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第四話 

レッドオーガとの対決との翌日


朝起きると1階の食堂には本を読んでいるジョンが座っていた。


「おはよう、トラ」


「おはようジョン、何読んでるんだ?」


俺はジョンの正面の椅子に座ると直ぐに朝食が配られた。この宿っていうかどこの宿でも朝食は全部決まったものしか出されないのだった。


「ああ、将来は騎士になりたいから勉強してるんだ。それでトラは今日、装備を買ったらどうするんだ?」


「ん?昨日の結果を考えて自己鍛錬かな?魔物相手ではないけど体を動かして動きの確認をしたいんだ」


俺は朝食を掻き込むように飲み込んだ。早飯早クソ居眠りはサラリーマンの必須項目です。


「ごちそうさま、それじゃあ行ってくる」


「ああ、いってらっしゃい」


席を立つと武器屋へ向かった。…ログ?あのアル中なら部屋で2日酔いじゃないのかな?それに、帰ってきたときは迎え酒の飲み過ぎで潰れているに違いない。


武器屋でショートソードと今までと同じ革の鎧を買い装備を整えると街の外へ向かった。


南門から出て森へ向かう。俺は昨日の自分の不甲斐無さに怒りを覚えていた。この14歳の体では思うように動かなかったからだ。


レッドオーガの蹴りも見えてはいたし、認識もしていた。しかし体が言うことを聞かなかったんだ。


ならば、どうするか?答えは簡単、訓練です。自分の体が思うように動くまで鍛えるのです。思うように動かない体はいりません。


とりあえず腕立て腹筋を100回ずつ行いますか?







ゴメンなさい。50回あたりで痙攣し始めました。そうか!いつもは運動前にプロテインを飲んでたからな!きっと調子が出なかったんだ!


ここは異世界、プロテインは無い!ならば、俺が作ればいいんだ!!きっとこれは神が俺に与えた使命なんだ!人類総筋肉計画!!これで勝てる!!!


「そんな訳ないじゃない!」


後頭部を叩かれました。振り向くとボインで緑の発行体のD-ヴァニスがいた。って、こんな目立つモノここにいていいんのか?


「そこは大丈夫よ。私の姿はあなたにしか見えないから」


「それは良かった。…なあ、一つ言っていいか?」


「何よ?急に改まって?」


「なぜ俺の考えが読める?」


「簡単よ。貴方の体は私が準備したのよ?試行を読むなんて朝飯前よ?」


そうですか、俺にプライバシーは無いんですね?


「そうね、概念は理解できるけど見たことはないわ」


うわっ、言いきったよ。


「そりゃ神様だからね。あ、こんなことを言いに来たんじゃないの。あなたの魔力の使い方がお粗末過ぎて教えに来たのよ。もう、あなたと話してると目的忘れちゃうわ」


そりゃすみませんね。


「今の貴方は0か100かしか使ってないのよ?それに所々漏れてたし…。やっぱり…それを扱うには特訓が一番ね!」


何となく納得できないけど、やるしかないのか…


「わかりましたよ」


「そこは『ハイッ!コーチ!!』でしょ?」


「…はい、こ~ち…」


何を言わすんだ?この女…





俺の特訓は長く険しいものだった。


―――そうじゃないでしょ!こうよ!!


――――――ハイ!コーチ!!




―――この場合は、こうやるのよ!


――――――ハイ!コーチ!!




―――そう、やれば出来るわね!次の段階よ!!


――――――ハイ!コーチ!!




―――これで訓練は終わりよ!!これで貴方は一流のバレーボールの選手だわ!!


―――――ありがとうございます!!コーチ??




お、恐ろしい…この人マジで洒落にならんぞ…。魔力の引き出し方の訓練をしていると思ったらいつの間にかバレーボールの訓練してるとは!!


「私、アタックN○1好きだったのよ」


…これが乙女力か…禁忌たる腐女の力とは違う聖なる力…


「そんな訳ないじゃない。あれでも訓練なのよ?さ、魔力を50%だけ使ってみなさい?」


大人しくしていればこの女早く帰るんじゃないの?という思考の元から目を瞑り1%の力と念じた。


すると、体に力がわき上がった。この昨日の比じゃないほど力が湧き出る!!


俺が軽く動くだけで世界が止まるように感じた。軽くジャンプするだけで10メートルは飛べた。それに、何もない空中を蹴ると2段跳びも出来た!


