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壮言詩集  作者: 篠崎貴和
4/17

「零時」

寂しい。が、満足です。


 「諸天」


 他人(ひと)からいっぱい褒めてもらった。

 自分で自分は、ちゃんと見えないから

 鏡を見ても、あいまいだから

 すごく安心して 心地よかった。


 友達と思いっきり喧嘩した。

 どんなに自分が、汚かったか

 どれほど傲慢で、わがままだったか

 はじめて気づいて 愕然とした。


 たった一人でうんと泣いた。

 優しい言葉は、自分のために

 厳しい言葉は、誰かのために

 嫌いな自分に なっていた。


 もう一度、受け止めようと思う。

 嫌いな自分を温めて みんなに優しくなるために


 そしたら もう一度


 褒めてくれますか?




 「倒錯」


 既存のものを見るたびに

 知識と 経験が

 増えていく


 そしてそれらは俺の中の

 新鮮ってヤツを

 奪っていった


 何でもかんでも

 「盗作」に感じて

 自己弁護


 いっそ過去に

 戻してくれなんて

 倒錯行為




 「ハンカチ」


 泣いた分だけ強くなれるなら、


 どうぞ 存分に泣いてください。


 場所も時間もたっぷりあります。


 ぜんぶ吐き出しちゃってください。


 だけど

 もし何も

 変わらないなら


 場所も時間もそんなにないぞ。


 ハンカチ貸すから

 綺麗にぬぐって、


 あとは

 好きにしな。




 「氷星」


 不純であるほど白く染まって

 熱くなるほど 白く光って


 ひびが入って 割れてしまう


 透明をめざして 涙を流せば

 ほんの小さな プリズムになって


 ちっちゃい虹が できました




 「足音」


 誰かが歩いている

 ヒト ヒト ヒト


 生物学上皆同類(せいぶつがくじょうみんなどうるい)

 代用可能全体主義(だいようかのうぜんたいしゅぎ)


 だけど

 耳を澄ませてみれば


 すれず 嘆かず 聞いてみれば


 スタスタ ドシドシ カツッカツッ


 個個有有(ここゆうゆう)




 「?なぞなぞ?」


 「ねぇねぇ とうさん

 オトナになるって どういうこと?」


 「それはね 坊や

 我慢できるようになることだよ」


 「じゃあじゃあ とうさん

 子供のままって どういうこと?」


 「それはね 坊や

 わがままばかり言うことだよ」


 「それじゃあね さいごのしつもん

 大人になれば


 幸せになれる?」




 「バベル」


 はるか昔、バベルの塔が崩された。

 人々が手を伸ばした 神の手で


 人々は 世界に 散りばめられて、

 彼らの言葉は 異国語となった。


 そして彼らは、混乱の中から

 学び 受け継ぎ 争いあって、


 我らは 今一度チャンスを得た。


 さあ諸君! 今こそ 打ち建てよう!

 混乱を意味する バベルの塔を!




 「零時」


 昨日、今日、明日。

 境目のはっきりしない

 彼らの答えは、


 一秒先の

 無の中にある。




「?なぞなぞ?」の会話は昔電車の中で聞いたまんまな気がしますね。

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