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壮言詩集  作者: 篠崎貴和
9/17

「指先」



 「明日は在る」


 『明日』とは闇の中にない。

 光の中にもない。

 それは間違いなく有形だからだ。



 「お疲れ様」


 疲れた(からだ)で想いをめぐらせ、

 深夜3時に布団にもぐる。


 廻りはじめた車輪は止まらず、

 さらに一時間 ねむれず。


 窓の外から

 新聞配達のバイクの音


 じきに 小鳥が泣き始めるだろう。

 もう 満足に眠れないだろう。


 それでも なんとか

 おやすみ


 お疲れ様でした。




 「病室」


 真っ白な壁 真っ白な床 真っ白なシーツ


 花まで真っ白


 これじゃあ 赤が目立つな


 誤魔化しが効かないじゃないか


 まいったな




 「炎」


 温度は高いほどに

 白さを増すという


 ならば この目の前の灯火は

 ぬるいのだろうか


 そっと 触れてみる


 どうなったかって?


 ちょっと考えりゃわかるだろう




 「偽善事業」


 私はあなたに

 物を 金を 言葉を

 送りましょう


 あなたは何も気に病まず

 私に優越感をくれればいい


 たった一言

 「ありがとう」で構わない


 それだけで ハッピー




 「遮断」


 暗闇の中で

 手をかざしてごらん


 不思議だね

 僕の目には

 更なる闇が見えるよ




 「指先」


 手のひらをすっと斬るより

 指先をささやかに 切るほうが


 よっぽど

 痛い

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