これなら!!これなら!!あの日見たプロレスラーの動きも再現できるかもしてない!


俺は空中にいながらも、地面に向かって側転した。人が空中で地面に向かって急加速するその姿!まさしく『地獄の墓掘り人形 ヨシヒコ』の得意とする六次元殺法だ!


「…凄いわね。それ…」


「ありがとう!ヴァニス!俺の夢が一つ叶ったよ!」


俺はヴァニスの右手と俺の左手で握手をして腕を振った!


「?おかしいわね?普通なら同じ手で握手をするわよね?」


そういってヴァニスは握られている手を見た。


「――――!!!!」


声にならない叫びとはこの事だろう…俺の左手の全ての関節が反対側に曲がっていたのだ!これも『オランダ・バットアス ヨシヒコ』の得意技!人知を超えた間接使用のダブルジョイントだ!


ヴァニスは俺の手を振り払うと少しだけ俺との距離を開けた。冗談の判らないやつだな。揉むぞ?


「コホン…そ、それで貴方の力で言うと80%を超えると大きくなるからね?」


俺は少しずつ魔力を上げた。20%…30%…一気に79%…ここまでは変身しない。そして80%!


俺の視線は高くなり自分の姿が青年体になったことは理解できた。


「なるほど…これが俺の力か…」


「まあね。上位世界から来ると大抵こんなモノよ?まあ、今後この姿を見る必要も無くなるわね。あんなに凄い力を垂れ流してたら世界が崩れちゃうわよ?」


…俺はどこの有害工業廃水ですか…


「これで貴方は大丈夫そうね?後はがんばってね?私たちはいつも見てるから…」


層いうとヴァニスの姿が少しずつ消えて行った。


「待てよ!まだ聞きたい事が!私たちってなんだよ!!」


「あ――!タイガー様!!」


声の方向を見るとあのお嬢様がこちらを指さしていた。人を指さしてはいけないと教わらなかったのか?


「タイガーさーまー!!」


金髪縦ロールのお嬢様は俺を見るなり走ってきた。そのまま俺に抱きついてきた。臨むことならあと3年後だったら嬉しかったな。


「タイガー様!こんな所で出会うなんて運命ですね!今すぐ結婚しましょう!!」


…な、なんだと?性格は少々難ありだが、見た目は美少女からの求婚だとっ!


「お嬢様!そのような事は旦那様に相談しないといけません!」


少し遅れて他の5人もそろったか…。このパーティー実質的なリーダーはヒーラーさんか?


「でもー、私タイガー様がいい!」


「ですがッ!」


中々強情なお嬢様だ。…このセリフ悪役みたいだな。


「そうだな。俺は君の事をしらないし、君は俺の事をしらない。これは判るな?」


俺はお嬢様の腕を解き、頭を撫でて優しく言う。←ここがポイントです。将来の美女になる可能性がある人には優しいんです。


「ええ!ですから、結婚してお互いの理解を深めればいいんです!」


なぜそうなる?!


俺はヒーラーさんに視線を向けるが溜息をつき首を横に振った。


その時!俺の腹にヤバ目な激痛が!これは出さないとマズイぞ!


「君の気持は嬉しいが、俺は用事があるんだ。行かせてもらうよ?」


優しいナイスガイとしてここを去ろう。一刻も早く去ろう。危険な感じがする、主に肛門がっ!


俺はその場から走ってその場を去った。後ろから「たいがーさまー!!」と追いかけてきている!


これはマズイ!いろんな意味でマズイ!あの女、確実に地雷だ!そして俺の腹の時限爆弾がそろそろ爆発しそうだ!


俺は森の木々より高く飛ぶと空中を何度か蹴りお嬢様の追撃を振り切った!


そして、俺は時限爆弾の解体をするために森の中に降りズボンに手を掛け…




ふう、すっきりんこ。無事に時限爆弾の解除は成功した!我々は勝ったのだ!


解体現場を離れるとすぐに会いたくない人に遭遇した。


「あら、あなた…。この辺で背が高く黒眼黒髪の彫刻よりも逞しく絵画よりも美しい男性見ませんでしたか?」


「いえ…見てませんけど?」


「そうね、あなたみたいな見た目も頭も貧弱な人にはあの方の素晴らしさは理解できなくても当然ですわね!」


…何言ってんだ?こいつ…


お嬢様はその『姿を見たか』と聞いたから見てないと答えたのに、なぜ『姿を理解できない』に変換されるんだ?


