表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壮言詩集  作者: 篠崎貴和
16/17

「恋奏」

今回は少し恋愛関係に着目してみました。友人からいろいろ相談を受けたりして、自分なりに考えたんですが、どうでしょう。

 「ヘッドホン」


 ねじれた言葉を言えるほど


 ねじれた想いを解けるほど


 器用じゃないから


 恋って難しいね


 伝えるって難しいね


 


 「蛍光灯」


 スイッチが入り

 辺りを照らす


 その明るさに慣れて

 長く当たるほどに


 いずれ唐突に切れたとき


 闇は深く

 その残滓も強く残る


 ぼんやりと

 羨まし気に




 「デート」


 めくるめくカレンダーの日付に

 書き込まれた約束は

 恋人たちの

 始まりと終わりを

 淡々と示す




 「誰が為に」


 君の苦しみは知らない

 苦しむ姿が見えるだけ

 こらえた涙が 声を焼き

 かすかに空気を温める


 僕には救えない

 その苦しみに触れられず

 取り除くことも


 だから僕は探してあげよう

 君を救える 君自身を

 君の内側から


 もしかしたらそれは

 僕の知らない人かもしれない


 それでも君が その声を

 僕を温めた その声を

 取り戻せるのなら


 僕はこの身を

 静かに投げ打とう


 君の痛みを道ずれに

 誰にも気づかれないように


 後に残るのは

 君の笑顔であればいい




 「ロマンチスト」


 理想主義者の戯言(たわごと)

 独り善がりの空言(くうげん)


 麻薬のように夢を見せ、

 知らぬ間何かを破滅する。


 だけど あなたとなら

 あなたとだけなら


 笑って 語れるかもしれない。





 「片思い」


 一途にして病的に、

 人間が真理を求めるように。


 愛される前提があってから

 愛することができたなら、


 それはどんなにか楽で

 どんなに寂しいことだろう。


 苦痛を避けたく避けがたく、

 永遠に続くかに見えた

 ジレンマの末路は・・・。





 「瀬戸際」


 殺してほしい

 最高の笑顔で


 二度と触れられない位置から

 小さな背中を押せるように


 鏡のように映してほしい

 最高の笑顔で

 最後の私を





 「決着」


 思っていたより強く、

 期待していたより弱い。


 真実は人を傷つけるとは

 よく言ったもので、


 残りの勇気は

 どこから補われるのか。






 「恋奏(れんそう)


 つながる

 一つずつ 一つずつ

 そこにいかなる境界もなく

 正と負さえも手を取り合う


 到底かなわぬ 幻であっても

 絵に描くことなら 許されるだろう


 点と点 線と線

 酷く歪んだそれは


 無残にも美しい

 冬の星空を連想させた。





エゴのような、奇跡のような。愛するには、愛されるにはどうすればいいのか。僕にはまだまだ、これという答えが、見つかりそうにありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