悪じゃない?

「でしょうねー。

 一応言っとくと、智欲の大罪は著作権法よりはるかに上位な存在なのよ。

 なにせすべての知識の総括者なわけだしね。

 ぶっちゃけ神さまに人間の法を守らせてるようなもんよ。

 だからたまに調子に乗ってヤバいことやってんのよね、このおチビ」

「失敬ですよ。手加減ぐらい心得てます」

「…はぁ。どの口が言うのやら」


Q.フラグとかはどうなっているの?

「正直あのバカ作者、フラグ管理とかは重要なところ以外、ほとんどまったくしてないらしいわよ。

 なんでも昔どっかで聴いたらしい、手品師のタネの仕込み方を流用してるっぽくて、目に見えるのも見えないのも関係なく、思いついたら即、仕込めるところにしこたま仕込んでるらしいわ。

 んで、後でてきとーに起動する、と。

 わざわざ本型に設定したあのブースターもその一つなんですって」

「バーナー攻撃も隠し技のひとつですね。

 その気になればシャフトから外してラジコンビットにもできますよ。

 まあ、壊されるのイヤですからやりませんけど」


Q.アンノウンはどこまでチートな存在なの?

「アタシにそれを語らせるか…少なくともあのボケ作者の認識では、スペックの30%も引き出せてないみたいよ。

 100パー引き出そうと思ったらどんだけ幅広い知識が要求されるかまったくわからないんだって。

 あと、戦闘能力のチートに関しては、なんでも『編纂call』と『install』の合わせ技で、数種類の宝具を合成してのける『術式オルトロス』とか『ケルベロス』ってのがあったらしいわ。

 具体的な例としては、ゲイ・ボルグ、ジャルグ、ボゥの三魔槍を合成して、『致命必中』と『魔術無効』と『治癒不可』の三叉槍を生み出す構想があったみたい。

 事件とかにおいては被害者の人生情報を『call』して、一発で犯人を特定してのけるサスペンスキラーの能力もあったらしいし、ほんと、とんでもないヤツよね。

 少なくともうちのバカ作者、このおチビに『作者Lvを試されてる』感がハンパないそうよ。

 ぶっちゃけ駄作化してるんじゃないかって疑心暗鬼になってるわね。あの小心者」

「いまさら私の能力特性に文句言われても困りますよ。

 さすがにどうにもなりませんから。

 あと、できればもうちょっとうまく扱ってほしいものですね。

 それとも知識の総括者(わたし)を使いこなすのは人間には無理があるのでしょうか?」

「んなの作者がマヌケなだけよ。あのアホンダラ、例の『俺たちの冒険はこれからだ』ってやつで打ち切る気満々で最終話書いてんだから。

 アイツ、コロシテイイカシラ?」

「いいんじゃないでしょうか。私も協力しましょう」


 …そこ、結託しないよーに。



「さて、とりあえずこんなところかしらね」

「残すところ、第二章ミカエル暗躍編、最終話のみとなりますね。

 とりあえずこの後、三十分後に手入れが終わるようにする予定だそうです」

「そうねー。と、ゆーわけでおチビ、アタシ、今のうちに月での借りを返しておきたいんだけど?」

「上等です、ルシファー。

 私もマスターに余計なことをバラしてくれた借りを返そうと思っていました」


 教師姿のルシファーと小学生なアンノウンの間に火花が散る。

 取っ組み合いの喧嘩を始めた二人はとりあえず放置。

 以上。特別番外編・教えてるしふぁー先生をお送りいたしました。

最終21:30予定。

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