「フン、まあいいですわ!行きますわよ!タイガー様ー!どこですかーー!」


「「「「「お嬢様!お待ち下さい!!」」」」」


なんだろう、このモヤモヤした気持ち…。これはもしかすると、恋か!


…んな訳ないな。ヴァニスに付き合ってバレーボールの練習したと思えば、お嬢様にあって自分の褒め言葉と暴言を貰う…疲れたよパトラッシュ…



街へ帰ろうと歩いていると、森の前方からオークがやってきた。手には棍棒を持つ素手よりは少しだけ厄介なタイプだ。


「ふはははは!よく来てくれたな、実験体よ。強くなった俺の力がどの程度か試させてもらう!」


俺は1%の魔力で身体強化するとオークに駆けよりその太った腹を殴りつけた!


オークの腹、いや、背中がボンと破裂するとオークは光になって消えて行った。


…俺、こんな強いの?…きっとマグレ的な強さだろう。1回の検証では答えは出ないはずだ。


俺は再びオークのテリトリー内を歩き回った。



「んー、大体一千万分の一%だと破裂しないかな?」


あれから3時間。


オークのみんな、尊い犠牲ありがとう!俺ってどんだけ強いんだよ?力の感覚が判る前だけど空を飛ぶ鷲?鷹?を捕らえようと地面から衝撃波で捕えられるか試したら見事に消滅しました。だからどんな鳥か見てないんだよね。


そして、遂に飛んでいる大きな鳥を仕留める事が出来たんだ…だが、この身体強化の本当の恐ろしさは魔物が破裂するとか消滅するとかこの事じゃなかった。


 お 腹 痛 い と 思 っ た ら 漏 ら し て い た 


俺はその恐怖と現実に暫く立ち尽くすことしか出来なかった。


数十分経ち、頭の再起動をすると予備の下着とズボンを履き『物体X』が付着した2つの布だったモノを捨てた。


10分しか使えなず長く続く腹痛と下痢、3時の低燃費だがほとんど腹痛は無いが『物体X』が垂れ流しになるか…


俺はこの身体強化を封印することしか出来なかった。


つらい現実と向き合いながら街へ戻る。服屋で新しい下着とズボンを購入して宿へ戻った。


「おかえり、トラ」


「オ…リ、ト…」


背筋を伸ばしたまま読書しているジョンと酒瓶に囲まれテーブルに伏しているログがいた。


「ただいま、2人とも」


俺が椅子に座るとウェイトレスが夕食の注文を取りにきた。


「2人とも食べた?」


「俺はまだだけど、ログは…無理そうだな。それじゃあお勧めを2人分おねがいします」


ジョンが言うとすぐにウェイトレスさん酒瓶を持ちながら厨房に向かった。


「…ジョン、ログはいつから飲んでるんだ?」


「トラが出て行ったあと直ぐに下りてきて、それからさっきまでずっと飲んでた」


ジョンは本から視線を逸らさずに答えてくれた。ログ、お前の人生はそれでいいのか?


「トラ、鍛錬はどうだった?」


「ああ、俺に出来ることと出来ない事の区別がはっきりわかった。後はどうやって自分を説得させるか、だな」


主に『物体X』の垂れ流しに対してですね。我慢するとか言う次元では無いんです。アレは気がついたら漏れてるんですよ?身体強化を使ったら漏れるのは確定事項なら、あとは自分が割り切ればいいんです。割りきれるなら…


「そうか、何か掴んだか…」


「はーい、お待たせしました!今日のおススメです!」


運ばれて来たのは美味しそうなステーキだった。


「「いただきまーす!」」


















「…ゴメン吐いていい?」


そのログの言葉で食堂はパニックになった。




ヨシヒコ


アメリカ最大のプロレス団体のトッププレイヤーであるリック・フレアーも唸らせ、オリンピックのゴールドメダリストのカート・アングルが本当に絶賛した日本の覆面レスラー


詳しくはYou tubeで検索を!アントン、PIZA組との対決や飯伏幸太との名勝負もあるぞ!


見る徳は一人で見ること!家族と見ると気まずくなるぞ?おじさんとの約束だ!



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