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魔導師の落し者【休止中】  作者:
【幕間】三ヶ月間
31/37

ぼくのものがたり

ややホラーっぽいかもです。

気付いたら、僕はここにいた。

真っ暗で何も見えなかった。


(ここはどこだろう?)


手を動かしてみると、冷たくて堅い感触がする。

足を動かしてみても、冷たくて堅い感触がする。

顔は………動かない、けれど頬に冷たくて堅い感触がする。


(ぼくはせまいところにねているんだ!)


真っ暗で狭くて冷たくて堅い所に、僕は横向きになって寝ているみたい。

床に当たる部分の体が冷たくて、僕はぶるぶると震える。

とても冷たくて僕は体をギュッと抱えて凍えていた。


(ここはさむいよ!ここからだして!)














(ここはつめたくていやだ!おねがいだして!)
















(だして!!)














(だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!)













(だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だして!だしてよぉ!!!!)














(…で た い)


真っ暗な世界で僕に答えてくれるものは何も無かった。

あまりの寒さに、体の感覚がもう無い事にも気付かなかった。

ここは、とても、さむい。










*










今は何時なのか、いつからさっきになったのか、時間の感覚が分からなくなった、今。

僕はやっぱりここに居た。

真っ暗で冷たくて堅い。


(…………)


自分が瞼を開けているのか、閉じてるのかも分からない。

けれど、ここが冷たくて暗いのは分かる。

ここは、とても、さむい。










*










僕はまだここに居た。

もしかしたら、僕が思っているほどここに居る時間は短いのかもしれない。

お腹も空かないし、こんなに冷たい所に居るのに、僕の体はまだ凍ってない。










*










僕は変わらずここに居る。

でも僕は凍ってない。固まってない。










*










僕はまだここに居る。

でもまだ凍ってない。

体は…確かめるのも億劫だ。










*










僕は今もここに居る。

これはきっと夢なんだと思った。

僕は何処かで寝ていて、その夢の中に居るんだ。










*










僕は夢の中にいる。

夢の中に居るのに動けないのはとても理不尽だけど、我慢しくちゃ。

早く目が覚めたい。










*










僕はまだ夢の中にいる。

一体僕は何時まで寝ているんだろう、いい加減誰かが起こしてくれればいいのに。

あれ?誰かって誰だろう?










*










僕は夢の中に居る。

誰かが分からなくて、あれからずっと考えている。

僕にとっての誰かって、ダレだっけ?










*










僕は夢の中で考え続けている。

でもダレも僕は思い出せない。

僕はダレを知っていたの?










*










僕は考え続けてる。

思い出せないダレかは、僕を知っていたのかな。

僕は知らないけど、ダレかは僕を覚えてるかな。










*










ダレカ ボクヲ オコシテ。










*



















*




















*



















*










????









*










ナニカがボクにフれた?










*










ボクのしたの方にナニカを感じタ。

コレはナンだろウ。

アツイ?










*










僕のしたの方が熱を持っている。

アツイアツイアツイ。










*











アツいナニかは僕のおへそだった。

おへそが熱い。

でも、温かい。これはなんだろう?










*










温かいナニかのお陰で、僕は凍えずに済んだみたい。

動かなかった手もおへそに手を当てたら、動くようになった。

凄い!僕のおへそ。










*










ナニかのお陰で、僕は少しだけ元気になった気がする。

ここは真っ暗で狭くて冷たいけれど、僕は温かい。

だから、大丈夫。




















僕はきっと起こしてくれるダレかをここで、待っていよう。

それまでは。



(おやすみなさい)

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