私たちは、一生絆を忘れない。
初めての投稿です。
ヘッドホンを耳にかけ、いつものように、
私は、家を出た。
「今日はいい天気だ」
天気のいい日は大好きだ。気分もいいし、外で、バンドの練習ができる。
スタジオでの練習も楽しいけど、夏になると暑苦しくて嫌になっちゃう。
「外で、おもいっきり風を浴びて練習したい」
というのが、私たちの本音である。
そうだ、今日の練習は河川敷にしよう。
あそこだと、お互い職場も近いから、集まりやすいぞ。
ふと思い、仲間に連絡してみた。
ギターのルイ。
ベースのアキオ。
ドラムのミナト。
そして、私。ボーカルのキョウ。中学からバンドをやっていて、
社会人になった今でも、バンドを続けている。
やっと、最近になってライブハウスでも演奏させてもらえるようになった。
ここまでくるのに、時間かかったな~
仲間の力って、諦めない気持ちって素晴らしいなと改めて思う。
しばらくして、空が朱に染まった頃、みんなが河川敷に集まった。
気分良く、練習が始まり、一致団結していた時だった。
「俺、東京に異動になった・・・」
と、アキオが渋々と言い出した。
当然のように、雰囲気が変わってしまった。
「バンドはどうすんだよ!」
と、叫ぶルイ。
今にも、泣きそうなミナト。
私も、ショックで声が出なかった。
そんな雰囲気を、誰よりも早く打ち破ったのは、意外な人物だった。
「アキオ!東京行っても、ギターを忘れるな!そして、必ず戻ってこい!
年取っても、俺たちは絶対お前を忘れねぇから、お前も絶対忘れるな!」
頑固者のルイが泣きながら言った。
私も、ミナトも泣いた。
アキオも、泣き声で「絶対忘れない!」と何度も叫んでいた。
そして、誓った。
「私たちは、一生絆を忘れない。」
読んでくださった方、ありがとうございました。