「朧月」
コトバにならない諸々に
無理やり服を着せて
追い出して
おかえり
「睡眠」
ほんのちょっと前まではさぁ
とにかく暗闇が怖くって
豆電球をつけてなきゃ
夜も眠れないほどだったのに
今では全くその逆で
ほんの少しの光も邪魔で
ぜんぶ消して ぜんぶおおって
とにかく
闇が
欲しかった
「睡眠療法」
たった一晩眠るだけで
昨日のことがこんなにぼんやり
霞れてしまう
眠る間際に思い付いた
あんなにきれいな言葉でさえも
もう ない
もう ないよ
「サーモメーター」
真っ赤な血だまりから
一筋ひいて
天井を目指す
無性に
叩き割ってしまいたい
「偶像崇拝」
時代が求めた 裏声で
ラララ ルルル
自分も他人も 偽って
ラララ ルルル
名前と ナマエと
それから イメージ
一人歩きで
ラララ ルルル
「コードネーム」
名前を呼んでほしかったんです
「お前」 や 「君」 は
もう聞き飽きました
あなたあっての僕だけど
僕は一人しか いないはずだ
その他大勢とは 違うはずだ
答えてよ
ねぇ
ひとりにしないで
「何も見えない」
暗闇に
手を
伸ばしたら
拒絶された
「キャンプファイアー」
星にならない 命を謳え
謳えないなら 切り刻んでしまえ
飛び散る火花 心 脳髄
叫び声ほど 響かない
小さな呟きは
鈍重に
のしかかる
「真っ赤な嘘」
真っ赤な嘘は尾びれをつけて
ふわふわ ふわふわ
うかんでく
たとえ限界を知っても
のぼることはあきらめない
それでもいつかは 陽に射され
僕らにつかれて 自分につかれて
パチンとはじけて
ちぢれてしまった その残骸は
むなしく落ちて
踏みつけられる
「近視」
僕はね、とっても目が悪いんだ。
手元のものさえ見えないくらいに。
0,1もないんじゃないかな。
それでも 眼鏡やコンタクトレンズ
つけないのはね、
気づいてしまったからなんだ。
ぼんやりした世界の 酩酊感 とか、
僕を包む 音 や 匂い。
そして、
孤独でさえも塗りつぶせること。
「朧月」
水面にしばし漂って
呑まれて失せて また浮かぶ
燃ゆる篝火をそっと吹き消し
流れる白い河を断つ
どこまでいけば 貴様を掴める
眩く焼け落ちた天上か 暗く堅牢な冥府の底か
追えど届かず 負えど許されず
虚実に託して光を見れば
いかなる玉響も 無限の如し
どこまでいけば 貴様を掴める
どこまでいけば 貴様に並べる
どこまでいけば…
適当にリンクしてたら、ここに来てしまったという方。あらすじを見て、興味を持って来てくださった方。とりあえずありがとうございます。本当なら前書きで言うべきなんでしょうね、これ。でもまあ、投稿編集の段階でキャッチコピーじみたものを入れたくなって、衝動的に入れてしまいました。
個人的に「詩を書くこと」って、どうでもいいことから、このまま溜め込んだらいつか壊れてしまうような濁流を、言葉本来が持ってる意味さえ超えた形で吐き出すことだと思うんです。カッコつけてもあくまで主観的意見なんですが。
まあこれからちょっとずつ書いていくので、誰か一人でも見てくれますように。
そしてその方に僕の詩が小さな兆しを与えられますように。