表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壮言詩集  作者: 篠崎貴和
5/17

「陽炎」



 「批判」


 浅いとか、深いとか、

 本当に分かって言ってるのか?


 そんな下手くそな泳ぎ方じゃ、

 息苦しささえ感じないだろう。




 「回」


 ぐるぐるぐるぐる

 おんなじことの繰り返しで、

 よくもまあ飽きないものです。


 でもまあかくいう私も

 ぐるぐるぐるぐる

 目を回してはつまずいて、

 立ち上がってはよろめいて、


 いい加減にしなくちゃとは

 思ってるんですがね。




 「路上販売」


 欲しいものがたくさんあって、

 いらない物もたくさんあって、

 比べてみたら±0で、

 路上で並べ売りしてみたんだが、

 どうにも売れない 見つからない。


 通り過ぎてく人はみんな

 胡散臭げにこっちを見てて、

 時々笑ったり

 顔をしかめては去ってゆく。


 なんでだろうって疑問に思って、

 ある時ふと気が付いたんだ。


 売り物なんて一つもなくて、

 はたから見たらそれはそう

 まるで乞食のような姿だった。




 「試験期間中」


 憂鬱ではあるがこなさなくては。

 これを過ぎれば一段落、

 長い休みが待っている。


 しかし試されているからには、

 結果ってやつが付きまとうわけで、

 どきどきしてたら眠れない。


 だから(ためし)にこの気持ちを

 こんな風に書いてみたのさ。




 「旧作」


 変化は受け入れなくちゃいけないよね。

 それなりに努力もしているよ。

 それでも後々になって、

 「なんであんなことしてたんだろう」って

 わかんなくなっちゃうことも

 あるかもしれない。


 だけどやり直したり、

 破いて捨てちゃうのはダメ。


 ちょっと大人になったつもりで、

 慰めてあげなきゃ 育たないよ。




 「うちの隣の畑」


 畑がある。

 畝がある。

 景色がある。

 そこにおじちゃんがやってきて、

 汗水たらして耕して。

 夏の日差しが反射して、

 その景色は鮮やかに

 輝いた。




 「該当者」


 なぐられました。


 相手にその気はなかったようです。


 なぐりました。


 まったくその気はありません。


 でも、

 どうにも気持ちがおさまりません。




 「ショートケーキ」


 甘いなぁ 生クリーム

 しょっぱいなぁ 真っ赤なイチゴ

 ふわふわだなぁ スポンジ

 いつまでも食べていたいなぁ


 だけど


 至福の時間は短いもんだ




 「私服」


 おやおやこの服、

 昨日も着たな。

 でもまあ誰も

 気づかないだろう。




 「耐久レース」


 侵された体で 耐久レース

 どれほど続くかわからない

 とにかく走って 転んで 走る


 視界はぼやけて 耳鳴りもひどい

 頭部は疼くし 足は棒だ

 もう動いているのかも定かじゃない


 見えるものは後ろに消えて

 ようやく時間の流れを知る


 喉はかわき 指は震える

 髪は抜け落ち 顔はしわしわ

 そう終わりは遠くないだろう


 それでもこの胸の弾みが

 生きてることを教えてくれる


 耐久レースに ゴールはない

 強いて言うなら立ち止まったとき


 どんなに不格好でも

 あがけば誰かが 拍手をくれる


 距離やタイムは 関係ない


 いつか起き上がれなくなったとき

 そこにテープは現れる


 その色はさまざま


 耐久レースだ 諦めるな




 「自己犠牲」


 僕はそれを

 母親に見た




 「赦し」


 踏みにじられた雑草の花。


 彼らが放つ 儚い香りは、


 痛んだ心を癒してくれた。




 「双眼鏡」


 二つの隔てられた世界が、

 微妙なかたちで交差している。


 無限を感じるその向こうに


 いったい何があるのだろうか。




 「賞状」


 栄誉だ 名誉だ っていうけどさ

 いまどき百均で 売ってるぜ

 それ




 「陽炎」


 薄く開いた目に

 光と熱がしみて

 地平線が にじむ


 今見えている何もかもを

 消し去ろうとしているかのように


 真っ暗だ



中傷は致命傷なので嫌ですが、感想やアドバイスは遠慮なく送ってくれていいですよ。いえ、欲しいとは言ってません。言ってませんとも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